お客様の7割以上がスマホで見ています
自社のホームページ、最近スマホで見たことはありますか?
この質問に「はい」と即答できる方は、意外と少ないかもしれません。パソコンで作業することが多いホームページ担当者の方は、ついついパソコンの画面で確認して終わりにしてしまいがちです。しかし、実際にあなたのホームページを見ているお客様の多くは、スマートフォンを使っています。
ウェブ解析士として多くの企業サイトのデータを分析してきた経験から申し上げると、業種にもよりますが、今やホームページへのアクセスの70%から80%がスマートフォンからという状況が一般的です。飲食店や美容室、小売店などの地域密着型ビジネスでは、この割合がさらに高くなることも珍しくありません。
つまり、パソコンで見やすいホームページを作っても、お客様の大半が見ているスマホの画面で使いにくければ、せっかくの情報が届かないのです。「ホームページを作ったのに問い合わせが来ない」「アクセスはあるのに電話がかかってこない」という悩みの原因が、実はスマホでの見づらさにあるケースは非常に多いのです。
スマホ対応は、もはや「できたら良い」という付加価値ではなく、「必須」の要素になっています。お客様にとって見やすく、使いやすいホームページを提供することは、店舗での接客と同じように、ビジネスの基本的な「おもてなし」の一部なのです。
スマホとPCはこんなに違う:画面だけじゃない3つのポイント
スマートフォンとパソコンの違いは、単に画面のサイズが違うだけではありません。もっと本質的な違いがあり、それを理解することがスマホ対応の第一歩になります。
操作方法の違い:マウスと指では大違い
パソコンではマウスやトラックパッドを使って、画面上の小さなボタンやリンクを正確にクリックできます。カーソルという「矢印」が見えているので、どこをクリックしようとしているのか自分でも分かりやすいですよね。
一方、スマートフォンでは指を使ってタップします。指先は意外と太く、小さなボタンを正確に押すのは難しいものです。隣のボタンを間違えて押してしまったり、押したつもりなのに反応しなかったりという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
そのため、スマホ向けのレイアウトでは、ボタンやリンクを十分に大きく、そして間隔を空けて配置する必要があります。特に「お問い合わせ」や「電話する」といった重要なボタンは、親指で楽に押せる大きさにすることが大切です。
見る場所の違い:集中できる環境とは限らない
パソコンでホームページを見るとき、多くの人は机に向かって、椅子に座って、じっくりと画面を見ています。周りも比較的静かで、集中して情報を読み取れる環境です。
しかし、スマートフォンでホームページを見るときの状況は全く違います。通勤電車の中で立ちながら片手で見ていたり、歩きながらちらっと確認していたり、お店の前で営業時間を調べていたりと、必ずしも集中できる環境ではありません。画面も揺れますし、周りの音も気になります。
このような状況で見られることを前提にすると、情報はできるだけシンプルに、分かりやすく提示する必要があります。複雑な構造や長い文章は読まれません。「パッと見て、すぐ分かる」ことが重要なのです。
お客様の気持ちの違い:今すぐ知りたい、今すぐ連絡したい
パソコンでホームページを見る人は、情報をじっくり比較検討していることが多いです。複数のタブを開いて、いくつかの会社を比べながら、時間をかけて選んでいます。
一方、スマートフォンでホームページを見る人は、「今すぐ知りたい」「今すぐ連絡したい」という気持ちが強い傾向があります。「今日営業しているか知りたい」「今から行けるか確認したい」「すぐに電話で予約したい」といった、即座の行動につながる情報を求めているのです。
だからこそ、スマホ向けのレイアウトでは、電話番号や営業時間、アクセス情報といった「すぐに必要な情報」を、最初に見える画面の目立つ場所に配置することが重要になります。お客様が「探す」のではなく、「見つかる」状態を作ることが、問い合わせや来店につながるのです。
スマホで見やすいサイトの5つの基本ルール
ここからは、スマートフォンで見やすいホームページを作るための、具体的な5つの基本ルールをご紹介します。専門的な知識がなくても理解できる内容ですので、自社のホームページと照らし合わせながら読んでみてください。
ルール1
ボタンは大きく、押しやすく
スマートフォンで最も重要な要素の一つが、ボタンのサイズです。「お問い合わせ」「電話する」「予約する」といったボタンは、お客様とあなたのビジネスをつなぐ、最も大切な入口です。
このボタンが小さすぎると、お客様は押すことをためらったり、間違えて別の場所をタップしてしまったりします。実際に私がサポートしたある企業では、お問い合わせボタンのサイズを大きくし、色も目立つものに変更しただけで、問い合わせ数が1.5倍に増加しました。それまでは「ボタンが小さくて押しにくい」という理由で、問い合わせをあきらめていたお客様が多かったのです。
目安としては、親指で楽に押せる大きさ、具体的には指の腹がすっぽり収まるくらいのサイズが理想的です。また、ボタンとボタンの間隔も十分に空けることで、押し間違いを防げます。「このボタン、押しやすいな」とお客様に感じてもらえることが、行動につながる第一歩なのです。
ルール2
情報は少なく、分かりやすく
スマートフォンの画面は小さいため、パソコンのように一度にたくさんの情報を表示することができません。無理に詰め込もうとすると、文字が小さくなりすぎたり、ごちゃごちゃして何が重要なのか分からなくなったりします。
スマホ向けのレイアウトでは、「情報の引き算」が大切です。本当に必要な情報だけを、優先順位をつけて表示します。お客様が知りたい情報の多くは、営業時間、場所、連絡先、料金、サービス内容といった基本的なものです。これらの情報に、3回タップ以内でたどり着けるようにすることが理想的です。
また、メニュー構造もシンプルにしましょう。パソコン版では10個のメニュー項目があっても問題ありませんが、スマホでは5個程度に絞り込んだ方が使いやすくなります。「あれもこれも見てほしい」という気持ちは分かりますが、情報が多すぎると、かえってお客様は何も見ずに離れてしまうのです。
ルール3
文字は大きく、読みやすく
スマートフォンの画面で文字を読むのは、想像以上に目が疲れるものです。特に電車の中など、画面が揺れる環境では、小さな文字を追うのは困難です。
文字サイズは、最低でも16ピクセル以上、できれば18ピクセル程度が読みやすいとされています。「これくらいなら読めるだろう」と思うサイズでも、実際にスマホで見てみると意外と小さく感じることがあります。自分の目では読めても、老眼が始まっている年配のお客様には読みにくいかもしれません。
また、文字の色と背景色のコントラストも重要です。色彩検定の知識から申し上げると、薄いグレーの文字を白い背景に載せるといったデザインは、おしゃれに見えても読みにくくなります。黒い文字に白い背景、あるいは白い文字に濃い色の背景といった、はっきりとしたコントラストを持たせることで、読みやすさが格段に向上します。
行間も適度に空けることで、文章が詰まった印象を避けられます。ぎっしり詰まった文章は、それだけで「読むのが大変そう」という印象を与え、お客様が読む前に離れてしまう原因になります。
ルール4
写真は軽く、速く表示
きれいな写真は、ホームページの魅力を高める大切な要素です。商品の写真、店舗の外観、スタッフの笑顔など、視覚的な情報はお客様の心を動かします。
しかし、高画質の写真はファイルサイズが大きく、スマートフォンで表示するのに時間がかかってしまいます。特に電車の中など、通信環境が不安定な場所では、写真がなかなか表示されず、お客様をイライラさせてしまいます。「表示が遅い」というだけで、お客様の半数以上が3秒以内にサイトを離れてしまうというデータもあるのです。
WordPress構築の専門家として申し上げると、写真は適切なサイズに圧縮してから使用することが重要です。スマートフォンの画面は小さいので、パソコン用の大きな写真をそのまま使う必要はありません。横幅800ピクセル程度あれば、スマホで見るには十分です。
また、最近のブラウザが対応している「WebP」という画像形式を使うと、画質を保ちながらファイルサイズを大幅に小さくできます。WordPressでは、プラグインを使って簡単に画像を最適化できますので、ぜひ活用してみてください。
ルール5
縦にスクロールする設計
スマートフォンでホームページを見るとき、お客様は親指で画面を上下にスクロールします。これは非常に自然な動作で、誰でも無意識にやっています。
しかし、横にスクロールしないと全体が見えないデザインは、非常に使いにくく感じられます。画面を拡大したり、左右に動かしたりしなければならないのは、お客様にとってストレスです。スマホ向けのレイアウトでは、すべての情報が画面の幅に収まり、縦にスクロールするだけで見られるようにすることが基本です。
また、「ファーストビュー」と呼ばれる、最初に表示される画面の重要性も理解しておきましょう。お客様がホームページを開いたとき、スクロールする前に見える範囲で、「このサイトには自分が探している情報がありそうだ」と感じてもらう必要があります。
そのため、会社名やサービス名、キャッチコピー、そして電話番号やお問い合わせボタンといった重要な要素は、できるだけ最初の画面に配置しましょう。お客様は、最初の数秒でそのサイトを見続けるかどうかを判断しています。その短い時間で心をつかむことが、成果につながるのです。
こんなサイトは要注意:よくある失敗パターン
ここまで基本ルールをお伝えしてきましたが、実際にはどのような問題が起こりやすいのでしょうか。WordPress構築とウェブ解析の専門家として、多くの企業サイトを見てきた経験から、よくある失敗パターンとその改善方法をご紹介します。
失敗1
パソコン用のサイトをそのまま縮小しただけ
最も多い失敗が、パソコン用に作ったホームページをそのまま小さくしてスマホに表示しているケースです。見た目は確かにスマホの画面に収まっていますが、文字が小さすぎて読めなかったり、ボタンが小さすぎて押せなかったりします。
ある商店のサイトでは、パソコンでは見やすかった営業時間の表が、スマホでは文字が小さすぎて虫眼鏡が必要なほどでした。お客様から「営業時間が分からなかった」という声が多く、改善後は問い合わせの電話が減り、代わりに来店客が増えました。情報が正しく伝わるようになったのです。
この問題を解決するには、スマホ用に情報の見せ方を再設計する必要があります。表形式のデータは、スマホでは縦に並べたリスト形式にするなど、画面サイズに合わせた表現方法を選ぶことが大切です。
失敗2
メニューが複雑で目的の情報にたどり着けない
パソコン版では問題なく使えていたメニュー構造が、スマホでは複雑すぎて使いにくくなっているケースもよく見られます。階層が深すぎたり、メニュー項目が多すぎたりすると、お客様は目的の情報を見つけられずに諦めてしまいます。
実際にサポートした企業の例では、メニュー構造を見直し、「よくある質問」ページへのアクセスを簡単にしただけで、問い合わせ電話が30%減少しました。これは良いことで、お客様が自分で疑問を解決できるようになったため、わざわざ電話をかける必要がなくなったのです。企業側も電話対応の負担が減り、より重要な業務に集中できるようになりました。
メニューはシンプルに、そして「お客様が知りたいこと」を優先した構造にすることが重要です。内部の部署構造に合わせたメニューではなく、お客様の視点で整理しましょう。
失敗3
写真や動画が重くて表示に時間がかかる
美しい写真や動画は、ホームページの魅力を高めます。しかし、ファイルサイズが大きすぎると、スマホでの表示に時間がかかり、お客様を待たせてしまいます。
ある飲食店のサイトでは、トップページに高画質の料理写真を10枚以上配置していました。パソコンでは問題なく表示されましたが、スマホでは読み込みに10秒以上かかり、多くのお客様がその間に離れてしまっていました。写真を最適化し、枚数も絞り込んだところ、表示速度が3秒以内になり、サイトからの予約が2倍に増加しました。
「きれいな写真をたくさん見せたい」という気持ちは分かりますが、表示されなければ意味がありません。写真の枚数を絞り、一枚一枚を適切なサイズに圧縮することで、美しさと速度の両立が可能です。
失敗4
電話番号がタップできない、または見つけにくい
スマホで見ているお客様の多くは、「今すぐ電話したい」と思っています。しかし、電話番号が単なるテキストとして表示されているだけで、タップしても電話がかからないサイトが意外と多いのです。
また、電話番号が目立たない場所に小さく書かれているだけというケースもあります。お客様は電話番号を探し回ることはしません。すぐに見つからなければ、別のお店に連絡してしまうのです。
電話番号は、画面の上部や下部など、常に見える場所に大きく表示し、タップするだけで電話がかかるようにリンクを設定しましょう。これだけで、問い合わせ数が大きく変わることがあります。
WordPressなら比較的簡単:スマホ対応の始め方
ここまで読んで、「自社のサイトも改善が必要そうだけど、難しそう」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、WordPressでホームページを作っている場合、スマホ対応は思ったより簡単に始められます。
レスポンシブデザインという仕組み
「レスポンシブデザイン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、どんな画面サイズでも自動的に見やすく表示されるように設計されたデザインのことです。
最近のWordPressテーマ(デザインのテンプレート)の多くは、最初からレスポンシブデザインに対応しています。つまり、特別な設定をしなくても、ある程度はスマホで見やすく表示されるようになっているのです。
ただし、「レスポンシブ対応」と書いてあっても、実際の使いやすさはテーマによって大きく異なります。テーマを選ぶときは、必ずデモサイトを自分のスマホで実際に見てみることをお勧めします。文字は読みやすいか、ボタンは押しやすいか、メニューは使いやすいかを、自分の目と指で確認しましょう。
プラグインで簡単に最適化
WordPressの大きな利点の一つが、「プラグイン」という追加機能を簡単に導入できることです。スマホ表示を改善するためのプラグインもたくさんあります。
例えば、画像を自動的に圧縮して軽くしてくれるプラグインを使えば、専門知識がなくても表示速度を改善できます。また、電話番号を自動的にリンクに変換してくれるプラグインもあります。
ただし、プラグインを入れすぎると、かえってサイトが重くなったり、不具合が起きたりすることもあります。本当に必要なものだけを厳選して使うことが大切です。どのプラグインを選べば良いか分からない場合は、WordPress制作の専門家に相談するのも一つの方法です。
自分でできることと、プロに任せること
WordPressは比較的扱いやすいシステムですが、細かなカスタマイズや本格的な最適化となると、やはり専門的な知識が必要になります。無理に自分ですべてやろうとして、かえってサイトを壊してしまうこともあります。
「文章や写真の差し替えは自分でできるけれど、デザインの変更や機能の追加はプロに任せる」というように、役割分担を考えることが大切です。本業に集中しながら、技術的な部分は専門家に任せることで、効率的にホームページを改善していけます。
WordPress構築の専門家として申し上げると、初期のセットアップや大きな改修はプロに任せ、日々の更新は自分で行うというスタイルが、多くの中小企業や商店にとって最も現実的で効果的な方法だと感じています。
今すぐできる:スマホ表示の確認方法(専門知識不要)
ここからは、専門的なツールや知識がなくても、今日からできるスマホ表示の確認方法をご紹介します。難しいことは一切ありません。
自分のスマホで見てみる
最もシンプルで、最も重要な確認方法が、自分のスマートフォンで自社のホームページを実際に見てみることです。これだけで、多くの問題に気づくことができます。
ただし、いつも使っている机の上で見るだけでは不十分です。通勤電車の中で、立ちながら片手で見てみてください。お客様の多くは、このような状況でホームページを見ています。揺れる電車の中で、文字は読めますか?ボタンは押せますか?電話番号はすぐに見つかりますか?
また、時間を変えて何度か見てみることも大切です。朝の明るい時間、夜の暗い時間、屋外の日差しの下など、見る環境によって画面の見え方は変わります。特に、背景色と文字色のコントラストが弱いと、明るい場所では文字が見えにくくなることがあります。
「自分が初めてこのサイトを見るお客様だったら」という視点で、厳しい目でチェックしてみましょう。普段から見慣れているサイトだと、問題点に気づきにくいものです。
家族や友人に見てもらう
自分では気づかない問題も、他の人に見てもらうと発見できることがあります。家族や友人に、自分のスマホで自社のホームページを見てもらい、率直な感想を聞いてみましょう。
「このボタン、押しにくくない?」「電話番号、どこにあるか分かる?」「営業時間、すぐ見つかった?」といった具体的な質問をすると、有益なフィードバックが得られます。特に、年配の方や、普段あまりスマホを使わない方の意見は貴重です。彼らが使いにくいと感じる部分は、多くのお客様も同じように感じている可能性が高いのです。
また、自分とは違う機種のスマートフォンで見てもらうことも重要です。iPhoneとAndroidでは画面サイズや表示のされ方が微妙に違います。できれば両方で確認できると理想的です。
無料ツールで簡単チェック
Googleが提供している「モバイルフレンドリーテスト」という無料ツールを使えば、自社サイトのスマホ対応度を簡単にチェックできます。専門知識は一切不要で、サイトのURLを入力するだけです。
このツールは、サイトがスマホで見やすいかどうかを自動的に判定し、「このページはモバイルフレンドリーです」または「このページはモバイルフレンドリーではありません」と明確に教えてくれます。もし「モバイルフレンドリーではありません」と判定された場合は、具体的にどこに問題があるかも教えてくれます。
使い方は簡単です。Googleで「モバイルフレンドリーテスト」と検索すると、テストページが見つかります。そこに自社サイトのURLを入力して「テスト」ボタンを押すだけ。数秒で結果が表示されます。
ただし、このツールで「合格」と出ても、それで完璧というわけではありません。あくまで基本的な技術要件を満たしているかどうかのチェックです。実際の使いやすさは、やはり自分の目と指で確認することが大切です。
効果を実感する:数字が苦手でも分かる確認方法
スマホ対応の改善を行ったら、その効果を確認したいですよね。しかし、GA4(Google Analytics 4)やGSC(Google Search Console)といった専門的な分析ツールは、慣れていない方には難しく感じられるかもしれません。そこで、特別なツールを使わなくても効果を実感できる方法をご紹介します。
お問い合わせの数を数える
最もシンプルで、最も重要な指標が、お問い合わせの数です。電話での問い合わせ、メールでの問い合わせ、予約フォームからの申し込みなど、お客様からの連絡が増えたかどうかを確認しましょう。
手帳やカレンダーに、毎日の問い合わせ数をメモしておくだけで十分です。スマホ対応の改善を行った前後で、問い合わせ数がどう変化したかを比較してみてください。1週間単位、1ヶ月単位で見ると、傾向が分かりやすくなります。
ただし、季節による変動や、他の要因(チラシを配った、口コミで話題になったなど)も考慮する必要があります。「スマホ対応を改善したから増えた」と断定する前に、他の要因がなかったかも振り返ってみましょう。
それでも、明らかに問い合わせが増えたなら、それは改善の効果が出ている証拠です。お客様にとって使いやすいサイトになったということですから、自信を持って良いでしょう。
お客様に直接聞いてみる
「ホームページを見ました」と言って来店されたお客様や、電話をかけてきたお客様に、直接聞いてみるのも効果的です。「ホームページ、スマホで見やすかったですか?」「欲しい情報はすぐ見つかりましたか?」といった簡単な質問で構いません。
お客様の生の声は、どんな分析ツールよりも価値があります。「前より見やすくなりましたね」「電話番号がすぐ見つかって助かりました」といった言葉をいただけたら、改善の効果が出ている証拠です。
逆に、「ちょっと見にくかった」「○○の情報が見つからなかった」といった意見があれば、それは次の改善ポイントです。お客様は、あなたのホームページの最も厳しい、そして最も正直な評価者なのです。
お客様との会話の中で自然に聞くのがコツです。アンケート形式にすると堅苦しくなってしまうので、「そういえば、ホームページ見ていただけましたか?見やすかったですか?」と、カジュアルに尋ねてみましょう。
同業他社と比べてみる
自社サイトの改善度合いを客観的に見るには、同業他社のサイトと比較してみるのも有効です。競合店や同じ業種の会社のホームページを、スマホで実際に見てみましょう。
「うちのサイトの方が見やすい」「うちの方が電話番号が分かりやすい」と感じる部分があれば、それはあなたのサイトの強みです。逆に、「あちらの方が使いやすい」と感じる部分があれば、それは改善のヒントになります。
ただし、単に真似をするのではなく、「なぜ使いやすいのか」を考えることが大切です。ボタンが大きいから?色使いが分かりやすいから?情報の配置が良いから?その理由を理解した上で、自社サイトに取り入れられる要素を検討しましょう。
また、全く違う業種のサイトを見てみるのも勉強になります。大手企業のサイトや、評判の良いサービスのサイトは、多くの予算と専門家の知恵が投入されています。そこから学べることは多いはずです。
チェックリスト:自社サイトのスマホ対応度を確認
ここまでお読みいただいた内容を踏まえて、自社サイトのスマホ対応度を確認できるチェックリストを用意しました。それぞれの項目について、「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
□スマホで自社サイトを開いたとき、文字は読みやすいサイズで表示されていますか?
小さすぎる文字は、お客様が読む気をなくす原因になります。
□電話番号はタップするだけで電話がかけられるようになっていますか?
スマホで見ているお客様の多くは、すぐに電話をかけたいと思っています。
□横にスクロールしなくても、すべての情報が見られますか?
横スクロールは、スマホでは非常に使いにくい操作です。
□営業時間や住所など、よく聞かれる情報はすぐに見つかりますか?
お客様が探し回らなくても、重要情報が目に入る配置になっているか確認しましょう。
□メニューは分かりやすく、3回以内のタップで目的のページにたどり着けますか?
複雑すぎるメニュー構造は、お客様を迷わせます。
□文字と背景のコントラストは十分にありますか?
薄い色の組み合わせは、明るい場所では見えにくくなります。
□最初に表示される画面(スクロールする前)に、会社名やサービス名、連絡先などの重要情報が入っていますか?
ファーストビューで、お客様の心をつかむことが大切です。
□実際に自分のスマホで、通勤電車の中など揺れる環境で見たことがありますか?
机の上で見るのと、実際の使用環境で見るのでは、印象が大きく異なります。
これらの項目のうち、「はい」と答えられたものが多いほど、あなたのサイトはスマホ対応が進んでいると言えます。「いいえ」が多かった場合でも、心配する必要はありません。これから改善していけば良いのです。
まずは、「いいえ」だった項目の中から、一番改善しやすそうなものを一つ選んで、取り組んでみましょう。すべてを一度に完璧にしようとする必要はありません。一つずつ、着実に改善していくことが大切です。
まとめ:完璧じゃなくてOK、小さな改善から始めよう
ここまで、スマホ表示を意識したレイアウトについて、様々な視点からお伝えしてきました。「やることが多くて大変そう」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、安心してください。最初から完璧を目指す必要はまったくないのです。
スマホ対応は、「一度やったら終わり」というものではなく、継続的に改善していくものです。技術も進化しますし、お客様の使い方も変わっていきます。大切なのは、「お客様にとって見やすく、使いやすいサイトにしたい」という気持ちを持ち続けることです。
今日この記事を読んで、一つでも「これなら自分にもできそう」と思える改善点が見つかったなら、それは大きな一歩です。まずはその一つだけでも実行してみてください。ボタンを少し大きくする、電話番号を目立つ場所に移動する、写真のサイズを小さくする。どんな小さな改善でも、お客様の体験は確実に良くなります。
そして、改善したら、その効果を確認しましょう。お問い合わせは増えましたか?お客様から「見やすくなった」と言われましたか?効果が実感できたら、次の改善に進む。この繰り返しが、あなたのホームページを着実に成長させていきます。
スマホで見やすいホームページは、お客様への「おもてなしの心」の表れです。店舗での接客と同じように、ホームページでもお客様を大切にする。その姿勢が、お客様の心に届き、ビジネスの成長につながるのです。
戦略的ウェブ制作工房エル・タジェールでは、「作って終わり」ではなく、お客様のビジネス目標達成のためのパートナーとして、継続的なサポートを提供しています。データ分析に基づいた改善提案から、日々の運用サポートまで、お客様と共に成長することを大切にしています。
困ったときは:専門家に相談という選択肢
ここまで読んで、「自分でできることは試してみたい」と思われた方も、「やっぱり専門家に任せたい」と思われた方もいらっしゃるでしょう。どちらの選択も正解です。大切なのは、あなたのビジネスにとって最適な方法を選ぶことです。
WordPress制作会社やウェブ解析の専門家に相談すれば、難しいデータ分析から具体的な改善提案まで、一気通貫でサポートを受けられます。自分で試行錯誤する時間を本業に充てられますし、専門家の知見を活かすことで、より効果的な改善が可能になります。
「餅は餅屋」という言葉があるように、技術的な部分は専門家に任せ、あなたは本業に集中する。その方が、結果的にビジネス全体の成長につながることも多いのです。
エル・タジェールでは、ウェブ解析士として、また WordPress構築の専門家として、「勘や経験に頼らないデータドリブンなアプローチ」を大切にしています。過去の失敗経験から学んだ教訓を活かし、お客様のビジネス目標達成のために、分かりやすい言葉で、実践的な改善提案をお届けしています。
難しいデータ分析や技術的な実装は私たちが担当し、お客様には「なぜこの改善が必要なのか」「どんな効果が期待できるのか」を分かりやすくお伝えします。お客様が納得し、安心して任せられる関係性を大切にしています。
スマホ対応に限らず、ホームページの改善や運用について、少しでも疑問や不安があれば、お気軽にご相談ください。平日8:00-16:00の営業時間内であれば、いつでもお問い合わせをお待ちしています。
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