GA4でUTMパラメータを設定・活用する方法|5つのポイントで成果を最大化

「GA4(Google Analytics 4)を導入したけど、UTMパラメータって何?」「どうやって設定すれば良いの?」「効果測定にどう活かせば良いかわからない…」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
UTMパラメータは、GA4で流入元の詳細なデータを取得し、広告やキャンペーンの効果測定、ウェブサイトの改善に役立つ、非常に重要な要素です。しかし、正しく設定・活用できなければ、正確なデータ分析ができず、マーケティング施策の効果を最大限に引き出すことができません。
この記事では、ウェブ解析士が、GA4のUTMパラメータについて、基本から設定方法、効果測定、分析、よくある間違いまで、徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたもUTMパラメータをマスターし、GA4でのデータ分析の精度を高め、マーケティングの成果を最大化できるはずです!
1. GA4のUTMパラメータとは?基本をわかりやすく解説
まず、GA4のUTMパラメータについて説明しましょう。
1-1. UTMパラメータとは?
UTMパラメータとは、URLの末尾に付与するパラメータのことで、ウェブサイトへの流入元や、キャンペーンの効果などをGA4で計測するために使用します。
例えば、以下のようなURLを見たことがあるかもしれません。

この?以降がUTMパラメータと呼ばれる部分です。そして、UTMには5つの種類があります。
1-2. UTMパラメータの種類と役割
UTMパラメータには、以下の5つの種類があります。
パラメータ | 説明 | 例 | 必須/任意 |
utm_source | 流入元(どこから来たか) | google, yahoo, facebook, newsletter | 必須 |
utm_medium | メディア(どんな方法で来たか) | cpc, organic, social, email, referral | 必須 |
utm_campaign | キャンペーン名(どんな企画か) | spring_sale, summer_promotion | 必須 |
utm_term | キーワード(検索広告の場合、どのキーワードで来たか) | ホームページ制作, WordPress | 任意 |
utm_content | コンテンツ(広告のクリエイティブなど、どのコンテンツから来たか) | banner_a, banner_b | 任意 |
utm_source
- 役割: ユーザーがどこからあなたのウェブサイトに訪問したのかを示す、最も重要なパラメータの一つです。
- 設定する値には次のようなものがあります。
- 検索エンジン: google, yahoo, bing など
- SNS: facebook, twitter, instagram, linkedin など
- メールマガジン: newsletter, mailmagazine など
- 外部サイト: example.com (具体的なドメイン名), partner_site など
- 広告: google_ads, yahoo_ads, facebook_ads など
- その他: line, youtube, qr_codeなど、必要に応じて設定
- 具体的にはこのように使います
- Google検索からの流入: utm_source=google
- Facebookからの流入: utm_source=facebook
- メールマガジンからの流入: utm_source=newsletter
utm_medium
- 役割: ユーザーがどのような方法であなたのウェブサイトに訪問したのかを示すパラメータです。
- 設定する値には次のようなものがあります。
- cpc: クリック課金広告 (Cost Per Click)
- organic: 自然検索
- social: ソーシャルメディア
- email: メール
- referral: 他のウェブサイトからのリンク(リファラー)
- banner: バナー広告
- display: ディスプレイ広告
- affiliate: アフィリエイト
- none: 直接流入(パラメータが付いていない場合、GA4では「(direct) / (none)」と表示)
- 具体的には次のように使います。
- Google検索からの自然流入: utm_medium=organic
- Facebook広告からの流入: utm_medium=cpc
- メールマガジンからの流入: utm_medium=email
utm_campaign
- 役割: どのキャンペーンからの流入かを示すパラメータです。キャンペーン名やプロモーションコードなどを設定します。
- 設定する値には次のようなものがあります。
- キャンペーン名: spring_sale, summer_2024, new_product_launch
- プロモーションコード: 20OFF, FREESHIPPING
- その他、キャンペーンを識別できる任意の文字列
- 具体的には次のように使います。
- 春のセールキャンペーン: utm_campaign=spring_sale_2024
- 新商品発売キャンペーン: utm_campaign=new_product_launch
utm_term
- 役割: 検索広告の場合に、ユーザーがどのキーワードで検索して来たのかを示すパラメータです。
- 設定する値には次のようなものがあります。
- 検索キーワード: ホームページ制作, WordPress, ウェブ解析 など
- 具体的には次のように使います。
- Google広告で「ホームページ制作」というキーワードで出稿している場合: utm_term=ホームページ制作
utm_content
- 役割: 広告のクリエイティブなど、どのコンテンツから来たのかを区別するためのパラメータです。同じ広告でも、バナーAとバナーBで効果を比較したい場合などに使用します。
- 設定する値には次のようなものがあります。
- 広告のクリエイティブ名: banner_a, banner_b, text_ad_01
- コンテンツの種類: video, image, text
- その他、コンテンツを識別できる任意の文字列
- 具体的には次のように使います。
- 同じキャンペーンで、2種類のバナー広告を出稿している場合:
バナーA: utm_content=banner_a
バナーB: utm_content=banner_b
- 同じキャンペーンで、2種類のバナー広告を出稿している場合:
1-3. UTMパラメータでできること
UTMパラメータを活用することで、以下のようなことが可能になります。
- 広告の費用対効果測定: どの広告媒体、広告キャンペーン、広告クリエイティブが効果的かを把握できます。
- メルマガの効果測定: メルマガの開封率、クリック率、コンバージョン率などを測定できます。
- SNSからの流入分析: どのSNSからの流入が多いか、どの投稿が効果的かを把握できます。
- キャンペーンごとの効果比較: 複数のキャンペーンを実施している場合、どのキャンペーンが最も効果的かを比較できます。
- ウェブサイトの改善: 流入経路ごとのユーザー行動を分析することで、ウェブサイトの改善点を見つけることができます。
1-4. GA4でUTMパラメータがなぜ必要?

ウェブサイトへのトラフィックは、多くの異なる流入元から発生します。たとえば、検索エンジン、ソーシャルメディア、広告キャンペーン、メールマーケティングなどが挙げられます。GA4を使えば、どのチャネルが最も効果的かを把握できますが、特定のリンクやキャンペーンに絞ってトラフィックを追跡したい場合、UTMパラメータを用いることで、より詳細にトラフィックの分析が可能になります。
つまり、UTMパラメータは、より詳細なトラフィック分析を可能にするために必要となります。UTMパラメータを適切に活用することで、特定のリンクやキャンペーンに絞ってトラフィックを追跡し、そのパフォーマンスを可視化できるようになるのです。これは、マーケティング戦略を最適化していく上で非常に重要な意味を持ちます。
例えば、GA4では「どのソーシャルメディアからの流入が多いか」は分かりますが、「そのソーシャルメディアに投稿した どのリンク が最もクリックされているか」までは分かりません。同様に、「広告キャンペーンからの流入」は把握できても、「そのキャンペーンの どの広告クリエイティブ が最も効果的か」を特定するのは困難です。さらに、メールマーケティングにおいても、全体の流入数は分かっても、「どのメールのどのリンク がコンバージョンに繋がっているか」まで深堀りすることはできません。
つまり、UTMパラメータを用いなければ、以下のような疑問に明確に答えることができないのです。
- どのソーシャルメディアの、どの投稿が最も多くの訪問者をもたらしているか?
- 広告キャンペーンの、どの広告クリエイティブが最も効果的か?
- メールマーケティングの、どのメールのどのリンクが最も効果的か?
これらの疑問は、マーケティング活動の費用対効果を高め、リソースを適切に配分するために、必ず解決しなければならないものです。UTMパラメータは、これらの疑問に答えを出し、より効果的なマーケティング戦略の立案と実行を強力にサポートしてくれるのです。UTMパラメータは、単なる流入元分析を超え、より深く、より具体的な洞察を得るための鍵なのです。
1-5. UTMパラメータの注意点
UTMパラメータを設定する際には、以下の点に注意しましょう。
- 個人情報を含めない: UTMパラメータに、氏名、メールアドレスなどの個人情報を含めないようにしましょう。
- URLが長くなる: UTMパラメータを付与すると、URLが長くなります。SNSなどで共有する際は、短縮URLサービスを利用すると良いでしょう。
- 設定ミスに注意: UTMパラメータの設定を間違えると、正しく計測できません。パラメータの付け忘れ、重複、大文字・小文字の間違いなどに注意しましょう。
2. 【すぐ使える】GA4 UTMパラメータの具体的な設定方法
UTMパラメータの設定方法は、以下の3つがあります。
2-1. 手動で設定する方法
URLに直接UTMパラメータを付与する方法です。
基本ルール
- URLの末尾に「?」を付ける
- 「?」の後に、パラメータ名と値を「=」でつなげて記述する
- 複数のパラメータを付与する場合は、「&」で区切る

2-2. Google Campaign URL Builderを使う方法
Googleが提供している「Campaign URL Builder」というツールを使うと、簡単にUTMパラメータ付きのURLを生成できます。
英語サイトですが、ブラウザの翻訳機能で日本語にしてみてください。

使い方

- 「Website URL」に、UTMパラメータを付与したいURLを入力します。
- 「Campaign Source」「Campaign Medium」「Campaign Name」などの必須項目を入力します。
- 必要に応じて、「Campaign Term」「Campaign Content」を入力します。
- 「Generated URL」に表示されたURLをコピーして、広告やメルマガなどに貼り付けます。
2-3. 一括で設定する方法(スプレッドシート、ツール活用)
複数のURLにUTMパラメータを一括で付与したい場合は、スプレッドシートや専用のツールを使うと便利です。
- スプレッドシート:
- Googleスプレッドシートなどで、URLとパラメータのリストを作成し、関数を使ってUTMパラメータ付きのURLを生成します。
- こちらのnoteが詳しいです。 GoogleアナリティクスUTMパラメータ自動生成Excelテンプレート
- Googleスプレッドシートなどで、URLとパラメータのリストを作成し、関数を使ってUTMパラメータ付きのURLを生成します。
- ツール:
- UTMパラメータの一括生成ツールが、いくつか公開されています。
3. 【事例で解説】GA4 UTMパラメータの効果測定・分析方法
UTMパラメータを設定したら、GA4で効果測定を行いましょう。
3-1. GA4での確認方法
GA4の以下のレポートで、UTMパラメータごとのデータを確認できます。
- レポートでの確認方法:「集客」>「トラフィック獲得」
- 「セッションのキャンペーン」のディメンションで、UTMパラメータごとの流入数、コンバージョン数などを確認できます。
「セッションの参照元/メディア」では、個人的には探しにくいです。
- 「セッションのキャンペーン」のディメンションで、UTMパラメータごとの流入数、コンバージョン数などを確認できます。

- 探索での確認方法:
- 自由な形式でレポートを作成し、UTMパラメータごとの詳細なデータ分析が可能です。ディメンションに「セッションのキャンペーン」や「ユーザーの最初のキャンペーン」を入れるとよいでしょう。

3-2. 効果測定の具体例(広告、メルマガ、SNSなど)
広告
- 媒体ごとの比較: utm_source で媒体(例:google, yahoo, facebook)を区別し、各媒体からの流入数、コンバージョン数、費用対効果などを比較します。
- キャンペーンごとの比較: utm_campaign でキャンペーンを区別し、各キャンペーンの成果を比較します。
- クリエイティブごとの比較: utm_content で広告クリエイティブを区別し、どのクリエイティブが効果的かを比較します。
メルマガ
- 件名ごとの比較: utm_campaign で件名を区別し、どの件名が最も開封率、クリック率が高いかを比較します。
- コンテンツごとの比較: utm_content でコンテンツを区別し、どのコンテンツが最もクリックされているかを比較します。
SNS
- プラットフォームごとの比較: utm_source でプラットフォーム(例:facebook, twitter, instagram)を区別し、各プラットフォームからの流入数、コンバージョン数などを比較します。
- 投稿ごとの比較: utm_campaign や utm_content で投稿を区別し、どの投稿が効果的かを比較します。
3-3. 分析結果の活用方法
GA4でUTMパラメータの効果測定・分析を行うことで、以下のようなことが可能になります。
- 広告予算の最適化: 効果の高い広告媒体やキャンペーンに予算を集中させることができます。
- メルマガコンテンツの改善: 開封率やクリック率の高い件名、コンテンツの傾向を把握し、メルマガの内容を改善できます。
- SNS投稿の改善: 流入数やコンバージョン数の多い投稿の傾向を把握し、SNSでの情報発信を改善できます。
- ウェブサイトの改善: 流入経路ごとのユーザー行動を分析し、ウェブサイトの改善点を見つけることができます。
- キャンペーンの効果検証: キャンペーン全体の効果を測定し、次回のキャンペーンに活かすことができます。
4. 【応用編】GA4 UTMパラメータを使いこなす5つのポイント
最後に、UTMパラメータをさらに使いこなすための、応用的な活用方法を紹介します。
4-1. 命名規則を決める
UTMパラメータの値に一貫性を持たせるために、命名規則を決めましょう。例えば、以下のようなルールを決めておくと、データの集計や分析がしやすくなります。
- utm_source: すべて小文字で統一する(例:google, facebook, newsletter)
- utm_medium: 広告は「cpc」、自然検索は「organic」など、メディアの種類ごとに統一した値を設定する
- utm_campaign: キャンペーン名に日付や媒体名を含める(例:202403_spring_sale_google)
4-2. パラメータの値を動的に変更する
広告のキーワードやクリエイティブに応じて、UTMパラメータの値を動的に変更することで、より詳細な分析が可能になります。
- Google広告: バリュー(ValueTrack)パラメータを使用
- Yahoo!広告: 自動タグ設定を使用
- Facebook広告: URLパラメータを動的に設定
4-3. カスタムチャネルグループとの連携
GA4のカスタムチャネルグループと連携させることで、独自のチャネル分類でデータ分析ができます。例えば、「有料広告」「自然検索」「SNS」などのチャネルグループを作成し、UTMパラメータの値を基に、各チャネルグループにトラフィックを分類することができます。
4-4. Google広告との連携
GA4とGoogle広告を連携させることで、広告の成果をより詳細に把握できます。Google広告の管理画面で自動タグ設定を有効にすると、自動的にUTMパラメータが付与されます。
4-5. Looker Studio(旧Google Data Portal)での活用
Looker Studio(旧Google Data Portal)でレポートを作成し、UTMパラメータごとのデータを可視化することで、よりわかりやすく効果測定の結果を共有できます。
5. 【要注意】GA4 UTMパラメータ設定でよくある間違いと対策
UTMパラメータは、正しく設定しないと、正確なデータが取得できません。ここでは、よくある間違いとその対策を紹介します。
5-1. 大文字と小文字を区別する
UTMパラメータでは、大文字と小文字は区別されます。例えば、「google」と「Google」は、別の参照元として認識されます。表記揺れを防ぐために、パラメータの値は小文字で統一するなどのルールを決めましょう。
5-2. パラメータの付け忘れ、重複
必要なパラメータが付与されていなかったり、同じパラメータが重複して付与されていると、正しく計測できません。特に、手動でUTMパラメータを設定する際には、注意が必要です。
5-3. パラメータのルール違反(スペース、記号など)
UTMパラメータの値には、半角英数字を使用するのが基本です。スペースや記号などを使用すると、正しく計測できない場合があります。
5-4. URLの末尾に不要な文字列
URLの末尾に「#」などの不要な文字列が付与されていると、UTMパラメータが正しく認識されない場合があります。
5-5. 長すぎるURL
UTMパラメータを付与すると、URLが長くなります。長すぎるURLは、途中で途切れてしまったり、SNSなどで共有しにくいなどのデメリットがあります。
5-6. リダイレクト時の注意点
リダイレクトによって、UTMパラメータが引き継がれない場合があります。リダイレクトを設定する際は、UTMパラメータが正しく引き継がれるように設定する必要があります。
5-7. サイト内リンクにはUTMパラメータを使えません
UTMパラメータは、メールキャンペーン、外部リンク、広告など、外部からの流入を計測するための方法です。サイト内リンクで使用すると、キャンペーンの成果を正しく計測することができませんので注意が必要です。
6. まとめ
本記事では、GA4のUTMパラメータについて、基本から設定方法、効果測定、分析、よくある間違い、応用的な活用方法まで、詳しく解説しました。
UTMパラメータは、GA4で詳細な流入元データを取得し、マーケティング施策の効果を最大化するために、非常に重要な要素です。
しかし、UTMパラメータは、ただ設定すれば良いというものではありません。正しく設定し、効果測定・分析を行い、その結果をマーケティング施策に活かすことが重要です。
ぜひ、この記事を参考に、UTMパラメータを効果的に活用し、GA4でのデータ分析の精度を高め、ビジネスの成長につなげてください。
7. GA4でお困りの方は、ウェブ解析士のエル・タジェールにご相談ください
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