【ウェブ解析士レポート】サイトリニューアル成功のポイント⑪費用相場と予算計画:基本からプロのコツまで徹底解説!
こんにちは!ウェブ解析士の宮崎真一です。
WEB制作工房エル・タジェールでは、サイト制作に関するさまざまな情報を、ブログを通じてお伝えしています。
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シリーズ「サイトリニューアル成功のポイント」⑪
Webサイトリニューアルは、企業にとって大きな投資であり、ビジネスの成長を左右する一大プロジェクトです。しかし、時間も予算も多くかかるため、「何から始めればいいのかわからない」「どのように予算計画を立てればいいのか」「上司を説得するための材料が欲しい」と悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Webサイトリニューアルを成功に導くための予算計画について、基本からプロが実践する成功のコツまで徹底解説いたします。
- Webサイトリニューアルを予定している方
- 進め方が分からず悩んでいる方
- 予算計画の方法を知りたい方
- 上司を説得できずに悩んでいる方
ぜひ最後までお読みください。
1. なぜWebサイトリニューアルが必要なのか?目的とメリットを再確認
Webサイトリニューアルには、多くの時間と費用がかかります。そのため、「なぜリニューアルが必要なのか」という目的を明確にすることが重要です。 目的が曖昧なままプロジェクトを進めてしまうと、途中で方向性を見失い、期待した効果を得られない可能性があります。
ここでは、Webサイトリニューアルの主な目的とメリットを再確認しましょう。
1-1. ビジネス環境の変化に対応する
インターネット技術の進歩やスマートフォンの普及など、ビジネス環境は常に変化しています。古いWebサイトのままでは、最新の技術に対応できず、競合他社に後れを取ってしまう可能性があります。 定期的にリニューアルを行い、最新の技術やトレンドを取り入れることで、競争力を維持・向上させることができます。
1-2. ユーザーニーズの変化に対応する
ユーザーのニーズや行動パターンも、時代とともに変化します。ユーザーが求める情報を提供し、使いやすいWebサイトを構築することで、顧客満足度を高め、ビジネスチャンスを拡大できます。 リニューアルの際には、ユーザー調査やアクセス解析などを通じて、ユーザーニーズを正確に把握することが重要です。
1-3. 企業ブランド・イメージの向上
Webサイトは、企業の顔とも言える重要な存在です。デザインやコンテンツを刷新することで、企業ブランドやイメージを向上させ、信頼感を高めることができます。 特に、BtoB企業にとって、Webサイトは重要な営業ツールとなります。
1-4. セキュリティリスクへの対策
古いWebサイトは、セキュリティ上の脆弱性を抱えている可能性があり、サイバー攻撃の標的となるリスクがあります。リニューアルによってセキュリティ対策を強化することで、情報漏洩などのリスクを軽減し、企業の信頼性を守ることができます。
1-5. 業務効率の改善
CMS(コンテンツマネジメントシステム)の導入などにより、Webサイトの更新・管理業務を効率化できます。これにより、運用コストの削減や、社員の負担軽減に繋がります。
2. Webサイトリニューアルの費用相場:プロジェクトの規模と内容で大きく変わる
Webサイトリニューアルの費用は、リニューアルの目的、規模、依頼する内容、制作会社などによって大きく異なります。
2-1. リニューアルの目的・規模別費用相場
- 小規模リニューアル(例:デザイン変更、一部コンテンツ更新): 50万円~150万円程度
- 中規模リニューアル(例:デザイン・コンテンツ全体の刷新、CMS導入): 150万円~500万円程度
- 大規模リニューアル(例:システム開発、ECサイト構築、多言語対応): 500万円以上
あくまでも目安であり、具体的な費用は、要件定義や制作会社からの見積もりによって決定されます。
2-2. サーバー・ドメイン費用
Webサイトを公開するためには、サーバーとドメインが必要です。
- サーバー費用: 月額数百円~数万円(レンタルサーバーの場合)
- ドメイン費用: 年間数百円~数千円
2-3. 制作会社への依頼費用
制作会社にリニューアルを依頼する場合、以下のような費用が発生します。
- ディレクション費用: プロジェクト全体の進行管理費用
- デザイン費用: Webサイトのデザイン制作費用
- コーディング費用: デザインを基にHTML、CSS、JavaScriptなどでWebページを作成する費用
- システム開発費用: CMSの導入や、ECサイトなどのシステム開発費用
- コンテンツ制作費用: テキスト、画像、動画などのコンテンツ制作費用
- SEO対策費用: 検索エンジン最適化のための費用
- 保守・運用費用: Webサイト公開後の保守・運用費用
2-4. 社内人件費
リニューアルプロジェクトには、社内の担当者も関与します。プロジェクトの企画、制作会社とのやり取り、コンテンツの準備、進捗管理など、多くの業務が発生します。 これらの業務にかかる人件費も、予算に含める必要があります。
2-5. その他の費用(ツール導入費など)
アクセス解析ツールやヒートマップツールなどの導入費用、必要なソフトウェアや素材の購入費用なども、必要に応じて予算に計上します。
3. Webサイトリニューアルの予算計画:ステップ・バイ・ステップで解説
ここでは、Webサイトリニューアルの予算計画を立てるための具体的な手順を解説します。
Step.1 現状分析:課題と改善点を洗い出す
まずは、現状のWebサイトの課題と改善点を洗い出します。
- アクセス解析ツールのデータ分析: Google Analyticsなどを活用し、アクセス数、ユーザー属性、行動パターン、コンバージョン率などを分析します。
- ヒートマップ分析: ユーザーのマウスの動きやクリック箇所を可視化し、ユーザーがWebサイトのどこに注目し、どこで離脱しているのかを把握します。
- 競合サイト分析: 競合他社のWebサイトを分析し、デザイン、コンテンツ、機能などを比較します。
- 社内ヒアリング: 営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、各部門の担当者にヒアリングを行い、Webサイトに対する意見や要望を収集します。
Step.2 目標設定:リニューアルで達成したい目標を明確にする
現状分析の結果を踏まえ、リニューアルで達成したい目標を明確にします。目標は具体的かつ数値で設定することが重要です。
- 例:
- コンバージョン率を〇%向上させる
- 問い合わせ数を〇件増加させる
- 資料ダウンロード数を〇件増加させる
- Webサイト経由の売上を〇%向上させる
Step.3 要件定義:必要な機能とコンテンツを洗い出す
目標を達成するために必要な機能とコンテンツを洗い出し、要件定義書にまとめます。
- 機能要件: 必要な機能(例:CMS、お問い合わせフォーム、EC機能、会員機能など)
- コンテンツ要件: 必要なコンテンツ(例:会社概要、サービス紹介、製品情報、ブログ、FAQなど)
- デザイン要件: デザインの方向性(例:ブランドイメージに合わせたデザイン、ターゲット層に合わせたデザインなど)
- システム要件: 使用するCMS、サーバー環境、セキュリティ対策など
Step.4 RFP作成:制作会社への提案依頼書
制作会社に提案を依頼する際に、RFP(提案依頼書)を作成します。RFPには、以下の内容を記載します。
- プロジェクトの概要: リニューアルの目的、背景、現状の課題など
- 目標: リニューアルで達成したい目標
- 要件: 必要な機能、コンテンツ、デザインなどの要件
- 予算: リニューアルプロジェクトの予算
- スケジュール: リニューアルプロジェクトのスケジュール
- 提案内容: 制作会社に提案してほしい内容
- 選定基準: 制作会社を選定する際の基準
Step.5 制作会社の選定:複数社から見積もりを取得し、比較検討する
RFP(提案依頼書)に基づき、複数の制作会社から提案と見積もりを取得する段階は、Webサイトリニューアルの成功を左右する、非常に重要なプロセスです。単に価格が安いという理由だけで選ぶのではなく、自社の目的を理解し、共に目標達成を目指せる、最適なパートナーを選ぶことが重要です。
5-1. RFP送付先の選定:自社のニーズに合致する制作会社をリストアップ
まずは、RFPを送付する制作会社をリストアップします。
- 過去の実績から選ぶ: 自社と似た業種や、同規模のWebサイト制作実績がある会社を探します。制作会社のWebサイトで、実績や得意分野を確認しましょう。
- 紹介・口コミを活用する: 同業者や知人から、評判の良い制作会社を紹介してもらうのも有効です。
- 検索エンジンで探す: 「Webサイト制作 地域名」「Webサイトリニューアル 業界名」などのキーワードで検索し、自社のニーズに合致する制作会社を探します。
- マッチングサイトを利用する: 複数の制作会社が登録しているマッチングサイトを利用し、比較検討するのも良いでしょう。
重要なのは、自社の目的や要件に合致する制作会社を選ぶことです。 少なくとも3~5社程度はリストアップし、RFPを送付しましょう。
5-2. 提案内容の比較検討:多角的な視点で評価する
各制作会社から提案を受け取ったら、以下のポイントを比較検討します。
- 提案内容の妥当性: 自社の目的や要件を理解し、それに基づいた提案がなされているか?
- 企画力・戦略性: 現状分析の結果に基づき、具体的な課題解決策が提案されているか?
- デザイン力: 自社のブランドイメージに合致し、ターゲットユーザーに訴求できるデザインか?
- 技術力: 最新の技術に対応できるか?要望する機能を実装できるか?
- SEO対策への理解: SEO対策に関する知識や実績は十分か?
- 運用・保守体制: Webサイト公開後の運用・保守体制は充実しているか?
- スケジュール: 提案されたスケジュールは、自社の希望と合致しているか?
- 担当者との相性: 担当者とのコミュニケーションは円滑か?信頼できる人物か?
5-3. 見積もりの精査:費用対効果を見極める
見積もりを比較する際は、単に金額の安さだけで判断するのではなく、費用対効果を見極めることが重要です。
- 作業範囲の確認: 見積もりに含まれている作業範囲を詳細に確認し、各社の提案内容と比較します。
- 項目ごとの費用: 各作業項目ごとの費用を確認し、相場と比較して妥当な金額か判断します。
- 追加費用の有無: 後から追加費用が発生する可能性がないか、確認します。
- 支払い条件: 支払い条件(着手金、中間金、納品時など)を確認します。
5-4. プレゼンテーション・ヒアリングの実施:担当者の熱意と相性を確認
必要に応じて、制作会社の担当者にプレゼンテーションやヒアリングを実施します。直接話を聞くことで、提案書だけでは分からない、担当者の熱意や自社との相性を確認することができます。
5-5. 最終選定:総合的に評価し、最適なパートナーを決定
提案内容、費用、実績、担当者の対応などを総合的に評価し、最終的に依頼する制作会社を決定します。選定の際には、選定理由を明確に記録しておきましょう。
5-6. 契約締結:契約内容を詳細に確認
制作会社との間で、業務委託契約を締結します。契約書には、以下の内容を明記する必要があります。
- 業務内容: 制作会社が担当する業務内容
- 費用: 業務委託費用とその支払い条件
- 納期: Webサイトの納期
- 成果物: 納品される成果物
- 著作権の帰属: 制作物の著作権の帰属
- 秘密保持: 秘密保持に関する条項
- 契約解除: 契約解除に関する条件
契約を締結する前に、契約内容を詳細に確認し、不明な点は必ず制作会社に確認しましょう。RFPを複数な点は必ず制作会社に確認しましょう。
制作会社選びは、Webサイトリニューアルの成功を左右する、非常に重要なプロセスです。 複数の制作会社を比較検討し、自社の目的を理解し、共に目標達成を目指せる、最適なパートナーを選びましょう。
Step.6 予算の調整:優先順位に基づき、費用を最適化する
制作会社からの見積もりを基に、予算の調整を行います。すべての要件を満たすことが難しい場合は、優先順位を付けて、予算内に収まるように調整します。
Step7. スケジュール策定:現実的かつ余裕を持った計画を
リニューアルプロジェクト全体のスケジュールを策定します。各工程に必要な期間を正確に見積もり、現実的かつ余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
4. プロが教える!リニューアル成功のための予算計画のコツ
ここでは、数々のWebサイトリニューアルプロジェクトを成功に導いてきたプロの視点から、予算計画を立てる上で 絶対に押さえておきたい7つのコツ を詳しく解説します。これらのコツを実践することで、リニューアルプロジェクトの成功確率は飛躍的に向上するでしょう。
4-1. 「目的」と「成果」を明確にし、経営層を説得する:具体的な数値目標と根拠で、リニューアルの必要性を訴求
Webサイトリニューアルは、企業にとって大きな投資であり、経営判断に関わる重要なプロジェクトです。経営層の承認を得るためには、リニューアルによって「何を達成したいのか」という目的を明確化し、その目的を達成することで「どのような成果が得られるのか」を具体的な数値目標で示す必要があります。
例えば、「問い合わせ数を増やしたい」という目的であれば、「現状の問い合わせ数は月間〇件だが、リニューアルによって〇件まで増加させる」という具体的な目標を設定します。「売上を向上させたい」という目的であれば、「現状のWebサイト経由の売上は〇円だが、リニューアルによって〇円まで増加させる」といった具合です。
さらに、その数値目標を達成できる根拠を示すことが重要です。現状分析に基づいたデータ(アクセス解析、ヒートマップ分析、ユーザーアンケート結果など)を提示し、リニューアルによってどのように課題が解決され、目標達成に繋がるのかを、論理的に説明しましょう。
例えば、「現状のWebサイトは直帰率が〇%と高く、ユーザーが問い合わせに至らずに離脱していることがデータから明らかです。リニューアルによって、ユーザー導線を改善し、CTAを最適化することで、直帰率を〇%改善し、問い合わせ数を〇件増加させることが可能です。」といった具合です。
経営層は、具体的な数値目標と、それを達成するための根拠を求めています。 データに基づいた説得力のある説明によって、経営層の承認を得ることができれば、プロジェクトを円滑に進めることができます。
4-2. 社内リソースと外部リソースを適切に活用する:得意分野を見極め、最適な業務分担を
Webサイトリニューアルには、企画、デザイン、コーディング、コンテンツ作成、SEO対策、データ分析など、多岐にわたる業務が発生します。これらの業務を全て社内リソースで賄うのは、現実的ではありません。
社内リソースで対応可能な業務と、外部リソース(制作会社)に依頼すべき業務を明確に切り分け、最適な業務分担を行うことが、予算を最適化し、プロジェクトを効率的に進めるための鍵となります。
例えば、コンテンツの企画や作成は、自社の製品やサービスに精通している社内担当者が担当し、デザインやコーディングなどの専門的な業務は、制作会社に依頼するといった具合です。
制作会社に依頼する際は、各社の得意分野を見極めることが重要です。 デザインに強い会社、SEO対策に強い会社、システム開発に強い会社など、制作会社によって得意分野は異なります。自社のニーズに最適な制作会社を選ぶことで、リニューアルの成功確率は高まります。
4-3. 「見える化」でプロジェクトの進捗を管理する:関係者全員で共有し、遅延を防止
Webサイトリニューアルは、多くの関係者が関わる複雑なプロジェクトです。プロジェクトの進捗状況を「見える化」し、関係者全員が共有することで、タスクの遅延や認識の齟齬を防ぎ、円滑な進行を実現できます。
ガントチャート、タスク管理ツール(例:Trello、Asana、Backlog)、共有ドキュメントなどを活用し、スケジュール、タスクの進捗状況、課題などを常に共有しましょう。 定期的なミーティングを開催し、進捗状況を確認することも重要です。
「見える化」によって、プロジェクト全体を俯瞰的に把握し、問題が発生した際には迅速に対処することができます。
4-4. リスク管理:予期せぬトラブルに備える – 発生しうるリスクを想定し、対策を講じる
プロジェクトの進行中に、予期せぬトラブルが発生する可能性は常に存在します。事前に起こりうるリスクを想定し、対策を講じておくことで、トラブル発生時の影響を最小限に抑え、プロジェクトの成功率を高めることができます。
例えば、
- 制作会社のスケジュール遅延: 複数の制作会社に見積もりを依頼し、スケジュールに余裕のある会社を選ぶ。
- 追加要件の発生: RFP(提案依頼書)で要件を明確に定義し、制作会社との間で認識を共有する。
- 担当者の変更: 担当者が変更になった場合でも、スムーズに引き継ぎができるように、情報共有を徹底する。
- サーバーダウン: 信頼性の高いサーバーを選定し、定期的なバックアップを行う。
など、様々なリスクを想定し、それぞれの対策を検討しておきましょう。
4-5. 公開後の運用・保守費用も考慮する:継続的なWebサイト成長のための必要経費
Webサイトは、公開してからが本番です。Webサイトを効果的に運用し、成果を上げ続けるためには、継続的な運用・保守が不可欠です。
リニューアルの予算計画を立てる際には、公開後の運用・保守費用も必ず含めておきましょう。
具体的には、
- サーバー・ドメイン費用
- CMSの保守費用
- コンテンツ更新費用
- アクセス解析費用
- SEO対策費用
- セキュリティ対策費用
- 制作会社への保守依頼費用
などです。これらの費用を考慮せずにリニューアルを進めてしまうと、後々予算不足に陥り、Webサイトの運用が困難になる可能性があります。
4-6. 最新トレンドを取り入れ、将来の成長を見据える:陳腐化を防ぎ、長く使えるWebサイトへ
Web業界のトレンドは、非常に速いスピードで変化しています。リニューアルの際には、最新のトレンドを取り入れ、将来の成長を見据えた設計・開発を行うことが重要です。
例えば、
- モバイルファースト: スマートフォンからのアクセスを最優先に考えたWebサイト設計
- 動画コンテンツの活用: 商品やサービス紹介動画など、動画コンテンツの活用
- AI(人工知能)の活用: チャットボットなどのAI技術の活用
- ウェブアクセシビリティへの配慮: 障害者や高齢者の方でも使いやすいウェブサイト設計
など、数年先を見据えたWebサイトを構築することで、陳腐化を防ぎ、長く使えるWebサイトを実現できます。
4-7. 補助金・助成金の活用を検討する:コスト削減と事業成長への投資
国や自治体によっては、中小企業のIT投資を支援する補助金・助成金制度が用意されている場合があります。これらの制度を活用することで、リニューアル費用の負担を軽減できる可能性があります。
例えば、経済産業省の「IT導入補助金」や、各自治体が独自に実施している補助金制度などがあります。
補助金・助成金の申請には、一定の条件を満たす必要がありますが、活用できる可能性があれば、積極的に検討しましょう。
これらの7つのコツを実践することで、Webサイトリニューアルの予算計画は、より精度の高い、成功に繋がるものとなるでしょう。 ぜひ、これらのポイントを意識して、リニューアルプロジェクトを成功に導いてください。
5. 予算計画で陥りやすい失敗とその回避方法
Webサイトリニューアルは、多くの時間と費用を要するプロジェクトです。予算計画で失敗すると、プロジェクト全体の進行に大きな影響を及ぼし、最悪の場合、リニューアル自体が失敗に終わってしまう可能性もあります。
ここでは、予算計画で陥りがちな5つの失敗例と、それらを回避するための具体的な方法を解説します。これらのポイントを事前に理解し、対策を講じることで、リニューアルプロジェクトを成功へと導きましょう。
5-1. 目的が不明確なまま、リニューアルに着手してしまう:方向性を見失い、費用対効果が低下する
失敗例: 「なんとなく古くなったから」「競合他社がリニューアルしたから」といった曖昧な理由でリニューアルに着手した結果、時間と費用をかけたにも関わらず、期待した効果が得られず、投資対効果が著しく低い結果となってしまった。
回避方法:
Webサイトリニューアルは、経営戦略の一環として位置づける必要があります。 そのため、まずはリニューアルの目的を明確に定義することが不可欠です。
- 「なぜリニューアルが必要なのか?」 を自問自答し、具体的な目的を設定しましょう。
- 目的は、具体的かつ測定可能な数値目標(KPI)として設定することが重要です。
- 例:「問い合わせ数を月間〇件から〇件に増やす」「資料請求数を〇%向上させる」「Webサイト経由の売上を〇%向上させる」など
- 設定した目的と数値目標は、文書化し、関係者全員で共有しましょう。
目的を明確にすることで、リニューアルの方向性が定まり、効果的な施策を実行することができます。 また、数値目標を設定することで、リニューアル後の効果測定が可能になり、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していくことができます。
5-2. 要件定義が不十分で、追加費用が発生する:想定外のコスト増を防ぐ、徹底的な事前準備
失敗例: 制作会社との打ち合わせが不足していたため、開発の途中で次々と追加要件が発生。結果として、当初の見積もりを大幅にオーバーし、予算超過となってしまった。
回避方法:
リニューアルプロジェクトをスムーズに進めるためには、RFP(提案依頼書)を作成し、要件定義を徹底的に行うことが重要です。
- RFPには、リニューアルの目的、目標、ターゲット、必要な機能、コンテンツ、デザインのイメージ、予算、スケジュールなどを詳細に記載しましょう。
- 制作会社との打ち合わせを重ね、要件定義の内容を擦り合わせ、認識の齟齬をなくしましょう。
- 決定した要件は、文書化して双方で確認し、合意を得ておくことが重要です。
- 追加要件が発生する可能性を考慮し、予算にバッファ(余裕)を持たせておくことも有効です。
要件定義を徹底することで、開発途中の手戻りや追加費用の発生を防ぎ、予算内でプロジェクトを完了することができます。
5-3. 制作会社の言い値で契約してしまう:適正価格で発注するための、相見積もりと交渉術
失敗例: 時間がないことを理由に、複数社から見積もりを取らず、最初に提案を受けた制作会社の言い値で契約してしまった。結果として、相場よりも高い費用を支払うことになり、コストパフォーマンスの悪いリニューアルとなってしまった。
回避方法:
複数の制作会社から見積もりを取得し、提案内容と費用を比較検討することは、適正価格で発注するために不可欠です。
- 少なくとも3社以上から見積もりを取得しましょう。
- 各社の提案内容(企画力、デザイン力、技術力、実績など)を、RFPで定めた評価基準に基づき、客観的に評価しましょう。
- 見積もりの金額だけでなく、作業範囲や費用項目を詳細に確認し、不明点は質問してクリアにしましょう。
- 価格交渉の余地がある場合は、積極的に交渉しましょう。
複数社の提案を比較することで、費用相場を把握し、自社のニーズに最適な制作会社を、適正価格で選定することができます。
5-4. 社内の協力体制を構築できず、プロジェクトが頓挫する:全社一丸で取り組むための、関係者との合意形成
失敗例: Webサイトリニューアルは、マーケティング部門だけで進められるものではありません。しかし、他部門との連携が不足していたため、必要な情報や素材が期日までに揃わず、プロジェクトの進行が大幅に遅延してしまった。
回避方法:
リニューアルプロジェクトを円滑に進めるためには、社内の関係者(経営層、マーケティング部門、営業部門、システム部門など)の協力が不可欠です。
- プロジェクトの開始前に、社内の関係者を集めてキックオフミーティングを開催し、リニューアルの目的、目標、スケジュールなどを共有しましょう。
- 各部門の役割と責任を明確化し、協力を要請しましょう。
- 定期的に進捗報告会を開催し、プロジェクトの進捗状況を共有しましょう。
- プロジェクト管理ツールなどを活用し、情報共有を円滑に行いましょう。
社内の協力体制を構築することで、プロジェクトをスムーズに進行し、予定通りにリニューアルを完了することができます。
5-5. リニューアル後の運用・保守を考慮していない:継続的な成果を生み出すための、長期的な視点
失敗例: リニューアル後のWebサイトの運用・保守費用を予算に含めていなかったため、公開後に必要なメンテナンスや更新作業が行えず、Webサイトのパフォーマンスが低下してしまった。
回避方法:
Webサイトは、公開してからが本番です。リニューアル後の運用・保守費用を、必ず予算に含めておきましょう。
- サーバー費用、ドメイン費用、CMSのライセンス費用など、Webサイトの維持に必要な費用を洗い出しましょう。
- コンテンツの更新、アクセス解析、SEO対策など、Webサイトの運用に必要な業務を想定し、費用を見積もりましょう。
- セキュリティ対策費用(SSL証明書の更新、セキュリティソフトの導入など)も忘れずに計上しましょう。
- 制作会社に保守・運用を依頼する場合は、その費用も確認しておきましょう。
リニューアル後の運用・保守費用を予算に含めておくことで、Webサイトを継続的に改善し、長期的に成果を上げ続けることができます。
これらの失敗例とその回避方法を参考に、予算計画をしっかりと立て、Webサイトリニューアルを成功に導きましょう。
6. 成功事例から学ぶ、予算計画のポイント
ここでは、Webサイトリニューアルの成功事例から、予算計画のポイントを学びます。
6-1. 事例1:データ分析に基づいた改善で、コンバージョン率200%アップ
課題: コンバージョン率が低い
施策: アクセス解析とヒートマップ分析でユーザー行動を徹底的に分析。データに基づいた改善策(CTAの最適化、フォーム改善など)を実施。
結果: コンバージョン率が200%向上
学ぶべきポイント: データ分析に基づいた改善は、効果的な施策立案に繋がる。
6-2. 事例2:目的の明確化とターゲット設定で、問い合わせ数1.5倍に
課題: 問い合わせ数が少ない
施策: リニューアルの目的を「問い合わせ数増加」に設定。ターゲットを明確化し、ターゲットに合わせたコンテンツとデザインに変更。
結果: 問い合わせ数が1.5倍に増加
学ぶべきポイント: 目的の明確化とターゲット設定は、リニューアルの成功に不可欠。
6-3. 事例3:CMS導入で、更新頻度が向上し業務の効率化も実現
課題: Webサイトの更新頻度が低い、運用に手間がかかる
施策: WordPressを導入し、誰でも簡単に更新できる仕組みを構築。
結果: 更新頻度が向上し、運用担当者の業務効率化を実現
学ぶべきポイント: CMS導入は、運用コストの削減と業務効率化に繋がる。
7. まとめ:戦略的な予算計画で、リニューアルを成功に導く
Webサイトリニューアルは、企業にとって大きな投資です。成功させるためには、戦略的な予算計画が不可欠です。
この記事で解説した内容を参考に、「なぜリニューアルするのか」という目的を明確にし、現状分析、目標設定、要件定義、制作会社の選定、予算調整、スケジュール策定などを、ステップ・バイ・ステップで進めていきましょう。
そして、リニューアル後も継続的に効果測定と改善を行い、Webサイトを「成長し続ける資産」へと育てていきましょう。
エル・タジェールは、ウェブ解析士の資格を持つ代表が、豊富な経験と実績に基づき、お客様のWebサイトリニューアルを成功へと導く、戦略的な提案と実行をサポートいたします。
ぜひ、お気軽にご相談ください。