「デザイン思考」で世界を新しい目で見る:ティム・ブラウン著『デザイン思考が世界を変える』
はじめに
今回は、ティム・ブラウン著「デザイン思考が世界を変える」という本を読んだ感想を共有したいと思います。この本は、私の物の見方や考え方を大きく変えてくれた一冊で、ビジネスパーソンだけでなく、創造的な問題解決に興味がある全ての人にお勧めしたい本です。
「デザイン思考」との出会い
正直に告白すると、この本を手に取る前は「デザイン思考」という言葉に少し抵抗がありました。「デザイン」というと、グラフィックデザインや製品デザインのような専門的な分野のイメージが強く、自分には関係ないと思っていたんです。
でも、この本を読み進めるうちに、自分の認識が間違っていたことに気づかされました。ティム・ブラウンが提唱する「デザイン思考」は、美しいものを作り出すテクニックではなく、創造的に問題を解決するための思考法だったのです。
人間中心のアプローチに感銘
本書で最も印象に残ったのは、デザイン思考における「人間中心」のアプローチです。ブラウンは、真の革新は人々の潜在的なニーズを深く理解することから生まれると主張しています。
例えば、買い物カートの再設計の事例は目から鱗でした。デザイナーたちが単に「より良いカート」を作るのではなく、実際にスーパーマーケットで人々の行動を観察し、その中から新しいアイデアを生み出していく過程は、とても興味深かったです。
この考え方は、私の仕事にも大きな影響を与えそうです。新しいプロジェクトを始める前に「本当にユーザーが求めているものは何か?」という問いを自分に投げかけることが大切ですね。では、ユーザーとはだれか?そんなことにも話が広がりそうです。
プロトタイピングの重要性
もう一つ、強く心に残ったのは「プロトタイピング」の重要性です。アイデアを早い段階で形にして試すことの大切さを、ブラウンは繰り返し強調しています。
正直、最初はこのアプローチに戸惑いを感じました。「半端な状態で人に見せるなんて…」という従来の考え方が頭をよぎったからです。しかし、本書を読み進めるうちに、早い段階でフィードバックを得ることの価値に気づかされました。
しかし、WEB制作でもとりあえず80%を作ってみてフィードバックをもらうこともあります。自分ひとりで製作して、満足が行くものを作れるはずはないですからね。
デザイン思考の可能性と課題
本書では、デザイン思考が製品開発だけでなく、サービス設計、組織変革、さらには社会問題の解決にまで適用できることが示されています。この広範な適用可能性に、大きな可能性を感じました。
特に、教育や医療、環境問題などの複雑な社会課題にデザイン思考を適用する事例は、とても刺激的でした。「デザイン」という言葉から連想される範囲がいかに狭かったか、思い知らされました。
一方で、ブラウンは実践する上での課題についても率直に語っています。時間とリソースの制約、既存の組織文化との軋轢、成果の測定困難性など、現実的な問題にも言及されています。これらの指摘は、デザイン思考を実践する上で心に留めておくべき重要なポイントだと感じました。
終わりに:新しい視点を得て
「デザイン思考が世界を変える」を読み終えて、世界を見る目が少し変わった気がします。日常生活の中で「これ、もっと良くできないかな?」と考える機会が増えました。
また、問題解決において「正解」を求めるのではなく、様々な可能性を探求することの大切さを学びました。この本は、クリエイティブな思考法を身につけたい全ての人にお勧めです。
皆さんも、ぜひこの本を読んで、新しい視点を得てみてはいかがでしょうか?きっと、あなたの中に眠っている創造性を呼び覚ましてくれるはずです。
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