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「いいなぁ」と思った23社と、そうでない32社|55社を3軸で測って、1つだけ差が出なかった

いいなぁと思った23社とそうでない32社

名刺交換した相手のサイトを、同じ3つの基準で1社ずつ見ています。今週で累計55社になりました。

今回は、この55社を2つの群に分けて比べました。私が「いいなぁ」と本気で思って、売り込み抜きの手紙を書いて送った23社と、書かなかった32社です。3つの基準のうち2つは大きく差がつきました。ところが1つだけ、ほとんど差が出ませんでした。

先に結論(この記事の要点)

  • 「選ばれる理由が言語化されていない」割合は、32社の56.2%に対し、23社では8.7%。47.5ポイントの差がつきました。
  • 「最初の3秒で何屋か伝わらない」割合も、62.5%→47.8%と下がりました。
  • ところが「問い合わせまでの導線」だけは、37.5%→39.1%とほとんど動きませんでした
  • そして手紙を書いた23社のうち10社(43.5%)が、「強みは言葉になっているのに、最初の3秒では伝わっていない」状態でした。同じ状態は、書かなかった32社では7社(21.9%)です。

この55社は、何をどう測ったものか?

名刺交換した相手のサイトを、私が同じ3つの基準で1社ずつ見た記録です。今週は先週から14社増えて、累計55社になりました。

基準は毎回この3つで固定しています。

  • 伝わり度:ファーストビューで「何屋さんで・誰の・何を解決するか」が3秒で伝わるか
  • 選ばれる理由:競合と違う「らしさ」が言語化されているか
  • 次の一歩:訪問者が迷わず行動できるCTA設計か

それぞれ◎○△の3段階です。55社全体では、伝わり度△が31社(56.4%)、選ばれる理由△が20社(36.4%)、次の一歩△が21社(38.2%)でした。

ただ今回は、この全体の数字よりも先に見るべきものが出てきました。母数が50社を超えて、はじめて群に分けて見られるようになったからです。

「いいなぁ」と思った会社を、私は何で選んでいたのか?

私は診断とは別に、心から良いと思った会社にだけ、売り込みを一切入れない手紙を書いて送っています。改善提案も、採点も、相談の案内も入れません。ただ「あなたの会社のここが素晴らしいと思いました」とだけ書いた一通です。

55社のうち、その手紙を書いたのが23社。書かなかったのが32社です。この2群を、同じ3軸で並べるとこうなりました。

3軸(△の割合)手紙を書かなかった32社手紙を書いた23社
伝わり度62.5%(20社)47.8%(11社)−14.7pt
選ばれる理由56.2%(18社)8.7%(2社)−47.5pt
次の一歩37.5%(12社)39.1%(9社)+1.6pt
名刺交換先55社の簡易診断台帳(2026年8月13日時点)より集計

3軸すべてが△だったのは、32社では8社。23社ではゼロでした。

いちばん大きく動いたのは「選ばれる理由」です。47.5ポイント。私が「いいなぁ」と思っていたものの正体は、ほぼこれ一つでした。手紙を書きたくなる会社とは、自分たちが何者で、なぜこの仕事をしているのかを、自分の言葉で書けている会社だったということです。

これは自分でも意外でした。私は自分が「熱意」や「誠実さ」に反応していると思っていたのですが、数字にすると、私が反応していたのは言語化の有無でした。

なぜ「問い合わせ導線」だけ差が出なかったのか?

差は+1.6ポイント。誤差です。手紙を書きたくなるほど中身が良い会社でも、問い合わせのしやすさは変わりませんでした。

理由を考えると、当たり前かもしれません。「選ばれる理由」を書くのは、自分の仕事を語る作業です。誰でも、時間さえあれば向き合えます。一方で「次の一歩」は、読んだ人がどこで迷い、どこで手を止めるかを、自分ではない誰かの目線で設計する作業です。中身の良さとは、必要な能力がそもそも違います。

だからここは、事業への真剣さの問題ではありません。測っていないだけです。私自身、以前は納品して「きれいですね」と言われて終わりにしていました。数字を見に行っていませんでした。問い合わせ導線が弱いのは怠慢ではなく、確かめる習慣が業務の中に組み込まれていないだけです。

強みが言葉になっている会社ほど、最初の3秒で損をしているのか?

「選ばれる理由が○以上なのに、伝わり度は△」——この状態にあったのは、手紙を書いた23社のうち10社(43.5%)。書かなかった32社では7社(21.9%)でした。割合は倍近く違います。

つまり、良さがはっきりしている会社ほど、その良さが最初の3秒に乗っていない割合が高い、ということになります。

なぜそうなるのか。良さがはっきりしている人ほど、それを丁寧に書くからだと思います。理念のページに、創業のいきさつから順を追って。読めば分かります。深く、正確に伝わります。ただ、それはスクロールの先にあります。ファーストビューには「良い仕事をします」に近い、丸まった一行が置かれている。

派手な言葉で先に殴りたくない、という感覚は、たぶん誠実さです。ただ結果として、3秒で離脱した人には何も届いていません。足りないのは中身ではなく、置き場所です。

この数字は、どこまで信じていいのか?

ここは正直に書きます。23社は私が選んだ群なので、世の中の傾向としては使えません。使えるのは「同じ私が、同じ3基準で測った2群の差」だけです。それ以上のことは言えません。

そしてもう一つ、自分にとって都合の悪い可能性があります。私はサイトを読んで「いいなぁ」と思い、手紙を書いています。ということは、私が選んでいたのは「良い会社」ではなく、「良さが書けている会社」かもしれない。

もしそうなら、手紙を書かなかった32社の中にも、話せばすぐ良さが出てくる会社があったはずです。私がサイトからそれを掴めなかっただけです。実際、3軸すべて△だった8社が良くない会社だという証拠は、この台帳のどこにもありません。

これは、この記事でいちばん大事なところだと思っています。相手を測っているようで、測っているのは「サイトから何が読み取れたか」でしかない。サイトに書けていない良さは、私のような人間からも見えません。それは見込み客からも同じように見えていない、ということです。

自分のサイトで確かめるには、どこから見ればいいか?

3分でできる順に3つだけ挙げます。

  1. スマホでトップページを開いて、3秒で閉じる。そのとき目に入った一行だけで、何屋か言えますか。言えなければ、良さはスクロールの下に埋まっています。
  2. 「選ばれる理由」に当たる言葉が、どのページの何行目にあるか探す。探すのに30秒かかったなら、読者は見つけません。
  3. 問い合わせボタンまで、指を何回動かすか数える。3回以上なら、そこが今いちばん静かに損をしている場所です。

1と2で困っているなら、それは強みがないのではありません。置き場所の問題です。3で困っているなら、それは測っていないだけです。どちらも、直す前に「今どうなっているか」を確かめるところから始まります。

よくある質問

55社という数は、判断材料として十分ですか?

十分ではありません。特に群に分けたあとの23社・32社という数は、割合が1社で数ポイント動きます。ただ「選ばれる理由」の47.5ポイント差は1社では動かない大きさなので、方向としては見てよいと考えています。母数は毎週増やしているので、次の節目(100社)で同じ計算をやり直します。

3つの基準は、誰が見ても同じ結果になりますか?

なりません。◎○△をつけているのは私一人なので、判断のクセは入ります。だから基準を毎回同じ文言で公開しています。同じ基準でご自分のサイトを見ていただければ、私の判定が甘いか辛いかも分かります。

「選ばれる理由」を書けば、問い合わせは増えますか?

この記事のデータからは言えません。むしろこの記事が示したのは、選ばれる理由が書けていることと、問い合わせやすいことは別々に動くということです。両方を別々に見る必要があります。

手紙を書かれた会社と、そうでない会社に、優劣はありますか?

ありません。手紙は「サイトを読んで、その会社の良さを私が言葉にできたとき」に書いています。書けなかったのは私の読み取りの限界であって、相手の評価ではありません。

自分のサイトも同じ3軸で見てもらえますか?

はい。同じ基準で見て、いちばん効く一箇所だけをお伝えしています。30分の無料相談で対応しています。