先に結論
- 名刺交換した会社のサイトを41社、同じ3つの物差しで診てきました。
- 3軸のうち、いちばん成績が悪かったのは「伝わり度(3秒で何屋か分かるか)」で、41社中26社(63.4%)が△でした。
- 逆にいちばん良かったのは「次の一歩(問い合わせ導線)」で、41社中25社(61.0%)が○以上。「選ばれる理由」も21社(51.2%)が○以上でした。
- つまり41社の多くは、強みを持っていないのでも、受け皿を用意していないのでもありません。最初の3秒だけが抜けています。
私は宮崎真一といいます。東京・葛飾で一人、ウェブ制作とウェブ解析をしています。名刺交換した会社のサイトを一つずつ診て、台帳に1行ずつ記録しています。今回はその41社分を、初めて「3軸の比較」という角度で集計してみました。
そもそも、何を3つの物差しで測っているのですか?
診断で見ているのは次の3点です。どれも私の主観で点を付けているのではなく、あらかじめ基準を文章にしてから測っています。
- 伝わり度 — ファーストビューで「何屋で・誰の・何を解決するか」が3秒で伝わるか
- 選ばれる理由 — 競合と違う”らしさ”が言語化されているか
- 次の一歩 — 訪問者が迷わず行動できるCTA設計か
評価は◎○△の3段階です。41社の内訳は下のとおりでした。
| 物差し | △の数 | △の割合 | ○以上 |
|---|---|---|---|
| 伝わり度 | 26社 | 63.4% | 15社 |
| 選ばれる理由 | 20社 | 48.8% | 21社 |
| 次の一歩 | 16社 | 39.0% | 25社 |
伝わり度と次の一歩の差は、24.4ポイントあります。同じ41社を、同じ日に、同じ人が測ってこの開きが出ました。
なぜ「強みがない」のではなく「3秒が抜けている」と言えるのですか?
伝わり度が△だった26社のうち18社(69.2%)は、残りの2軸のどちらかで○以上を取っているからです。
もし「そもそも中身がない会社が多い」のなら、3軸はそろって低く出るはずです。実際には、3軸すべてが△だったのは41社中8社にとどまりました。残りの33社は、どこかしらは合格しています。
さらに細かく見ると、こうなります。
- 「選ばれる理由」が○以上だった21社のうち、12社(57.1%)は伝わり度が△でした。
強みを言葉にできている会社の、半分以上が、3秒で何屋か伝わらない。ここが今回いちばん驚いた数字です。素材は書けているのに、置く場所だけが違っています。
私が診断書に書く「最重要課題」も、ほとんどが「言葉を作りましょう」ではなく「もう持っているその一文を、上に出しましょう」になります。すでに書いてある文章を、下から上に移すだけ。それで直る会社が、41社の中に相当数あります。
伝わり度だけが悪いのは、たまたまではないのですか?
母数を増やしても割合が動いていないので、たまたまではなさそうです。
| 時点 | 伝わり度△の割合 |
|---|---|
| 10社 | 60.0% |
| 27社 | 59.3% |
| 32社 | 62.5% |
| 41社 | 63.4% |
診断する会社を4倍に増やしても、約6割という数字がほとんど動きませんでした。業種も41社で39種類に散っています。特定の業界の癖ではなく、もう少し広い何かが起きていると考えています。
ただし、これは私一人が私の基準で測った41社の話です。日本の中小企業全体がこうだ、とは言えません。ここは正直に書いておきます。
強みを言葉にできている会社でも、3秒で伝わらないのはなぜですか?
はっきりした原因は特定できていません。ただ、41社を診て共通していた”形”は説明できます。
その会社にとって一番自明なことほど、書き忘れられます。
自分が何屋かは、社内の人にとって毎日の前提です。わざわざ書くほどのことではない、と感じる。一方で、理念やこだわりは「わざわざ言わないと伝わらないこと」なので、ちゃんと書かれる。結果として、ファーストビューには理念が載り、業種は下の階層に沈みます。
これは怠慢ではなく、むしろ誠実さの副作用だと思っています。自分の仕事を安っぽい一行に要約したくない、という気持ちは、いい仕事をしている人ほど強く働きます。
私自身、制作者として長くそちら側にいました。納品の日に「きれいですね」と言われれば、それで十分だと思っていた時期があります。ある日、お客様から「そういえば問い合わせ、あんまり変わらないんだよね」と言われるまで、私は自分から数字を見に行っていませんでした。責める言葉ではなく、世間話のついでのような軽い一言でした。だからこたえました。
その一言を、もう言わせたくない。診断を41社続けているのは、そのためです。
では、明日は何をすればいいのですか?
新しい言葉を作る必要は、たぶんありません。すでにサイトのどこかに書いてあります。
順番としては、こうです。
- 自社サイトを、スマホで開いてスクロールせずに止める
- その画面に写っている文字だけを読む
- 「何屋で・誰の・何を解決するか」が分かるか、自分以外の人に聞く
3が肝心です。自分で見ると、書いていないことまで読めてしまいます。家族でも取引先でもいいので、その業界を知らない人に見てもらってください。
もし分からないと言われたら、次は下の階層を探してください。会社概要か、サービス紹介か、あるいは検索結果に出る説明文の中に、たいてい答えの一文があります。それを上に移す。今回の41社の多くは、その作業で直るはずのものでした。
よくある質問
業種を名乗ることと、安売りすることは別です。「何屋か」は入口の看板で、その先で”らしさ”を伝える面積はいくらでもあります。むしろ看板がないと、こだわりを読んでもらう機会そのものが発生しません。
あります。診断でも、デザイン会社などで演出が明らかに意図的な場合は、そこを批評の主役にはしていません。判断の分かれ目は「意図してそうしたか」「気づかず抜けたか」です。41社の多くは後者でした。
十分とは言えません。ただ、10社の時点と41社の時点で割合がほとんど変わっていないことは、材料として使えると考えています。数字が動いたら、そのときは動いたと書きます。
上の3ステップで見当はつきます。そのうえで、第三者の目で一度診てほしいということでしたら、30分の無料相談で一緒に画面を見ながらお話しします。売り込みはしません。まず事実を一つお見せするところまでで結構です。30分無料相談:https://shinichi-miyazaki.website/30min-free/——
