10社のホームページを診断したら、3社が「賞を取っていること」をトップに出していませんでした

10社のホームページを診断したら、3社が「賞を取っていること」をトップに出していませんでした

先に結論

  • 名刺交換した会社さま10社のサイトを、私が一社ずつ診断しました
  • いちばん多かった「惜しい点」は、強い証拠を持っているのに、それが見える場所にないこと。10社中3社です
  • しかも3社とも、新しく作るものは何もありませんでした。素材はすでに手元にあって、置く場所を変えるだけ
  • これは怠慢ではありません。実力がある人ほど陥る構造です

「うちには、これといった売りがないんですよ」

診断の後にお話しすると、けっこうな確率でこの言葉が出てきます。

でも、サイトを見せていただくと、だいたい逆なんです。売りがないのではなく、売りが多すぎて、しかもそれを本人が「大したことない」と思っている

先日、名刺交換させていただいた会社さま10社のサイトを、一社ずつ診断しました。その結果を、社名を伏せてお伝えします。

10社を診断して、何が見えたのか

惜しい点は、きれいに3つのパターンに割れました。いちばん多かったのは「証拠が見える場所にない」で、10社中3社です。

パターン社数
強い証拠を持っているのに、束ねていない3社
「誰に・何を」が一言で言えていない4社
問い合わせの導線が細い・散らかっている3社

数だけ見れば2番目のパターンが多いのですが、私がいちばん「もったいない」と感じたのは、1番目でした。

理由は単純です。2番目と3番目は、これから作らないといけない。でも1番目は、もう持っているからです。

「証拠が見える場所にない」とは、どういう状態か

素材はある。でも、それが3つに分かれて置いてあったり、読み物の中に紛れていたりして、初めて来た人が受け取れない状態です。

3社の状況を、社名を伏せてご紹介します。

1社目:創業70年を超えるメーカーさま

国内の著名なデザイン賞を受賞されていて、業界では先駆けとして知られています。メディアにも出ている。信頼の材料が、これ以上ないほど揃っています。

ところが、その70年がトップの1行目に、賞が「お知らせ」に、歩みが「会社概要」に——バラバラに置かれていました。一つひとつは全部サイトの中にあります。でも、初めて来た人が一目で受け取れる場所には、まとまっていませんでした。

2社目:プロダクトデザインの会社さま

国際的なデザイン賞を受賞されていて、展示会でも賞を取られています。世界で評価されている、ということです。

トップページを開くと、ものづくりへの哲学が詩のような言葉で立ち上がってきます。世界観が本当に美しい。ただ、その受賞が、トップページの本文に出ていませんでした。

初めての人が「この会社に任せて大丈夫か」を判断する、まさにその瞬間に、いちばん効くはずの証拠が働いていなかったんです。

3社目:動画制作の会社さま

誰もが知っている企業や、歴史ある寺社の制作実績を、実名で出せる状態でお持ちでした。これは相当に強い。

ところがその実績が、ブログ記事と同じ日付順の一覧に並んでいて、「読み物の一部」として流れてしまっていました。素材は十分すぎるほどあるのに、置き場所が読み物と一緒だったんです。

なぜ、こうなるのか

「実力がある人ほど、自分を売り込むことに後ろめたさを感じる」からだと、私は考えています。

3社とも、サイトを手抜きしているわけではまったくありません。むしろ全社、丁寧に作られていました。

では、なぜ賞が奥に入るのか。

賞を取った経験のある方ほど、こうおっしゃるんです。「あれは運もありましたから」「うちより凄い会社はいくらでもあります」と。

その謙虚さが、そのままサイトの構造になっている。 「賞を取りました」とトップに大きく出すのが、なんとなく気恥ずかしい。だから、お知らせに入れる。会社概要に入れる。ブログと同じ棚に並べる。

つまりこれは、怠慢でも無知でもありません。誠実さの副作用です。だから、腕がいい人ほど起きる。

ただ、初めてサイトに来た人には、その事情は分かりません。判断材料が見つからないまま、比較検討に進んでしまいます。

何をすればいいのか

3社とも、打ち手は同じでした。「今ある材料を、見える場所に置き直す」だけです。

  • 新しいページを作る必要は、ありませんでした
  • 新しい写真を撮る必要も、ありませんでした
  • コピーを書き直す必要すら、ほとんどありませんでした

やることは、上部に「選ばれる理由」の場所を一つ作って、散らばっている証拠をそこに集めるだけ。

これが、私がこの3社を「いちばん惜しい」と感じた理由です。他のパターンは、これから素材を作らないといけない。でもこの3社は、明日にでも動かせる

そして、ご本人が「大したことない」と思っている、まさにその材料が、いちばん効きます。

もし、思い当たるなら

チェックは3つだけです。ご自身のサイトのトップページを、初めて来た人のつもりで、上から順に見てください。

  1. 受賞歴・創業年数・実績は、スクロールせずに目に入りますか
  2. それらは1か所にまとまっていますか。3か所に分かれていませんか
  3. 実績が、ブログやお知らせと同じ棚に並んでいませんか

一つでも当てはまるなら、あなたの一番強い証拠は、まだ働いていません。

腕の問題ではないんです。置き場所の問題です。

よくある質問

賞や受賞歴がない場合はどうすればいいですか

賞でなくても構いません。創業年数、施工件数、リピート率、続けている習慣、お客様から実際に言われた言葉——「他社が真似できない事実」であれば何でも証拠になります。今回の3社のうち1社は、賞よりも「実名で出せる取引先」の方が強い材料でした。

自分の強みが分からないのですが、どうやって見つけるのですか

ほとんどの場合、すでにサイトのどこかに書いてあります。ただ本人が「当たり前のこと」だと思っているので、奥に入れてしまっている。だから外から見る人間が必要なんです。私が診断でやっているのは、新しいものを見つけることではなく、**すでにあるものを指差すこと**です。

証拠を前に出すのは、自慢っぽくなりませんか

その感覚を持っている方は、まず自慢になりません。むしろその感覚があるからこそ、奥にしまってしまっているわけです。事実を事実として、装飾せずに置くだけで十分です。「創業77年」と書くのは自慢ではなく、相手が判断するための材料を渡す行為です。

トップページを直すのに、どれくらいかかりますか

今回の3社のケースは、いずれも既存の材料を置き直すだけなので、大がかりな改修ではありません。ただし「どれを選んで、どの順で並べるか」は、その会社の状況によって変わります。そこが設計の中身です。

効果はどうやって確かめるのですか

置き直した後に、訪問者がどこまで読み、どこで離れ、問い合わせにどれだけ進んだかを数字で見ます。印象で「良くなった気がする」で終わらせないのが、私の仕事の中身です。—

最後に

10社を診断して、私がいちばん強く感じたのは、これでした。

みなさん、持っているんです。 ないのではなくて、見える場所に出していない。

「うちには売りがない」とおっしゃる方ほど、サイトの奥に、きちんとした証拠を置いていらっしゃいます。

もし今、価格でしか比べられていないなら、それは腕の問題ではないかもしれません。あなたの一番強い証拠が、まだ働いていないだけかもしれない。

ご自身のサイトで確かめてみて、それでも「よく分からない」となったら、30分だけお時間をください。一緒に画面を見ながら、どこに何が眠っているかをお話しします。売り込みはしません。

ご相談は完全無料・オンライン(平日 8:00〜16:00)

https://shinichi-miyazaki.website/free-consultation/

*宮崎真一(ブランドマネージャー・ウェブ解析士)*

*良いものなのに選ばれない、を変えていく。*