2026年9月7日から9月13日までの1週間で、SEO・MEO・AIO・LLMOの4分野に起きた動きをまとめました。話題の大小ではなく「中小事業者の数字に関係するかどうか」で選び、私(宮崎)がデータドリブンの視点で解説します。
🔍 SEO(検索エンジン最適化)
8月のコアアップデートが9月7日に完了しました。8月22日に始まった広範なコアアップデートが、今週初めの9月7日に展開完了とアナウンスされました。約2週間半という長めの展開でしたので、この期間の順位変動は「施策の効果」ではなくアップデートの影響が混ざっている可能性が高い、という前提で数字を読む必要があります。
9月の新しいコアアップデートは、9月上旬時点で発表されていません。検索ステータスダッシュボードにも新しいランキング関連のインシデントは掲載されていません。つまり今週の変動は、8月コアアップデートの落ち着きを見る期間と考えられます。
プログラマティックSEO(大量自動生成ページ)への警告が改めて話題になりました。テンプレートで機械的に大量生成したページは、サイト全体に対するGoogleの評価そのものを下げうる、という趣旨の指摘です。「ページ数を増やせば流入が増える」という発想は、すでに逆に働く局面があります。
Googleの求人検索機能に不具合が出ている模様です。1週間ほど新しい求人が検索結果にほとんど表示されない状態が続いていると報告されています。採用ページを求人検索経由で見せている企業は、応募数の落ち込みを自社の問題と決めつける前に、この期間の状況を確認しておくと安心です。
ショッピング系では旧Content API for Shoppingが提供終了時期を迎えました。Merchant APIへ移行していない連携は、9月1日以降リクエストが失敗し始める可能性があります。ECをお持ちの方は、商品データ連携の方式を制作会社にご確認ください。
▶ 宮崎真一の視点
コアアップデート完了の報を見て、まずやっていただきたいのは「施策の見直し」ではなく「期間を分けて数字を見ること」です。私は8月22日〜9月7日を1つのかたまりとして扱い、その前後でSearch Consoleの表示回数・クリック数・平均掲載順位を比較します。この切り分けをせずに順位が下がった原因を探すと、たまたま同時期にやった改善を「悪手だった」と誤判定してしまいます。ウェブ解析士として繰り返し見てきた、もっとも多い読み間違いです。プログラマティックSEOの話も同じ根で、私がWordPress構築の段階から中身の薄い量産ページを標準仕様に入れないのは、そのほうが長期の数字が安定するからです。
📍 MEO(マップエンジン最適化)
ローカル検索結果のAI化が進んでいます。従来型のローカルパックに代わってAIが生成する案内が増え、これまで利用者が書き込んでいたQ&Aも、ビジネスプロフィール・自社サイト・公開情報からAIが答えを組み立てる形へ置き換わりつつあると報告されています。
口コミ(レビュー)の取り扱いが厳格化しています。ガイドラインに反するレビューへの対応が強まる一方、返信や感情分析を補助する管理機能も拡充されています。集める側の作法がより問われる方向です。
更新が止まっているプロフィールの表示回数が落ちる事例が報告されています。30日以上、投稿も写真も更新していないプロフィールで表示回数が大きく下がったという報告です。因果が確定した話ではありませんが、放置が有利に働く材料は見当たりません。
インサイト画面も刷新が進んでいます。ヒートマップやコンバージョン計測を含む分析が見られるようになり、「何件の電話があったか」だけでなく「どう見つけられたか」を追いやすくなりました。
▶ 宮崎真一の視点
AIがプロフィールと自社サイトから答えを組み立てるようになる、というのは、MEOがサイト側の記述品質と地続きになったという意味です。私(宮崎)が葛飾区で地域の事業者さんと話していて多いのは「営業時間も住所も入れてあるので、うちはもう埋まっています」という反応ですが、AIが拾うのはそこではなく、サービス内容・対応範囲・よくある質問といった文章の部分です。今週やれることは2つだけです。ビジネスプロフィールの主要カテゴリが、今いちばん売りたいサービスと一致しているかを確認すること。そして写真か投稿を1つ追加すること。どちらも無料で、10分で終わります。
🤖 AIO(AI Overview・AI最適化)
AI Overviewの表示範囲は、米国の検索クエリの約48〜50%に達したと報告されています。2025年1月時点では6.49%程度でしたので、15か月ほどで約8倍です。日本語圏でも同じ方向に進むと見るのが自然でしょう。
一方で、クリック率は回復傾向にあります。AI Overviewが出るクエリでの自然検索クリック率は、2025年9月に0.61%まで落ちた後、2026年2月には2.4%まで戻ったという分析が出ています。「AIに答えを取られて誰もクリックしない」という単純な話ではなくなってきました。
GoogleはAI OverviewをAI Mode寄りに近づける方向で調整を続けています。5月のI/Oで示された「AI前提の検索」の路線に沿った動きで、生成AI関連のレポート機能も対象地域が広がっています。
▶ 宮崎真一の視点
数字が回復したという話を、私は「元に戻った」とは読んでいません。0.61%から2.4%は回復ですが、AI Overviewが出ないクエリの水準とは比べものになりません。実務としては、自社の検索クエリのうちAI Overviewが出るものと出ないものを分けて考えるのが先です。指名検索や「地域名+サービス名」はAI Overviewが出にくく、クリックがそのまま残っている領域です。ここが強い会社は、AI化の影響をほとんど受けていません。逆に「〇〇とは」「〇〇の選び方」といった解説系で流入を稼いでいた場合は、影響が大きく出ます。GA4とSearch Consoleを開いて、自社の流入がどちらに寄っているかを確かめる。そこから先は会社ごとに違う話になります。
💡 LLMO(大規模言語モデル最適化)
呼び方の整理が進みました。LLMO・GEO(生成エンジン最適化)・AEOはほぼ同じ目的を指す言葉で、2026年時点では「GEO」が最も一般的な呼称になっているとされています。用語の違いに振り回される必要はありません。
ChatGPTの引用元が短期間で大きく入れ替わりました。OpenAIがChatGPT Searchの挙動を変え、特定ドメインを狙って検索する方式を強めた結果、8月8日〜14日の間にRedditの引用シェアが86%減って0.5%程度になったという報告が出ています。引用元の構成は、こちらの施策と関係なく短期間で変わりうるということです。
引用の集中度も高いままです。上位15ドメインで引用シェアの約68%を占めるという分析があり、OpenAIとライセンス契約のある媒体は、ない媒体より48%多く引用されている(平均10.2件対6.9件)という調査結果も出ています。
ただし、流入の質は高いようです。ChatGPT経由の訪問者のコンバージョン率は7.1%で、有料検索に次ぐ水準という報告があります。量は少なくても、確度の高い方が来ている可能性があります。
▶ 宮崎真一の視点
引用シェアが1週間で86%動く世界で、「AIに引用される施策」を追いかけ続けるのは、一人で事業をされている方には現実的ではありません。私が中小事業者にお伝えしているのは、AIが引用しやすい形(結論を先に書く、よくある質問を構造化データで持つ、書いた人が誰か分かるようにする)を一度作り込んで、あとは触らないという方針です。WordPress構築の段階でSchemaを標準仕様に入れているのはそのためで、プラットフォーム側が揺れても作り直しが発生しません。もう一点、ChatGPT経由のコンバージョン率7.1%という数字は、GA4で参照元を見れば自社でも確認できます。まだ月に数件でも、その数件が問い合わせに至っているなら、無視しないほうがいい規模になりつつあります。生成AIパスポートを取った立場から申し上げると、AIの中身を追うよりも、AIに渡す自社の情報を整えるほうが費用対効果は高いはずです。
ここまで4分野を並べましたが、御社に本当に関係するのは、たいていそのうち1つか2つです。どれが自社の数字に効くのかは、Search Consoleとビジネスプロフィールの実データを開いてみないと決まりません。判断の材料がほしいという方は、30分の無料診断でご一緒に画面を見ながら整理します。平日8時から16時、オンラインで完結します。
まとめ
今週はコアアップデートの完了、ローカル検索のAI化、そしてChatGPTの引用元の急変が並びました。どれも大きな話ですが、私(宮崎)がいつも申し上げているのは、最新トレンドを追う前に自社のデータを開くということです。表示回数がどう動いたか、どの検索語で見つけられているか、どこで離脱しているか。効く施策はそこから決まりますし、決まってからでないと、使ったお金が何を生んだのかを検証できません。作って終わりにせず、数字で確かめながら育てていく。その繰り返しが、いちばん確実な道だと考えています。
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