先に結論
名刺交換した相手のサイトを1社ずつ診断してきて、累計37社になりました。そのうち2社は、順位が低いのではなく、検索結果の一覧にそもそも入っていない状態でした。原因はどちらも、サイトを作っている途中の設定が本番に残っていたことです。中身の良し悪しではなく、1行の設定の話です。そして2社とも、それを何年も知らないままでした。知りようがなかったからです。誰も、確かめに行っていませんでした。
「検索に出ていない」とは、どういう状態のことですか
会社名で検索しても、自社のサイトが結果に出てこない状態です。順位が下のほうにある、のではありません。一覧に入っていません。
ホームページは、人間が見る「画面」と、機械が読む「設計図」の二重構造でできています。設計図の側には、検索エンジンへの指示を書く場所があります。そこに「このページは検索結果に載せないでください」と書くことができます。
この指示は、悪いものではありません。制作の途中、まだ人に見られたくない時期のサイトに使います。公開の日に外す。それだけの、ごく普通の手順です。
外し忘れると、サイトは完成しているのに、検索する人からは存在しないことになります。
なぜ、そんな設定が残ってしまうのですか
外す作業に、目に見える変化がないからです。
画面はまったく変わりません。開けばきちんと表示され、写真も文章もそこにあります。作った人にも、頼んだ人にも、直後には何も起きません。異常が現れるのは数週間後、しかも「検索結果に出ない」という起きなかった出来事としてです。
起きなかったことには、気づけません。問い合わせが来なかった日が続いても、それが「今日はたまたま」なのか「原理的に来ない」のかは、区別がつかない。
だから残ります。手を抜いたわけでも、知識がないわけでもなく、確かめる係が誰もいなかった、というだけのことです。
2社は、それぞれどういう状態でしたか
1社は断定できました。もう1社は、断定を避けました。
断定できた1社は、設計図の中に「検索結果に載せない」「リンクをたどらない」という指定が、そのまま残っていました。これはHTMLを開けば誰でも読める、動かしようのない事実です。1行を消せば直ります。作業としては数分です。
このサイトは他にも、ページの主題を宣言する見出しがなく、問い合わせの入口がサイト内に1つもありませんでした。丁寧に書かれた経歴のページはあるのに、読んだ人が連絡する手段がない。入口を閉じたまま、看板だけを出していた状態です。
断定を避けた1社は、私の環境の検索では、そのサイトが1件も出てきませんでした。ドメインを指定して検索しても、トップページの見出しをそのまま貼っても、結果はゼロです。
ただし私は、これを「検索に載っていない」とは書きませんでした。私が使った検索は日本国内向けの結果ではなかった可能性があり、そこから断定するのは飛躍だからです。診断書には「私の環境では0件でした。Search Console(グーグルが無料で出している、自分のサイトの検索状況を見る道具)でご確認ください」と書きました。
このサイトには別の事情もありました。独自ドメインで公開されているのに、設計図の中でサイト自身が名乗っている住所が、制作に使ったサービスの開発用URLのままだったのです。検索エンジンに「このページの正式な住所はこちらです」と伝える欄が、開発用のほうを指したままでした。サイト全体の地図にあたるファイルにも、独自ドメインは1件も載っていませんでした。
自分のドメインが、自分のサイトのどこにも書かれていない。これも、公開の日に更新されなかった設定です。
自分のサイトが検索に出ているか、どう確かめればいいですか
10秒で終わります。ツールは要りません。
- 検索窓に `site:` と打ちます(半角のコロンまで)
- 続けて、自分のサイトのアドレスを打ちます。例:`site:example.co.jp`
- 検索します
自分のサイトのページが一覧で出れば、載っています。0件なら、載っていません。
もう1つ、設定そのものを見る方法もあります。パソコンでトップページを開き、`Ctrl+U`(Macは`⌘+option+U`)でソースを表示し、`Ctrl+F` で `noindex` を検索します。1件でも見つかれば、そのページは「載せないでください」と言っています。
どちらも、専門知識は要りません。見るだけです。
0件だったら、何をすればいいですか
制作した会社に、そのまま伝えてください。
「`site:`で検索したら0件でした」「ソースに`noindex`がありました」。この2つを伝えれば、話は通じます。原因の特定も修正も、こちらの仕事です。責める必要はありません。悪意のある話ではなく、外し忘れだからです。
そのうえで、Search Consoleに自分のサイトを登録しておくことをおすすめします。無料です。ここに登録しておくと、検索エンジンから見た自分のサイトの状態が、その都度分かります。今回の2社のようなことが起きても、次は自分で気づけます。
なぜ、これが何年も気づかれないのでしょうか
「作って終わり」だからではなく、測る係が決まっていなかったからだと思います。
私自身がそうでした。以前、納品したお客様から、世間話のついでのような軽さで、こう言われたことがあります。
「そういえば問い合わせ、あんまり変わらないんだよね」
責められたわけではありません。だからこたえました。納品の日には「きれいですね」と言われていて、制作者としてはそれで十分だったのです。増えたのか減ったのか、私は自分から数字を見に行っていませんでした。誰も測っていなかった。私も含めて。
私はもともと、書いたものの反応を数字で確かめる仕事をしていました。その規律を、制作の現場に持ち込まずに置いてきていたのです。知らなかったのではありません。持っていたものを、置いてきた。ウェブ解析を学び直したのは、新しい技術を足したかったからではなく、それを元の場所に戻すためでした。
だから今の私は、断定と検証を分けます。HTMLに書いてあることは断定します。検索結果から推測できることは、断定せずにデータを見に行くようお願いします。今回の2社の書き分けは、そういう理由です。
そして、今回の2社について、私はこう思っています。サイトの中身は、悪くありませんでした。一人で仕事をされている方が、自分の言葉で、丁寧に書いていました。読めば、腕のある人だと分かります。
ただ、その文章が、読まれる場所に置かれていなかった。
伝わっていないのは、仕事の中身の問題ではありません。伝わる「形」になっていないだけです。この2つは、まったく別の話です。
もし `site:` で検索して0件だったら、あるいは何が出たのかよく分からなかったら、30分だけ一緒に見ませんか。画面を共有して、その場で確かめます。売り込みはしません。
▶ 30分無料相談 https://shinichi-miyazaki.website/30min-free/
よくある質問
いいえ。公開してから日が浅いサイトは、まだ登録が終わっていないだけということもあります。また、`site:`検索の結果はグーグルも「正確な件数を示すものではない」としています。0件は「調べたほうがいい合図」であって、それ自体が結論ではありません。次にソースの`noindex`を見て、それでも分からなければSearch Consoleを見る、という順番です。
私は「何日で出ます」と言える実測データを持っていません。検索エンジンが再訪する頻度はサイトによって違います。Search Consoleから再登録をリクエストすることはできます。期間を約束する話は、根拠がないので書きません。
確認そのものは制作側の仕事だと思っています。ただ、`site:`検索は10秒で、費用もかかりません。年に一度でも自分で見ておくと、「起きなかったこと」に気づける唯一の機会になります。疑うためではなく、気づくためです。
サイトを実際にブラウザで開き、3つの軸で見ます。①3秒で何屋か伝わるか(伝わり度)②競合と違う「らしさ」が言葉になっているか(選ばれる理由)③迷わず行動できるか(次の一歩)。加えてHTMLの中身を確認し、最重要課題を1つだけ選びます。基準を公開しているので、同じ手順で追試できます。
社名は出しません。業種・地域・規模を揃えて書かないようにもしています。今後も実名の事例は書きません。読んで嫌な気持ちになる人を作らないことのほうが、事例の説得力より大事だと思っています。——### 本記事の対象(構造フォーカス2社)| | 断定できた1社 | 断定を避けた1社 ||—|—|—|| 台帳の該当行 | 2026-07-16 診断/`meta robots` に `noindex, nofollow` 残置 | 2026-07-18 診断/`site:` 0件・canonical と sitemap が開発用URL || 断定の可否 | **可**(HTMLに書かれた事実) | **不可**(検索結果はUS版の可能性があり断定回避→Search Consoleへ誘導) || 記事での扱い | 事実として記述 | 「私の環境では0件」と限定して記述 |
