【これ便利】GA4で特定の流入元を把握する方法:UTMパラメータの活用

GA4(Google Analytics 4) を使用することで、ウェブサイトへのアクセス状況を詳細に追跡できますが、特定の流入元からのトラフィックを正確に把握するためには、UTMパラメータを活用するのが効果的です。本記事では、GA4で特定の流入元をレポートする方法を、UTMパラメータを使った実践的な手法とともに解説します。

なぜUTMパラメータが必要なのでしょうか

ウェブサイトへのトラフィックは、多くの異なる流入元から発生します。たとえば、検索エンジン、ソーシャルメディア、広告キャンペーン、メールマーケティングなどが挙げられます。GA4を使えば、どのチャネルが最も効果的かを把握できますが、特定のリンクやキャンペーンに絞ってトラフィックを追跡したい場合、UTMパラメータを用いることで、より詳細にトラフィックの分析が可能になります。

つまり、UTMパラメータは、より詳細なトラフィック分析を可能にするために必要となります。UTMパラメータを適切に活用することで、特定のリンクやキャンペーンに絞ってトラフィックを追跡し、そのパフォーマンスを可視化できるようになるのです。これは、マーケティング戦略を最適化していく上で非常に重要な意味を持ちます。

例えば、GA4では「どのソーシャルメディアからの流入が多いか」は分かりますが、「そのソーシャルメディアに投稿した どのリンク が最もクリックされているか」までは分かりません。同様に、「広告キャンペーンからの流入」は把握できても、「そのキャンペーンの どの広告クリエイティブ が最も効果的か」を特定するのは困難です。さらに、メールマーケティングにおいても、全体の流入数は分かっても、「どのメールのどのリンク がコンバージョンに繋がっているか」まで深堀りすることはできません。

つまり、UTMパラメータを用いなければ、以下のような疑問に明確に答えることができないのです。

  • どのソーシャルメディアの、どの投稿が最も多くの訪問者をもたらしているか?
  • 広告キャンペーンの、どの広告クリエイティブが最も効果的か?
  • メールマーケティングの、どのメールのどのリンクが最も効果的か?

これらの疑問は、マーケティング活動の費用対効果を高め、リソースを適切に配分するために、必ず解決しなければならないものです。UTMパラメータは、これらの疑問に答えを出し、より効果的なマーケティング戦略の立案と実行を強力にサポートしてくれるのです。UTMパラメータは、単なる流入元分析を超え、より深く、より具体的な洞察を得るための鍵なのです。

UTMパラメータとは?

UTMパラメータ(Urchin Tracking Module) とは、特定のリンクを通じてウェブサイトに訪問したトラフィックを追跡するために、URLに追加する短いコードのセットです。これにより、GA4でどの流入元やキャンペーンからトラフィックが来たのかを正確に把握できます。

UTMパラメータは、次の5つの要素から構成されます:

  1. utm_source(流入元):ユーザーがどこから来たのかを表します(例:utm_source=twitter)。
  2. utm_medium(メディア):トラフィックの種類や媒体を示します(例:utm_medium=social)。
  3. utm_campaign(キャンペーン):キャンペーン名を示します(例:utm_campaign=test_campaign)。
  4. utm_term(検索キーワード):主に有料広告に使用され、検索キーワードを追跡します(例:utm_term=keyword)。
  5. utm_content(コンテンツ):複数のリンクを区別するために使用されます(例:utm_content=button)。

これらのパラメータをリンクに付加することで、GA4で詳細なトラフィック解析が可能になります。

UTMパラメータの具体例

次に、具体的な例を使って説明します。

例:

https://yoursite.com/?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=test

このURLには、以下のUTMパラメータが追加されています:

  • utm_source=twitter: このリンクをクリックしたユーザーがX(旧Twitter)から来たことを示します。
  • utm_medium=social: このリンクがソーシャルメディア上にあることを示します。
  • utm_campaign=test: これは「test」という名前のキャンペーンからのトラフィックであることを示しています。

このリンクをクリックしたユーザーがサイトを訪問すると、GA4ではこの情報が記録され、どのソーシャルメディアのどのキャンペーンがどれだけのトラフィックを生み出したかを追跡できます。

UTMパラメータの作成方法

UTMパラメータは、手動で追加することもできますが、簡単に作成するためのツールも利用可能です。Googleの「キャンペーンURLビルダー」を使うことで、正確なUTMパラメータを自動生成できます。

https://ga-dev-tools.google/campaign-url-builder/

URLビルダーの使い方:UTMパラメータ付きURLの作成手順

UTMパラメータを利用すれば、特定のキャンペーンや流入元の効果をGoogle Analyticsなどのツールで簡単に追跡できます。以下は、URLビルダーを使ったUTM付きリンクの作成手順を詳しく解説します。

1. ベースとなるウェブサイトURLを入力

URLビルダーを開き、追跡したいページのURLを正確に入力します。
例: https://example.com/landing-page

2. 必要なキャンペーンパラメータを入力

以下のパラメータを入力して、リンクを特定の流入元やキャンペーンに紐づけます。

  • utm_source(流入元)
    どの媒体からの流入かを特定するための値を入力します。
    例: google, newsletter, facebook
  • utm_medium(媒体)
    流入の形式を指定します。
    例: cpc(クリック課金広告), email(メール), social(ソーシャルメディア)
  • utm_campaign(キャンペーン名)
    キャンペーン全体の識別に使う名前を入力します。
    例: spring_sale, new_product_launch
  • utm_term(任意:検索キーワード)
    広告のキーワードを追跡したい場合に入力します。
    例: shoes, online_courses
  • utm_content(任意:コンテンツ識別)
    同一キャンペーン内の異なるリンクや広告を区別するための値を設定します。
    例: header_banner, footer_link

3. UTM付きURLの生成

必要なパラメータを入力すると、URLビルダーが自動的に追跡用の完全なURLを生成します。
例:

https://example.com/landing-page?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale

4. UTM付きURLをコピーしてリンク先に設定

生成されたURLをコピーして、リンク先として使用します。例えば:

  • ウェブサイトのバナーリンク
  • SNSの投稿リンク
  • メール内のCTA(Call to Action)

5. 作成したURLを短縮(オプション)

URLが長く見えにくい場合、短縮URLサービス(例: Bitly)を使用すると、よりコンパクトなリンクに変換できます。

6. UTMパラメータの確認

Google Analytics 4などでキャンペーンの流入状況を確認します。「トラフィック獲得」レポートやエクスプロレーションでutm_sourceutm_campaignを元にデータを分析できます。

注意点

  • パラメータ値は小文字で統一するとデータの一貫性を保てます。
  • 入力ミスを防ぐため、各パラメータの値をチーム内で統一するルールを決めておくと便利です。

これにより、正確なUTM付きリンクを作成して、データ分析やマーケティング効果の測定を効率化できます。

UTMパラメータに名前をつける時の規則性の重要性

UTMパラメータを活用した詳細なトラフィック分析において、パラメータに一貫した名前をつけることは極めて重要です。なぜなら、この規則性こそが、データの正確な集計と解釈、ひいては効果的なマーケティング戦略の立案を可能にするからです。

場当たり的に、あるいは担当者ごとに異なるルールで名前をつけてしまうと、後からデータを分析する際に、同じキャンペーンや流入元であるにもかかわらず、別々のものとして集計されてしまう可能性があります。これでは、せっかくUTMパラメータで細かくトラフィックを分類した意味がなくなってしまいます。

例えば、「summer_sale」「SummerSale」「summer-sale」といった異なる表記が混在してしまうと、GA4上でこれらは全て別のキャンペーンとして認識されます。その結果、本来は一つのキャンペーンとして分析すべきデータが分断され、正確な効果測定ができなくなります。また、データの比較やレポート作成にも支障をきたし、結果的にマーケティング施策の改善に繋げることが難しくなってしまいます。

規則性があることのメリット

逆に、明確な命名規則を設け、チーム内で共有・遵守することで、以下のようなメリットが得られます。

  • データの正確性と一貫性の確保: 同じキャンペーンや流入元が確実に同一のものとして集計され、正確な分析が可能になります。
  • 分析作業の効率化: データの分類やフィルタリングが容易になり、分析作業の効率が大幅に向上します。
  • レポート作成の容易化: 一貫したデータに基づいた、分かりやすく説得力のあるレポートを作成できます。
  • 効果的なPDCAサイクルの実現: 正確な分析結果に基づいて、効果的な改善策を立案・実行し、PDCAサイクルを回すことができます。

このように、UTMパラメータの命名規則は、データドリブンなマーケティング活動を成功させるための、いわば「縁の下の力持ち」です。具体的には、以下のような点に注意して、命名規則を策定するとよいでしょう。

命名する時の注意点

  • 使用する文字: 小文字のアルファベット、数字、ハイフン、アンダースコアなどを基本とし、大文字やスペースは避ける、もしくは特定のルールで統一する(例:全て小文字にする、スペースはアンダースコアで代用する)
  • 単語の区切り方: ハイフンやアンダースコアで単語を区切る方法を統一する(例:summer-sale, summer_sale)
  • パラメータの値の表記: キャンペーン名、媒体名、コンテンツ名などの表記を統一する (例:日付はYYYYMMDD形式にする、媒体名は略称リストを作成してそれに従う)

さらに、作成した命名規則は、スプレッドシートやドキュメントなどで管理し、チーム内でいつでも参照できるようにしておくことが重要です。新しくキャンペーンを実施する際には、必ずこの規則に従ってUTMパラメータを設定し、運用していくようにしましょう。

一貫した命名規則に基づいたUTMパラメータの運用は、精度の高いデータ分析、効果測定、そしてマーケティング成果の最大化へと繋がる、必要不可欠な取り組みなのです。

GA4でのUTMパラメータを見る方法

GA4ロゴ| 葛飾区の戦略的ウェブ制作工房エル・タジェールで使用

UTMパラメータを使ってトラフィックを追跡した後、GA4でのレポート作成が重要です。特定の流入元やキャンペーンのパフォーマンスを確認するには、GA4の「探索(Explore)」機能を活用します。

それぞれのパラメータは、次のディメンションで見ることができます。

パラメータGA4のディメンション(セッション)GA4のディメンション(ユーザー)備考
utm_sourceセッションの参照元ユーザーの最初の参照元
utm_mediumセッションのメディアユーザーの最初のメディア
utm_campaignセッションのキャンペーンユーザーの最初のキャンペーン
utm_termセッションの手動キーワードユーザーの最初の手動キーワード※探索のみ
utm_contentセッションの手動コンテンツユーザーの最初の手動コンテンツ※探索のみ

レポートでUTMパラメータを確認するには

GA4のレポート画面で、設定したUTMパラメータがどのように反映されているかを確認する方法は以下の通りです。

まず、レポートメニューから「ライフサイクル」>「集客」と進み、「ユーザー獲得」または「トラフィック獲得」のいずれかを開きます。ここまでは共通の手順です。

次に、分析したい軸に合わせて、レポートのディメンション(データの切り口)を変更します。

  • ユーザー単位で流入元を確認したい場合(例:どの媒体から新規ユーザーが多く流入しているか): 「ユーザー獲得」レポートを開き、ディメンションを「ユーザーの最初の参照元 / メディア」に切り替えます。これで、ユーザーが最初にサイトに訪れた際の utm_source と utm_medium の値が表示されます。
  • セッション単位で流入元を確認したい場合(例:どの媒体が直近のセッションに貢献しているか): 「トラフィック獲得」レポートを開き、ディメンションを「セッションの参照元 / メディア」に切り替えます。これで、セッションが発生した際の utm_source と utm_medium の値が表示されます。

さらに、utm_campaign の値も併せて確認したい場合は、ディメンションの横にある「」ボタンをクリックします。「ユーザーの最初のキャンペーン」(ユーザー単位の場合)または「セッションのキャンペーン」(セッション単位の場合)を選択してディメンションに追加することで、キャンペーンごとのデータを確認できます。

この手順を踏むことで、どの流入元(utm_source)、どのメディア(utm_medium)から、どのようなキャンペーン(utm_campaign)を通じてユーザーが訪問したのかを、GA4のレポート上で詳細に把握することができます。これらのデータを活用することで、マーケティング施策の効果をより正確に測定し、最適化につなげることが可能となります。

探索でUTMパラメータを詳細に確認する

GA4の「探索」機能では、レポート機能と同様にUTMパラメータを確認できるだけでなく、より詳細な分析を行うことが可能です。

探索でも、ディメンションとして「ユーザーの最初の参照元 / メディア」または「セッションの参照元 / メディア」を使用することで、utm_source と utm_medium の値を確認できます。さらに、「ユーザーの最初のキャンペーン」または「セッションのキャンペーン」を追加すれば、utm_campaign の値も確認可能です。これはレポート機能と同じです。

しかし、探索の大きな利点は、utm_term や utm_content に設定した値も確認できることです。 これにより、レポート機能では確認できなかった、より詳細な情報を得ることができます。

例えば、utm_term に設定したキーワードごとのパフォーマンスを分析したり、utm_content に設定した広告のクリエイティブやコンテンツごとの効果を比較したりすることが可能になります。

このように、探索機能を活用することで、UTMパラメータに設定した全ての値を自由に組み合わせて分析することができます。より深い洞察を得たい場合や、詳細なデータを基に戦略を練りたい場合には、探索機能を積極的に活用することをお勧めします。

効果的なGA4レポートのポイント

GA4で特定の流入元を追跡する際、レポートをより効果的にするためのポイントをいくつか紹介します。

  • キャンペーンごとにパフォーマンスを比較: UTMパラメータで区別された複数のキャンペーンを並べて比較し、どのキャンペーンが最も高いROI(投資対効果)をもたらしているかを確認します。
  • トラフィックの質を分析: 単に訪問者数だけでなく、滞在時間やコンバージョン率なども分析することで、どの流入元が質の高いトラフィックをもたらしているかを把握します。
  • 自動タグ付けを活用: 広告キャンペーンの場合、Google Adsなどの自動タグ付け機能を利用すると、より正確なトラッキングが可能です。

UTMパラメータを使ったGA4での最適化

UTMパラメータは、GA4で詳細なトラフィック分析を行うための強力なツールですが、その真価はデータを基にしたウェブサイトやマーケティング施策の最適化に活かしてこそ発揮されます。単にトラフィックを追跡するだけでなく、得られた洞察を具体的なアクションに繋げることが重要です。

1. 最も効果的な流入元へのリソース集中:データに基づいた戦略的投資

UTMパラメータを用いた分析によって、各流入元やキャンペーンのパフォーマンスが明確になったら、最も効果の高いチャネルにリソースを集中投下しましょう。例えば、特定のソーシャルメディア広告からのコンバージョン率が突出して高いことが分かれば、その広告への予算配分を増やしたり、類似のターゲット層に向けた広告展開を検討したりすることが有効です。逆に、自然検索からの流入が少ない場合は、SEO対策に注力する、あるいはコンテンツマーケティングを強化するといった対策が考えられます。このように、データに基づいてリソースを最適に配分することで、限られた予算を最大限に活用し、マーケティングROIの向上を図ることができます。

2. 効果の低いチャネルの改善:課題の特定と具体的な改善アクション

一方で、UTMパラメータの分析は、パフォーマンスの低いチャネルを特定し、改善するためにも役立ちます。 例えば、特定のキャンペーンからのトラフィックが極端に少ない、あるいはコンバージョン率が著しく低いといった状況が明らかになった場合、その原因を深く掘り下げ、具体的な改善策を検討する必要があります。広告のクリエイティブに問題があるのか、ランディングページのコンテンツが不十分なのか、ターゲット設定が適切でないのか、など、様々な角度から検証を行い、問題点を特定することが重要です。そして、A/Bテストなどを実施しながら、効果的な改善策を見つけ出し、実行していくことが求められます。例えば、ランディングページの構成やデザインを改善する、広告のメッセージやビジュアルを変更する、ターゲットをより絞り込む、といった具体的なアクションが考えられます。

継続的な分析と改善のサイクル:データドリブンなマーケティングの実現

重要なのは、これらの最適化プロセスを一度きりで終わらせるのではなく、継続的に実施していくことです。 UTMパラメータを用いたデータ分析、課題の特定、改善策の実行、そして効果測定という一連のサイクルを繰り返すことで、ウェブサイトやマーケティング施策を継続的に改善し、より良い成果へと繋げていくことができます。このデータドリブンなアプローチこそが、変化の激しいデジタルマーケティングの世界で成功するための鍵となります。

つまり、UTMパラメータとGA4は、単なるデータ分析ツールではなく、マーケティング活動全体を最適化し、ビジネスの成長を加速させるための強力な武器なのです。これらのツールを戦略的に活用し、データに基づいた意思決定を行うことで、より効果的かつ効率的なマーケティング活動を実現することができるでしょう。

まとめ

UTMパラメータを活用することで、GA4を使って特定の流入元からのトラフィックを詳細に追跡し、マーケティングの効果を正確に把握できます。キャンペーンの効果測定やトラフィックの質を理解するために、UTMパラメータを積極的に活用し、GA4でのデータを活かしてウェブサイト運営を最適化しましょう。

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