国立の麦酒堂かすがいに行ってきました。

国立

国立駅に初めて降り立ちました。

国立駅に降り立つと、まず目に飛び込んでくるのは、美しく整備された大学通りです。
この広々とした並木道は、国立の象徴とも言える存在です。
駅前には、落ち着いた雰囲気の商店街が広がり、歩いているだけでも心地よさを感じます。

季節によって表情を変える並木道は計画的に植えられており、春には桜が咲き誇り、秋には黄金色に染まるイチョウ並木が見事な景観を作り出します。
この美しい景色に魅了され、多くの人々が訪れるのも納得です。
国立駅は、東京の喧騒から少し離れた、文教地区ならではの落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

国立市の歴史は、1920年代に遡ります。1926年に国立駅が開業し、それを機に計画的な街づくりが始まりました。当時、箱根土地株式会社(国土計画、プリンスホテルの前身)が中心となって、文教地区としての開発を進めました。

大学通りを中心とした街路樹の植栽や、区画整理された住宅地の造成など、緑豊かで文化的な街並みを目指した開発が行われました。その結果、国立は「学園都市」としての性格を強く持つようになりました。

1949年には一橋大学が移転してきたことで、さらに文教都市としての性格が強まりました。その後も、多くの教育機関が設立され、知的な雰囲気と文化的な環境が醸成されていきました。

国立市は、1967年に町から市へと昇格しました。以来、文教都市としての特徴を生かしながら、緑豊かな住宅地としても発展を続けています。現在も、教育や文化を大切にする街づくりが続けられており、多くの人々にとって魅力的な居住地となっています。

麦酒堂かすがいに入ると、まず目を引くのは、洗練された内装と温かみのある雰囲気です。木を基調とした落ち着いた空間で、ゆったりと食事を楽しむことができます。

メニューを見ると、クラフトビールと相性の良い料理が並びます。地元の食材を使用した創作料理や、ビールに合う定番のおつまみなど、バラエティ豊かなメニューがあります。

食事中、店内には心地よい会話の声が響き、くつろいだ雰囲気が漂っていました。ここで過ごす時間は、日常から少し離れた特別なひとときのように感じられました。

麦酒堂かすがいの歴史は、1910年（明治43年）に遡ります。当初、「せきや」は鋳物師として生計を立てていましたが、この年に酒屋を開業しました。時代の変化とともに、生業を変えていく決断をしたのです。

1926年（大正15年）に国立駅が開通すると、せきやは駅前に酒屋を移転しました。この決断は、国立の街の発展とともに歩む姿勢を示すものでした。以来、せきやは国立の街の営みや景観を支え続ける存在となりました。

長年にわたり、せきやは日本の酒文化、食文化を盛り立てることを使命と考えてきました。全国各地の酒造りの職人たちとの交流を通じて、その想いはさらに強くなっていきました。

そして2020年（令和2年）、せきやは新たな挑戦を始めます。日本で注目を集め始めていたクラフトビールの醸造に乗り出したのです。翌2021年（令和3年）には、その延長線上にある「麦酒堂かすがい」をオープンさせました。

「麦酒堂かすがい」という名前には深い意味が込められています。「かすがい」とは金属のかけがねのことですが、「お酒や食事のまわりに人が集まり、文化が醸成されていく、そのための媒介になろう」という想いが込められているそうです。

麦酒堂かすがいは、単なるレストランではありません。100年以上続く酒屋の歴史と、新しい文化を創造する意欲が融合した場所なのです。ここでは、伝統的な日本の酒文化とクラフトビールという新しい文化が出会い、新たな価値を生み出しています。

町の酒屋さんだったせきやは、今の時代だったら、酒類販売権を持つコンビニエンスストアに業態を変化させることもできたでしょう。しかし、せきやなる道を選びました。

お酒販売を中心に「お酒を作る」（上流）と「食事とともにお酒を提供する」（下流）まで、エリアを広げる冒険に出たのです。

これはまさにお酒が好きだからできたことだと思いますが、どんな商売でも自分の枠を広げるためには必須なエッセンスですね。

ランチは食事も種類が豊富で、選ぶのに迷いました。（メニュー）
今回私は、サバの味噌麹焼き定食を頼みました。

ビールは単品もあったのですが、今回は4種類飲み比べを頼んでみました。
苦みの強いもの、フルーティーなものとさまざまな種類があり、どれも美味しかったです。