はじめに
ホームページを運営していて「この内容は投稿で作るべき?それとも固定ページ?」と迷ったことはありませんか。実は、この選択を間違えると、後から修正するのがとても大変になります。
私は戦略的ウェブ制作工房エル・タジェールの宮崎と申します。ウェブ解析士として、これまで300社以上の中小企業のホームページ制作に携わってきました。その中で、投稿と固定ページの使い分けを間違えて困っている企業をたくさん見てきました。
例えば、会社概要を投稿で作ってしまい、「2022年1月15日」といった日付が表示されて古い印象を与えてしまった会社や、お知らせを全て固定ページで作り続けて、更新のたびに膨大な手間がかかるようになってしまった商店など、様々な失敗事例があります。
でも大丈夫です。正しい使い分け方を理解すれば、これらの問題は全て解決できます。今日は、専門用語を使わずに、分かりやすく説明していきます。
投稿と固定ページの基本的な違い
まず、投稿と固定ページの違いを身近な例で説明します。
投稿とは
投稿は「日記」のようなものです。新しく書いた内容が一番上に表示され、古いものは下に下がっていきます。投稿には必ず日付が付きます。ブログ記事やお知らせなど、「新しい情報」を発信する時に使います。
固定ページとは
一方、固定ページは「看板」のようなものです。一度作ったら、その場所にずっと置いておくものです。日付は表示されません。会社概要やサービス紹介など、「変わらない基本情報」を載せる時に使います。
例えば、お店で考えてみてください。店頭に「本日のおすすめメニュー」を書いた黒板があったとします。これは毎日内容が変わるので「投稿」のような使い方です。一方、店の看板に書いてある店名や営業時間は、そう頻繁には変わりません。これが「固定ページ」のような使い方です。
どちらを選ぶべきか?5つの基準
内容を作る前に、以下の質問に答えてみてください。
「この情報は定期的に更新する予定がありますか?」
まず「この情報は定期的に更新する予定がありますか?」と考えてみてください。お知らせやブログ記事のように、新しい情報を追加していくなら投稿を選びます。会社概要やアクセス情報のように、一度作ったらしばらく変更しないなら固定ページを選びます。
「日付が表示されても問題ありませんか?」
次に「日付が表示されても問題ありませんか?」を考えます。「2024年3月に書きました」という日付が表示されて困る内容なら固定ページを選びます。逆に、いつ書いた情報なのかが重要なら投稿を選びます。
「他の似たような内容と一緒に見てもらいたいですか?」
三つ目は「他の似たような内容と一緒に見てもらいたいですか?」です。投稿で作った内容は、同じカテゴリーの他の記事と一緒に一覧で表示されます。ブログ記事のように、読者に他の記事も読んでもらいたいなら投稿が適しています。
「メニューに表示したいですか?」
四つ目は「メニューに表示したいですか?」です。ホームページの上部や横にあるメニューに表示したい内容は、固定ページで作ります。会社概要やサービス紹介などがこれにあたります。
「検索で見つけてもらいたいですか?」
最後に「検索で見つけてもらいたいですか?」を考えます。GoogleやYahooで検索した人に見つけてもらいたい内容は投稿で作ります。投稿の方が検索に強い仕組みになっているからです。
よくある間違いと解決方法
実際に私がお客様から相談を受けた事例をもとに、よくある間違いとその解決方法をお話しします。
足立区の製造業A社の失敗
ある製造業の会社では、社長が「会社の最新情報を伝えたい」という思いから、会社概要を投稿で作成していました。しかし、訪問者からは「この会社の情報は2022年のもので古いのでは?」という印象を持たれてしまいました。会社概要は基本的に変わらない情報なので、固定ページで作り直すことで解決しました。
葛飾区にある小売店の失敗
逆に、ある小売店では「お客様に最新情報をお伝えしたい」という理由で、セール情報やイベント案内を全て固定ページで作っていました。その結果、新しい情報を追加するたびに手作業でページを作る必要があり、更新が大変になっていました。これらを投稿に変更することで、更新作業が大幅に楽になりました。
江戸川区の飲食店の失敗
また、ある飲食店では、メニュー情報を投稿で作成していました。しかし、お客様がメニューを見たい時に、ブログ記事の中から探さなければならず、とても不便でした。メニューは固定ページで作成し、ホームページのメニューからすぐにアクセスできるようにしました。
具体的な使い分け例
実際の業種別に、具体的な使い分け例をご紹介します。
製造業での使い分け
製造業の場合、会社概要、事業内容、製品紹介、工場案内、採用情報、お問い合わせフォームは固定ページで作成します。これらは基本的な会社情報で、頻繁に変わるものではないからです。一方、新製品のお知らせ、展示会出展情報、技術ブログ、導入事例は投稿で作成します。これらは新しい情報として、定期的に追加していく内容だからです。
小売店での使い分け
小売店の場合、店舗概要、アクセス情報、取り扱いブランド一覧、店舗の特徴、スタッフ紹介は固定ページで作ります。セール情報、新商品紹介、入荷情報、イベント案内、お客様の声は投稿で作成します。
飲食店での使い分け
飲食店なら、店舗情報、メニュー、席数や設備、予約方法、アクセスは固定ページです。今日のおすすめ、季節限定メニュー、イベント情報、お客様の感想は投稿で作成します。
作成後の見直しポイント
ホームページを公開した後も、定期的に見直しが必要です。私がお客様にお勧めしている見直しのタイミングと方法をお伝えします。
まず、3ヶ月に一度は、アクセス状況を確認してください。特に見てもらいたいページが、実際によく見られているかをチェックします。もし、重要な会社情報が投稿に埋もれてしまって見つけにくくなっているなら、固定ページに移動することを検討してください。
半年に一度は、更新頻度を見直してください。「定期的に更新する予定」で投稿を選んだものの、実際には半年間一度も更新していない内容があれば、固定ページに変更した方が良いかもしれません。逆に、固定ページで作ったものの、頻繁に内容を変更している場合は、投稿に変更することを検討してください。
年に一度は、全体の構成を見直してください。事業内容が変わったり、新しいサービスが増えたりした時は、ホームページの構成も見直しが必要です。その際に、投稿と固定ページの使い分けも再検討してください。
まとめ
投稿と固定ページの使い分けは、最初は迷うかもしれませんが、基本的な考え方を理解すれば難しくありません。「変わる情報は投稿、変わらない情報は固定ページ」というシンプルな基準で判断してください。
そして、一度決めたからといって、そのままにしておく必要はありません。ホームページは育てていくものです。定期的に見直しをして、より良いものにしていってください。
もし判断に迷った時は、「お客様にとって見つけやすく、分かりやすいか」を基準に考えてみてください。それが、最終的にはあなたの会社の売上や問い合わせの増加につながるはずです。
ホームページ運営で困ったことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの会社のデジタル成長を、一緒に支援させていただきます。