「ホームページ制作で87.7%の企業が失敗している理由と、確実に成功する4つのステップ」
こんにちは。戦略的ウェブ制作工房エル・タジェール代表の宮崎です。WordPress構築専門家・ウェブ解析士として、これまで数多くの中小企業様のホームページ制作をサポートしてきました。
「ホームページを作りたいけど、何から始めればいいかわからない…」
「制作会社に依頼したいが、失敗が怖い…」
「上司にどう説明すればいいかわからない…」
このような悩みを抱えていませんか?
実は、アルサーガパートナーズ株式会社の調査によると、ホームページ制作を外注した企業の87.7%が何らかの失敗を経験しているという衝撃的なデータがあります。
しかし、正しい流れと準備を知っていれば、失敗は確実に防げます。
本記事では、WordPress制作専門家として培った経験をもとに、中小企業・商店の担当者が失敗せずにホームページ制作を進める方法を詳しく解説します。
なぜ多くの企業がホームページ制作で失敗するのか?
最新調査データから分かる失敗の実態
2024年に実施されたホームページ制作の実態調査では、以下の結果が明らかになりました:
- 外注で失敗経験のある企業:87.7%
- 予算を大幅に超過:32.1%
- 要望が適切に伝わらず期待と違う結果:29.1%
- 期待していたデザインと大きく異なった:28.4%
つまり、10社中9社近くが何らかの失敗を経験しているのが現実です。
中小企業特有の失敗要因
私がこれまでサポートしてきた中小企業様の事例から、失敗の主な要因は以下の3つです。
①とりあえず作ろう症候群
- 目的が曖昧なまま制作をスタート
- 途中で方向性が変わり、予算・期間が大幅超過
- 完成後に「思っていたのと違う」という結果に
②制作会社任せ症候群
- 要望を具体的に伝えられない
- 制作過程での確認を怠る
- 完成してから修正を要求し、追加費用が発生
③作って終わり症候群
- 更新方法がわからず放置
- 運用サポートが不十分
- 結果的に「作っただけで効果がない」状態に
失敗を防ぐための基本方針
これらの失敗を防ぐために、私が推奨するのは以下の3つの基本方針です。
- 事前準備を徹底する:目的・予算・イメージを明確化
- 制作過程に積極的に関与する:任せきりにしない
- 運用まで見据えた準備をする:作った後のことも考える
【準備編】制作前に決めておくべき3つのポイント
制作会社に相談する前に、以下の3つのポイントを社内で整理しておきましょう。この準備が成功の鍵を握ります。
目的の明確化
なぜホームページを作るのか?
まず、「なぜホームページを作るのか?」を明確にしましょう。よくある目的例としては、以下のような目的があげられます。御社の目的はいかがですか?
- 新規顧客獲得:「月10件の問い合わせを獲得したい」
- 信頼性向上:「会社案内の代わりとして使いたい」
- 既存顧客サービス向上:「よくある質問への対応を効率化したい」
- 採用強化:「良い人材に応募してもらいたい」
上司説明用フレーズ例
目的を作ってみたものの上司に理解されずに制作に進めない例もあります。上司を説得する際は、以下のようなフレーズが効果的ですよ。
「競合他社の多くがホームページを持っており、
お客様が情報収集する際に弊社だけ情報がない状態は
機会損失につながる可能性があります。
月○件の新規問い合わせ獲得を目標に、
○○万円の予算でホームページを制作し、
年間○○万円の売上向上を目指したいと思います。」
予算設定の現実的な考え方
規模別予算目安表
サイト規模 | ページ数 | 予算目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
名刺代わり | 5-10ページ | 30-80万円 | 会社概要、サービス紹介程度 |
本格的な営業ツール | 15-30ページ | 80-150万円 | 問い合わせ獲得重視 |
充実したコーポレートサイト | 30-50ページ | 150-300万円 | ブランディング重視 |
隠れコストの洗い出し
予算を考える際は、以下の「隠れコスト」も考慮しましょう。
- ドメイン・サーバー費用:年間1-3万円
- 保守・更新費用:月額1-5万円
- 写真撮影費用:10-30万円(必要に応じて)
- 追加修正費用:想定の20%程度を余裕として確保
完成イメージの共有方法
参考サイト収集のコツ
制作会社との打ち合わせでは、言葉だけでなく参考サイトを用意することが重要です。制作会社との間でイメージのズレを防げます。
- 同業他社のサイトを3-5社チェック
- 「いいな」と思うサイトを業界問わず3-5社ピックアップ
- 各サイトの「どこが良いか」を具体的にメモ
要望整理シート
以下の項目を要望として整理しておくと、制作会社との打ち合わせがスムーズですね。
【基本情報】
・会社名・事業内容
・主な顧客層
・競合他社
【デザインイメージ】
・希望する色合い
・堅実 or 親しみやすい などの雰囲気
・参考サイトのURL
【機能要件】
・問い合わせフォーム:必要 / 不要
・ブログ機能:必要 / 不要
・多言語対応:必要 / 不要
・スマホ対応:必要(必須)
【その他】
・特に力を入れたいページ
・絶対に載せたい情報
・載せたくない情報
【発注編】制作会社選定で失敗しないチェックリスト
制作会社選びは、プロジェクト成功の最重要ポイントです。以下のチェックリストを活用して、慎重に選定しましょう。
相見積もりの取り方(3社推奨の理由)
なぜ3社なのか?
- 1社のみ:比較ができず、適正価格がわからない
- 2社のみ:判断材料が不足
- 3社:適正価格帯が見えてくる(推奨)
- 4社以上:選択肢が多すぎて迷いが生じる
効率的な相見積もりの進め方
- 同じ条件で依頼:要望整理シートを全社に共有
- 面談日程を集中:1週間以内に全社と面談完了
- 提案期限を統一:「○月○日までに提案書をお願いします」
面談で確認すべき10のポイント
制作会社との面談では、以下のポイントを必ず確認しましょう。
技術・経験面(5項目)
WordPress経験年数
- 最低3年以上の経験があるか
- WordPressを選ぶ理由を説明できるか
同業界実績の有無
- 同じ業界のサイト制作経験があるか
- 実績サイトを見せてもらえるか
レスポンシブデザイン対応
- スマホ対応は標準対応か追加費用か
- タブレット表示はどこまで対応するか
SEO対策の知識
- 基本的なSEO対策は含まれるか
- Google Analytics設定はサポートするか
セキュリティ対策
- SSL証明書の設定は含まれるか
- 定期的なセキュリティ更新はどうするか
サポート・コミュニケーション面(5項目)
運用サポート体制
- 制作後のサポート内容は?
- 更新作業の対応範囲は?
レスポンス速度
- メールの返信は通常何時間以内か
- 緊急時の連絡体制はどうなっているか
制作進行の透明性
- 進捗報告の頻度は?
- 制作過程で確認する機会はあるか?
修正対応
- 何回まで修正対応してもらえるか
- 追加修正費用の基準は明確か
担当者の相性
- 話しやすく、理解してもらえそうか
- 専門用語を分かりやすく説明してくれるか
見積書チェックポイント
見積書を受け取ったら、以下の点を必ずチェックしましょう。
明細の透明性確認
項目が具体的に分かれているか
- 「企画・設計」「デザイン」「システム構築」「テスト」など
- 「一式○○万円」という曖昧な項目はないか
含まれるページ数が明記されているか
- 「○ページまで含む」という記載があるか
- 追加ページの単価は明記されているか
含まれる機能が明記されているか
- 問い合わせフォーム、ブログ機能などの有無
- SSL設定、Google Analytics設定などの有無
追加費用発生条件
修正回数の上限
- 「○回まで修正無料、以降は1回につき○万円」
仕様変更時の費用
- 「仕様変更は都度見積もり」という記載の有無
素材準備の責任範囲
- 写真・文章の準備はどちらが行うか
- 制作会社が準備する場合の追加費用
契約前の最終確認事項
契約書にサインする前に、必ず以下を確認してください:
□ 納期は現実的で余裕があるか
□ 支払い条件は妥当か(着手金○%、完成時○%など)
□ 著作権の扱いは明確か
□ 制作後のデータ提供について明記されているか
□ キャンセル時の条件は納得できるか
□ 保証期間とサポート範囲は明確か
【制作編】4ステップで進める確実な制作フロー
制作会社が決まったら、いよいよ制作開始です。4つのステップに分けて、各段階でのポイントを解説します。
STEP1:要件定義・企画(期間:2-3週間)
① キックオフミーティングの準備
制作開始の会議では、以下の資料を準備しましょう:
- 事前に整理した要望整理シート
- 参考サイトのURL一覧
- 会社案内・パンフレット
- 使用したい写真・ロゴデータ
② ターゲット・コンセプト決定
制作会社と一緒に、以下を具体的に決めていきます。
ターゲット設定例
【悪い例】「30代の主婦」
【良い例】「東京都内在住、30-40代、子育て中の専業主婦、
月1回は外食をする、ネットでお店を探すことが多い、
口コミを重視する」
サイトコンセプト例
「地域密着×安心・安全をお客様に伝える、
温かみのある親しみやすいサイト」
③ サイトマップ確認のポイント
制作会社から提示されるサイトマップ(サイト全体の構成図)では、以下を確認します。
必要なページが全て含まれているか
会社概要、サービス紹介、アクセス、問い合わせ など
ページの階層が分かりやすいか
トップページから目的のページまで3クリック以内で到達できるか
SEOを考慮した構成になっているか
検索されやすいキーワードがページ名に含まれているか
④ STEP1でのチェックリスト
□ ターゲット・コンセプトに納得できるか
□ サイトマップは分かりやすい構成か
□ 必要なページが全て含まれているか
□ 不要なページは含まれていないか
□ 制作スケジュールは現実的か
□ 次のステップまでに準備すべきことは明確か
ステップ2デザイン制作(期間:2-4週間)
① ワイヤーフレーム確認方法
ワイヤーフレーム(ページの設計図)が提示されたら、以下を確認しましょう。
情報の優先順位は適切か
- 最も伝えたい情報が目立つ位置にあるか
- お客様が求める情報を見つけやすいか
導線設計は適切か
- 問い合わせまでの流れがスムーズか
- 迷わずに目的のページにたどり着けるか
スマホでの見やすさも考慮されているか
- 小さな画面でも情報が整理されているか
② デザインカンプチェックポイント
実際のデザイン案が提示されたら、以下の観点でチェックしましょう。
全体印象
- 会社・サービスのイメージに合っているか
- ターゲット層に好まれそうなデザインか
- 競合他社と差別化できているか
使いやすさ
- ボタンの位置は分かりやすいか
- 文字の大きさは読みやすいか
- メニューの配置は直感的か
情報の伝わりやすさ
- 重要な情報が目立っているか
- 写真と文章のバランスは良いか
- 全体的に見やすく整理されているか
③ 修正依頼の効果的な伝え方
デザイン修正を依頼する際は、以下のように具体的に伝えましょう:
【悪い例】「もっとかっこよくしてください」
【良い例】「ヘッダー部分の青色をもう少し濃くして、
信頼感のある印象にしてください」
【悪い例】「文字が小さい」
【良い例】「メインキャッチコピーの文字サイズを
20%程度大きくして、より目立つようにしてください」
④ STEP2でのチェックリスト
□ デザインは会社のイメージに合っているか
□ ターゲット層に響くデザインか
□ スマホ表示も確認して問題ないか
□ 文字の大きさ・色は読みやすいか
□ ボタンや重要な情報は目立っているか
□ 修正点があれば具体的に伝えたか
STEP3:システム構築・コーディング(期間:3-4週間)
① WordPress構築での確認事項
この段階では、以下のWordPress特有のポイントを確認しましょう。
管理画面の使いやすさ
- 更新作業が直感的にできそうか
- 必要な権限設定がされているか
プラグインの妥当性
- 導入されるプラグインは必要最小限か
- セキュリティリスクの高いプラグインは使われていないか
バックアップ体制
- 自動バックアップの仕組みはあるか
- 復旧方法は確立されているか
② レスポンシブ対応チェック
スマホ・タブレット表示を必ず確認しましょう:
- スマホ(iPhone、Android)での表示確認
- タブレット(iPad等)での表示確認
- 文字の大きさがスマホでも読みやすいか
- ボタンのサイズがタップしやすいか
- 表示速度は遅くないか
③ 進捗確認の頻度とタイミング
制作会社との定期的な確認を怠らないようにしましょう:
- 週1回の進捗確認ミーティング
- 重要な機能(問い合わせフォーム等)の動作確認
- 不明点があれば即座に質問する姿勢
④ STEP3でのチェックリスト
□ WordPress管理画面は使いやすそうか
□ スマホ・タブレット表示は問題ないか
□ 問い合わせフォームは正常に動作するか
□ 表示速度は遅くないか
□ 必要な機能は全て実装されているか
□ 不明点は制作会社に確認したか
STEP4:テスト・公開(期間:1-2週間)
① 最終チェック項目一覧
公開前の最終チェックでは、以下を必ず確認してください。
コンテンツチェック
□ 会社名・住所・電話番号は正確か
□ 誤字・脱字はないか
□ 写真は適切な位置に配置されているか
□ リンク先は正しいページになっているか
機能チェック
□ 問い合わせフォームから実際にメールが届くか
□ 全てのページが正常に表示されるか
□ メニューのリンクは全て正常に動作するか
□ ダウンロード機能等は正常に動作するか
環境チェック
□ パソコン(Chrome、Safari、Edge)で表示確認
□ スマートフォン(iPhone、Android)で表示確認
□ タブレット(iPad等)で表示確認
② 公開前の社内確認体制
最終チェックは複数人で行うことをお勧めします:
- 担当者:全体的なチェック
- 上司・経営者:会社情報・メッセージの確認
- 他部署の方:第三者目線でのチェック
- 実際の顧客に近い人:使いやすさの確認
③ 公開当日の流れ
公開当日は以下の流れで進めます:
- 最終バックアップの取得
- 公開作業実施(制作会社が実施)
- 公開後の動作確認(依頼者・制作会社双方で確認)
- 問題があれば即座に対応
- 公開完了の確認
④ STEP4でのチェックリスト
□ 社内の複数人でチェックを完了したか
□ 各種ブラウザ・デバイスでの表示確認は完了したか
□ 問い合わせフォームのテスト送信は成功したか
□ 誤字・脱字・情報の誤りはないか
□ 公開後の運用体制は整っているか
【WordPress専門家が教える】見落としがちなポイント
WordPress制作では、一般的な制作とは異なる注意点があります。専門家として、特に重要なポイントをお伝えします。
WordPress選定理由の確認
制作会社がWordPressを提案してきた場合、以下の理由が適切か確認しましょう。
WordPressが適している場合
- 更新頻度が高い(週1回以上の更新予定)
- ブログ機能が必要
- 複数人で更新作業を行う
- 将来的な機能拡張を想定している
WordPressが適さない場合もある
- 更新は年数回程度の場合
- 非常にシンプルな構成で十分な場合
- セキュリティを最重要視する場合
プラグイン構成の妥当性チェック
WordPressの機能拡張に使うプラグインについて、以下を確認しましょう。
適切なプラグイン数
- 基本的なサイトなら10個以下が目安
- プラグインが多すぎると表示速度が遅くなる
- セキュリティリスクも高まる
必須プラグインの例
□ セキュリティ対策プラグイン
□ バックアップ用プラグイン
□ SEO対策プラグイン
□ 問い合わせフォーム用プラグイン
□ 表示速度最適化プラグイン
避けるべきプラグイン
- 更新が止まっている古いプラグイン
- 評価の低いプラグイン
- 過度に重いプラグイン
セキュリティ対策の最低限確認事項
WordPressのセキュリティについて、以下の事項は確認しましょう。
基本的なセキュリティ設定
□ 管理者ユーザー名が「admin」ではないか
□ パスワードは十分に複雑か
□ 不要なユーザーアカウントは削除されているか
□ ログイン試行回数制限は設定されているか
定期的なメンテナンス
□ WordPress本体の更新タイミングは決まっているか
□ プラグインの更新確認は誰が行うか
□ バックアップの取得頻度は適切か
□ セキュリティ監視は誰が行うか
更新権限・操作方法の事前確認
公開前に、以下の更新作業について確認しておきましょう。
更新できる範囲
□ ページの文章修正:自社 or 制作会社
□ 写真の追加・変更:自社 or 制作会社
□ 新しいページの追加:自社 or 制作会社
□ メニューの変更:自社 or 制作会社
□ デザインの変更:自社 or 制作会社
操作研修の内容
□ 基本的な文章修正方法
□ 写真のアップロード方法
□ 新規ページの作成方法
□ メニューの編集方法
バックアップ体制の確認
WordPressは定期的なバックアップが非常に重要です。
バックアップの頻度
- 毎日自動バックアップが理想
- 最低でも週1回はバックアップを取得
- 手動バックアップの方法も確認
バックアップの保存先
- サーバー以外の場所に保存
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropbox等)推奨
- 複数の保存先があると安心
復旧方法の確認
- バックアップからの復旧手順を文書化
- 緊急時の連絡先を明確化
- 復旧作業の費用(制作会社依頼の場合)
【運用準備編】制作後に困らない事前準備
ホームページは「作って終わり」ではありません。制作中から運用を見据えた準備をしておくことで、公開後もスムーズに運営できます。
更新業務の分担決め
社内での役割分担例
【担当者A】
・日常的な文章修正
・写真の追加・変更
・ブログ記事の投稿
【担当者B】
・新商品・サービス情報の追加
・イベント情報の更新
・採用情報の更新
【管理者】
・重要な会社情報の変更
・システム的な設定変更
・制作会社との連絡窓口
更新頻度の目安設定
□ 毎日:ブログ更新(可能であれば)
□ 週1回:新着情報・お知らせ
□ 月1回:サービス内容の見直し
□ 四半期:会社情報の確認
□ 年1回:全体的なコンテンツ見直し
操作マニュアルの確認
制作会社から提供される操作マニュアルについて、以下を確認しましょう。
マニュアルに含まれるべき内容
□ ログイン方法
□ 基本的なページ編集方法
□ 写真のアップロード・挿入方法
□ 新規ページ作成方法
□ メニュー編集方法
□ ブログ投稿方法(ブログ機能がある場合)
□ 困った時の連絡先
マニュアルの形式
- 画面キャプチャ付きで分かりやすいか
- 印刷可能な形式か
- 動画マニュアルもあると理想的
保守契約内容の理解
制作会社との保守契約について、以下を明確にしておきましょう。
保守契約に含まれる内容
□ WordPress本体の更新作業
□ プラグインの更新作業
□ セキュリティ監視
□ バックアップ取得・管理
□ 緊急時の復旧作業
□ 軽微な修正作業(月○回まで)
□ 電話・メールサポート
別途費用がかかる作業
□ 大幅なデザイン変更
□ 新機能の追加
□ 大量のコンテンツ追加
□ 新規ページ作成(月○ページ超過分)
□ 写真撮影・画像制作
□ SEO対策の追加施策
アクセス解析の最低限設定
サイトの効果を測定するために、以下の設定の確認が必要です。
Google Analytics 4の設定
□ Google Analytics 4がサイトに設置されているか
□ 管理者権限でアクセスできるか
□ 基本的な見方を教えてもらったか
□ 月1回程度は数値を確認する予定があるか
最低限チェックすべき数値
- 月間ページビュー数:どれくらい見られているか
- 月間ユーザー数:何人の人が訪問しているか
- 問い合わせページの閲覧数:興味を持った人の数
- よく見られているページ:人気コンテンツの把握
問い合わせ対応フローの整備
ホームページからの問い合わせに対する対応フローを整備しておきましょう。
問い合わせ受付から返信まで
1. 【受付】問い合わせフォームから連絡
↓
2. 【確認】担当者がメール内容を確認
↓
3. 【初回返信】24時間以内に受付確認メール
↓
4. 【詳細回答】3営業日以内に具体的な回答
↓
5. 【フォロー】必要に応じて電話等でフォロー
担当者不在時の対応
- 代理対応可能な人を決めておく
- よくある質問への回答を準備
- 緊急時の連絡方法を明確化
よくある失敗事例と回避方法
実際に私が相談を受けた失敗事例をもとに、どのような失敗が起こりやすいか、そしてどう防げばよいかを解説します。
事例1:制作会社への丸投げで期待と違う結果
失敗の詳細
A社の事例:
「お任せします」と制作会社に全て委託。
完成したサイトは見た目は良いが、
・ターゲット顧客に響かない内容
・自社の強みが伝わらない
・問い合わせにつながらない
結果的に「作っただけ」のサイトになってしまった。
失敗の原因
- 要望を具体的に伝えなかった
- 制作過程での確認を怠った
- 「プロに任せれば大丈夫」という思い込み
回避方法
□ 要望整理シートの作成を必ず行う
□ 各段階での確認作業を怠らない
□ 「分からないことは分からない」と正直に伝える
□ 自社の強み・特徴を制作会社に詳しく説明する
□ 完成前の段階で第三者にも見てもらう
事例2:デザインこだわりすぎで期間・予算超過
失敗の詳細
B社の事例:
初回デザイン提案に納得できず、
5回以上の修正を重ねた結果、
・予定より2ヶ月の遅延
・修正費用で予算50%超過
・最終的に最初の提案に近いデザインに落ち着く
失敗の原因
- 完成イメージが事前に明確でなかった
- 修正回数・追加費用の上限を決めていなかった
- 「完璧」を求めすぎた
回避方法
□ 参考サイトで事前にイメージを共有
□ 修正回数の上限を契約で明確化
□ 「80%の完成度で公開→その後改善」の考え方
□ デザインより機能・使いやすさを重視
□ 社内で「妥協ライン」を事前に決めておく
事例3:運用方法が分からず放置状態
失敗の詳細
C社の事例:
サイト完成後、更新方法が分からず、
2年間一度も更新せずに放置。
・情報が古いまま
・Google検索で上位に表示されない
・お客様から「情報が古い」とクレーム
失敗の原因
- 操作研修を受けなかった
- 更新担当者が不明確だった
- 保守契約の内容を理解していなかった
回避方法
□ 公開前に操作研修を必ず受ける
□ 更新担当者を明確に決める
□ 月1回の更新スケジュールを決める
□ 操作マニュアルを分かりやすい場所に保管
□ 制作会社のサポート内容を活用する
事例4:WordPress更新でサイトが崩れた
失敗の詳細
D社の事例:
WordPressの更新通知が来たので
何も考えずに「更新」ボタンをクリック。
その結果、
・サイトのレイアウトが崩れる
・一部機能が動作しなくなる
・復旧に3日間かかり、その間サイトが見られない状態
失敗の原因
- バックアップを取らずに更新した
- 更新前のテストを行わなかった
- 制作会社に相談せずに作業した
回避方法
□ WordPress更新は制作会社に依頼
□ 自分で更新する場合は必ず事前にバックアップ
□ 更新後は必ず動作確認を行う
□ 問題があったらすぐに制作会社に連絡
□ 定期保守契約で更新作業を委託する
各失敗の予防策まとめ
計画段階での予防策
- 目的・要望の明確化を怠らない
- 予算・期間に余裕を持たせる
- 参考事例の収集を十分に行う
制作段階での予防策
- 各工程での確認を必ず行う
- 不明点は即座に質問する
- 複数人でのチェック体制を作る
運用段階での予防策
- 更新担当者の明確化
- 定期的な見直しスケジュールの設定
- 制作会社との継続的な関係維持
上司・経営陣への説明用資料の作り方
ホームページ制作の承認を得るために、上司や経営陣への説明は重要ですよね。効果的な説明資料の作り方をお教えします。
稟議書作成のポイント
基本構成
1. 【背景・課題】なぜ今ホームページが必要なのか
2. 【目的・効果】何を目指すのか、どんな効果があるか
3. 【予算・期間】いくらかかるのか、いつ完成するのか
4. 【制作会社選定理由】なぜその会社を選んだのか
5. 【運用計画】作った後はどうするのか
6. 【リスク対策】何か問題が起きた時の対応策
説得力を高める書き方のコツ
数字を使った根拠提示
【悪い例】「競合他社もホームページを持っています」
【良い例】「同業界の企業10社中8社がホームページを保有しており、
弊社のみホームページがない状況です」
具体的な効果予測
【悪い例】「問い合わせが増えると思います」
【良い例】「同規模企業の事例では、月平均15件の新規問い合わせ獲得を
実現しており、弊社でも月10-20件の効果を期待できます」
投資対効果の説明方法
簡単なROI計算例
【投資額】
・制作費:100万円
・年間運用費:24万円(月2万円×12ヶ月)
・3年間総投資額:148万円
【効果予測】
・月間新規問い合わせ:15件
・問い合わせからの成約率:20%
・月間新規受注:3件
・1件あたりの平均受注額:20万円
・月間売上向上:60万円
・年間売上向上:720万円
【ROI】
・3年間で2,160万円の売上向上効果
・投資額148万円に対して、約14.6倍のリターン
費用対効果を分かりやすく伝える表現
「月額約12,000円(年間148万円÷12ヶ月)の投資で、
月60万円の売上向上効果が期待できます。
これは従業員1人分の人件費以下の投資で、
営業担当者1人分以上の成果が見込める計算です。」
競合比較資料の作り方
競合分析の観点
【比較項目】
□ ホームページの有無
□ デザインの印象(プロフェッショナル度)
□ 掲載情報の充実度
□ 問い合わせのしやすさ
□ スマートフォン対応状況
□ 更新頻度
□ SEO対策状況(検索での見つけやすさ)
効果的な比較表の例
項目 | 弊社(現在) | A競合 | B競合 | C競合 |
---|---|---|---|---|
ホームページ | ×なし | ◎充実 | ◎充実 | △簡素 |
問い合わせ方法 | 電話のみ | Webフォーム有 | Webフォーム有 | 電話のみ |
スマホ対応 | – | ◎対応済 | ◎対応済 | ×未対応 |
情報の新しさ | – | ◎頻繁更新 | △年数回 | ×古い情報 |
制作スケジュール説明資料
視覚的に分かりやすいスケジュール表
【全体スケジュール:4ヶ月】
10月 [準備・発注] 制作会社選定、契約
11月 [企画・設計] 要件定義、サイト設計
12月 [制作] デザイン、システム構築
1月 [完成・公開] テスト、修正、公開
【各月の主な作業】
10月:相見積もり取得、制作会社決定、契約
11月:キックオフ、サイト構成決定、デザイン案確認
12月:デザイン確定、システム構築、コンテンツ制作
1月: 最終チェック、修正、公開、運用開始
スケジュール遅延リスクと対策
【想定されるリスク】
・素材(写真・文章)の準備遅れ:1-2週間遅延
・デザイン修正の長期化:2-4週間遅延
・年末年始の作業停止:1週間遅延
【対策】
・余裕をもったスケジュール設定(4ヶ月→5ヶ月想定)
・素材準備の早期着手
・修正回数の上限設定
成功するホームページ制作のチェックリスト
最後に、本記事の内容を総まとめしたチェックリストをご用意しました。制作の各段階で活用してください。
制作前チェックリスト(10項目)
制作会社に相談する前に、以下を確認しましょう:
□ ホームページを作る目的は明確か
□ 想定予算の範囲は決まっているか
□ 完成希望時期は決まっているか
□ ターゲット顧客のイメージはあるか
□ 参考にしたいサイトを3つ以上見つけたか
□ 載せたい情報・載せたくない情報を整理したか
□ 社内の承認は得られているか
□ 制作後の更新担当者は決まっているか
□ 年間運用予算も含めて検討したか
□ 3社程度から相見積もりを取る予定があるか
制作中チェックリスト(各STEP別)
STEP1:企画・設計段階
□ キックオフミーティングで要望を具体的に伝えたか
□ ターゲット・コンセプトに納得できるか
□ サイトマップは分かりやすい構成か
□ 必要なページが全て含まれているか
□ 制作スケジュールは現実的か
□ 不明点は制作会社に確認したか
STEP2:デザイン段階
□ ワイヤーフレームで情報の配置を確認したか
□ デザインは会社のイメージに合っているか
□ ターゲット層に響くデザインか
□ スマホ表示も確認して問題ないか
□ 修正点があれば具体的に伝えたか
□ 社内の複数人でデザインを確認したか
STEP3:システム構築段階
□ WordPress管理画面は使いやすそうか
□ スマホ・タブレット表示は問題ないか
□ 問い合わせフォームは正常に動作するか
□ 表示速度は遅くないか
□ 必要な機能は全て実装されているか
□ 進捗は予定通りに進んでいるか
STEP4:テスト・公開段階
□ 社内の複数人で最終チェックを完了したか
□ 各種ブラウザ・デバイスでの表示確認は完了したか
□ 問い合わせフォームのテスト送信は成功したか
□ 誤字・脱字・情報の誤りはないか
□ 公開後の運用体制は整っているか
□ バックアップ体制は確認したか
公開後チェックリスト(5項目)
サイト公開後も以下のチェックを継続しましょう:
□ 月1回はサイト全体を確認しているか
□ 情報の更新は定期的に行っているか
□ 問い合わせ対応は適切に行えているか
□ アクセス数などの数値を確認しているか
□ 制作会社との連絡体制は維持できているか
エル・タジェールのサポート内容紹介
私たち戦略的ウェブ制作工房エル・タジェールでは、以下のサポートを提供しています:
WordPress制作専門サービス
- 要件定義から運用まで一貫したサポート
- データ分析に基づいた戦略的サイト設計
- SEO対策込みの制作で検索に強いサイトを実現
- レスポンシブデザインでスマホ・タブレット完全対応
伴走型サポート体制
- 制作後も安心の継続サポート
- 操作研修で更新作業をマスター
- 定期的な改善提案で効果を向上
- トラブル時の迅速対応
中小企業特化の実績
- 同規模企業の豊富な制作実績
- 予算に応じた最適な提案
- 地域密着型ビジネスへの深い理解
- 業界特有の課題への対応経験
まとめ
ホームページ制作は、正しい流れと準備を知っていれば決して難しいものではありません。
重要なのは以下の3つです:
- 事前準備を徹底する:目的・予算・イメージの明確化
- 制作過程に積極的に関与する:任せきりにしない
- 運用まで見据えた準備をする:作った後のことも考える
87.7%の企業が失敗している現実がありますが、この記事でお伝えした内容を実践していただければ、必ず成功するホームページ制作ができるはずです。
「作って終わり」ではなく、お客様のビジネス目標達成のためのパートナーとして、私たちエル・タジェールがサポートさせていただきます。