先に結論
- 名刺交換した会社さま27社のサイトを、私が一社ずつ診断しました
- いちばん多かった「惜しい点」は、トップページを開いて3秒で「何屋さんか」が伝わらないこと。27社中16社、およそ6割です
- 最初の10社では6社(60%)。母数が27社に増えても16社(59%)で、割合はほとんど変わりませんでした
- そして16社の多くは、腕がないのではありません。「自分が何者か」を名乗るのを、どこか気恥ずかしがっているように見えました
「うちが何をやっている会社か、ちゃんと書いてあるはずなんですけどね」
診断の後にお伝えすると、よくこう返ってきます。書いてある、というのは本当です。サイトの中を探せば、たいてい見つかります。
ただ、初めて来た人が、探さずに、3秒で受け取れるか。ここが分かれ目でした。
先日から続けている無料診断が、27社になりました。今回はその中間報告として、いちばん多かった「惜しい点」を一つだけ、社名を伏せてお伝えします。
27社を診断して、いちばん多かった課題は何だったか
「3秒で何屋か伝わらない」が27社中16社で最多でした。前回10社時点の6社と、割合がほぼ一致しています。
診断では、サイトを3つの軸で見ています。評価の基準は毎回同じです。
| 軸 | 見ているところ | 「△(惜しい)」の数 |
|---|---|---|
| 伝わり度 | トップで「何屋・誰向け・何を解決」が3秒で伝わるか | 16社 |
| 選ばれる理由 | 競合と違う”らしさ”が言葉になっているか | 16社 |
| 次の一歩 | 訪問者が迷わず問い合わせに進めるか | 12社 |
3つとも△は少なくないのですが、今回主役にするのは「伝わり度」です。理由は、ここが崩れていると、他の2つが良くても届かないからです。何屋か分からないサイトは、そもそも読み進めてもらえません。
「3秒で伝わらない」とは、具体的にどういう状態か
素材はある。でも最初の画面が「自分の想い」から始まっていて、相手が最初に知りたい「何屋か」が後ろに回っている状態です。
16社の中から、構造がはっきり分かれた3つのかたちを、社名も業種も伏せてご紹介します。
1つ目:タイトルが英語の「Home」だけだったケース
名刺交換した相手のサイトを開くと、ブラウザのタブに出るのは英語で「Home」の一語。日本語で「何の会社か」を伝える一文が、最初の画面のどこにもありませんでした。
事業内容そのものは、しっかりした専門領域をお持ちです。にもかかわらず、日本の名刺から検索して来た人が、最初に受け取る言葉が「Home」——これは相当もったいない。
2つ目:美しい理念の言葉で始まっていたケース
トップを開くと、事業への想いが詩のように立ち上がってきます。世界観は本当に丁寧に作られている。
ただ、「何の事業をしているか」が、最初の画面の外にありました。少しスクロールすれば出てくるのですが、その一手間の前に、多くの人は「で、この会社は何屋さん?」と判断を保留してしまいます。
3つ目:一番言い切った一文が、2画面目に埋もれていたケース
いちばん驚いたのはこれです。診断していて「この一文だ」と膝を打つ、事業をぴたりと言い当てたコピーを、その会社はちゃんと持っていました。
ところがその一文は2画面目にあって、最初の画面には英語のスローガンだけ。一番の武器を、自分で奥にしまっていたんです。
なぜ、腕のいい人ほどこうなるのか
「自分が何者か」を大きく名乗ることに、後ろめたさを感じる方が多いからだと、私は考えています。
これは前回の記事(賞を奥にしまう話)とも、根は同じです。
「◯◯の会社です」とトップに堂々と書くのが、なんとなく押し付けがましく感じる。だから、想いを先に置く。世界観で伝えようとする。英語のスローガンで、それとなく雰囲気を出す。
その奥ゆかしさが、そのままサイトの構造になっている。 丁寧に作られている16社ほど、この傾向がありました。手抜きの逆です。
けれど、初めて来た人にその事情は伝わりません。3秒で「何屋か」が分からなければ、想いを読む前に離れてしまう。一番いい部分にたどり着く前に、扉が閉じてしまうんです。
何をすればいいのか
多くの場合、新しく作る必要はありませんでした。「すでにある一文」を、最初の画面のいちばん上に置き直すだけです。
3つのケースの打ち手は、こうでした。
- 1つ目:日本語で「誰に・何を提供する会社か」の一文を、最初の画面に足す
- 2つ目:想いはそのままに、その手前に事業を一言で名乗る行を置く
- 3つ目:2画面目にあった「膝を打つ一文」を、最初の画面の先頭に移す
いずれも、コピーを一から書き直したわけではありません。持っている言葉の順番を変えるか、一言添えるだけ。前回の3社と同じで、明日にでも動かせるものでした。
自分のサイトで確かめる3つの問い
トップページを、初めて来た人のつもりで開いて、最初の画面(スクロールなし)だけを見てください。
- 3秒で「何屋さんか」が分かりますか
- その一文は、想いやスローガンより「先」にありますか
- 日本の名刺から来た人が、日本語で内容を受け取れますか
一つでも「怪しいな」と思ったら、あなたの一番いい部分は、まだ相手に届いていないかもしれません。
腕の問題ではありません。名乗る順番の問題です。
よくある質問
名乗ることと、平凡になることは別です。「誰に・何を」を一言で言い切ったうえで、その下で世界観や想いを存分に語れば、むしろ想いがちゃんと届きます。順番の問題であって、想いを削る話ではありません。今回の27社のうち、3秒で伝わった上位のサイトも、個性はきちんとありました。
デザインは「印象」を伝えるのは得意ですが、「何屋か」という事実は、言葉でしか正確に伝わりません。美しい写真だけのトップは、雰囲気は残っても業種が残らないことが多いです。両方あって初めて、印象と事実がそろいます。
英語そのものが悪いわけではありません。問題は、日本語で来た人に「何屋か」が一言もないまま英語だけが出ている状態です。英語のスローガンは残しつつ、日本語の一文を添えるだけで解決することがほとんどでした。
27社はまだ多い数字ではありません。ただ、最初の10社で6割、27社でも6割弱と、**母数を増やしても割合がほとんど動かなかった**点は、それなりに意味があると考えています。今後も診断を続けて、数字が変わればまた正直に報告します。
最後に
27社を診断して、あらためて感じたのは、これでした。
みなさん、ちゃんと言葉を持っているんです。 ないのではなく、名乗る順番で損をしている。
「うちが何屋か、書いてあるはずなんですけどね」とおっしゃる方ほど、その一番大事な一文を、想いの奥や2画面目に置いていらっしゃいます。
もし今、価格でしか比べられていないなら、それは腕の問題ではないかもしれません。あなたが何者かが、最初の3秒で伝わっていないだけかもしれない。
ご自身のサイトで確かめてみて、それでも「よく分からない」となったら、30分だけお時間をください。一緒に画面を見ながら、最初の3秒に何が映っているかをお話しします。売り込みはしません。
ご相談は完全無料・オンライン(平日 8:00〜16:00)
→ https://shinichi-miyazaki.website/free-consultation/
*宮崎真一(ブランドマネージャー・ウェブ解析士)*
*良いものなのに選ばれない、を変えていく。*
