先に結論(この記事の要点)
- 名刺交換をした会社のサイトを93社診断しました。前週から9社増えています
- 2週間前の記事で、私は読者に「次の20社は、手紙を書かなかった側から意識して診ます」と書きました
- 今日数え直したら、その条件に当てはまるのは4社でした。20社のうち4社です
- 選び方を変えられなかったから、ではありません。2週間で13社しか診ていないことが先にありました
私は名刺交換した会社の、何を数えているのか?
サイトを1社ずつ開き、3つの軸で◎○△をつけ、台帳に1行ずつ書きためています。今日で93社ぶんです。
3つの軸はこうです。
- 伝わり度:最初の画面で「何屋さんで・誰の・何を解決するか」が3秒で伝わるか
- 選ばれる理由:他と違う「らしさ」が言葉になっているか
- 次の一歩:迷わず問い合わせられる設計になっているか
判定基準は私の診断手順に書いてあるので、同じ基準で誰でも数え直せます。この連載の値打ちは、私の意見ではなく追試できることにあると思っています。
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93社の内訳はこうなりました。
| 軸 | ◎ | ○ | △ |
|---|---|---|---|
| 伝わり度 | 9社(9.7%) | 39社(41.9%) | 45社(48.4%) |
| 選ばれる理由 | 10社(10.8%) | 56社(60.2%) | 27社(29.0%) |
| 次の一歩 | 1社(1.1%) | 59社(63.4%) | 33社(35.5%) |
台帳にはもう1列あります。「レーン」です。診断だけをした会社か、それとも私が「いいなぁ」と思って、売り込みも改善提案も入れない賛辞の手紙を書いた会社かを分けています。後者を「両方」と書いています。93社の内訳は、診断だけが43社、両方が50社です。
2週間前に、私は読者に何を約束したのか?
「次の20社は、意識して『診断だけ』のレーンから積みます。数字は悪くなるはずです」と書きました。
2週間前の記事で、私は自分の集計に偏りがあることを書きました。78社ぶんの数字が前半と後半で良くなっていたのですが、サイトが良くなったのではなく、私が診る相手のほうが変わっていました。後半は「いいなぁ」と思って手紙を書いた会社ばかりだったからです。
そこで、こう書いて記事を終えました。
だから直すのは、相手ではなく私の集め方です。次の20社は、意識して「診断だけ」のレーンから積みます。数字は悪くなるはずです。悪くなったほうが、この連載は正しく測れています。
読んだ方への約束です。今日はこれを数え直します。
2週間で、その20社のうち何社を診たのか?
4社です。
その記事を公開したのが9月3日でした。今日までの14日間に診断したのは13社です。レーンで分けるとこうなります。
| 診断だけ | 両方(手紙も書いた) | |
|---|---|---|
| 9月3日まで(80社) | 39社(48.8%) | 41社(51.2%) |
| 9月4日以降(13社) | 4社(30.8%) | 9社(69.2%) |
20社と書いて、4社です。それだけでなく、診断だけの割合は48.8%から30.8%に下がっています。約束したのと逆の向きに動きました。
先に断っておきます。2週間前の記事では母数を78社と書きましたが、今日は診断日で並べ直したので80社になります。台帳への追記順と診断日順が完全には一致していないためで、この連載は毎回この差を持っています。突き合わせる方は見込んでおいてください。
約束と逆に動いたのは、私が相手を選んでいるからか?
その説明は、数字の大きさに合っていません。
まず、13社のうち4社という数を疑います。もし今までと同じ48.8%の割合で診ていたなら、13社のうち6社が診断だけになるはずでした。実際は4社です。差は2社です。
2社の違いは、偶然でも出ます。 私が選び方を変えられなかったから逆になった、と言い切れる大きさではありません。ここから「私は無意識に相手を選んでいる」と結論するのは、数字の読み方として乱暴です。
では何が言えるのか。20社に届いていない、ということだけです。 そしてその理由は、選び方より前にありました。
私の運用方針には、診断は毎日3件・週20件と書いてあります。この通りなら14日間で40社になるはずでした。実際は13社です。3分の1です。
診断だけの会社を20社ぶん診るには、まず20社より多く診る必要があります。13社しか診ていないのに、そのうち20社が診断だけになることはありません。約束が守れなかった理由の一つ目は、選び方ではなく件数でした。
手紙を出す基準が緩んだのではないか?
緩んではいませんでした。むしろ逆に動いています。
もう一つの説明を試します。私が手紙を書く基準を甘くしたせいで「両方」が増えたのではないか、という見方です。基準が緩んだのなら、最近手紙を書いた会社は、以前より評価が低いはずです。
手紙を書いた50社を、9月3日を境に分けました。
| 手紙を書いた会社の「選ばれる理由」 | ◎ | △ |
|---|---|---|
| 9月3日まで(41社) | 3社(7.3%) | 4社(9.8%) |
| 9月4日以降(9社) | 5社(55.6%) | 2社(22.2%) |
◎の割合が上がっています。9社のうち5社です。基準が緩んだのなら、こうはなりません。
ただし9社です。1社動けば11ポイント揺れます。ここから「基準が厳しくなった」と主張することもできません。言えるのは、緩んだという説明では今回の動きを説明できない、それだけです。
それでも、否定しきれない可能性は何か?
9月に入って、私の◎の付け方そのものが変わっている可能性があります。台帳ではそれを確かめられません。
正直に書きます。上の表で「◎が増えた」と書きましたが、これは別の読み方もできます。月ごとに並べるとこうです。
| 診断月 | 社数 | 「選ばれる理由」が◎ |
|---|---|---|
| 7月 | 30社 | 1社(3.3%) |
| 8月 | 39社 | 3社(7.7%) |
| 9月 | 17社 | 6社(35.3%) |
累計10社の◎のうち、6社が9月に出ています。9月に診た会社が急に良くなったのか、それとも私が◎をつけやすくなったのか。台帳からは区別できません。
私は判定のたびに「サイトのどこを見てそう判断したか」を1文書き残しています。でも、基準そのものをいつ動かしたかは書いていません。 3週間前の自分と今日の自分が、同じ言葉に同じ記号をつけているかどうかを、私は確かめる手立てを持っていません。
だから、この章の結論はこうなります。「手紙の基準は緩んでいない」ではありません。「緩んだかどうかを、私は自分の記録では確かめられない」 です。責任は、測っている私の側にあります。
今日から台帳に、◎をつけた理由の記述を必ず残します。記号だけでは、あとから自分を点検できません。
御社が決めた「次にやること」は、いま何件残っているのか?
決めたことは記録に残ります。実行した数は、意識して数えないと残りません。
今回いちばん申し上げたいのはここです。私は2週間前に「20社」と書き、その20社を一度も数えないまま14日を過ごしました。数え直したのは、この記事を書くために台帳を開いた今日です。
数えなければ、守れていないことに気づかずに済みます。 私はその状態を、自分で作っていました。
私が診た93社の中にも、同じ形のものがありました。
- 「毎週更新します」と書いてある欄の、いちばん上の日付が2年前
- 「随時受付中」と書かれたページに、問い合わせ先が書かれていない
- 「近日公開」の3文字が、何年も同じ場所にある
どれも、決めたときは本当にそうするつもりだったはずです。決めたことが悪いのではありません。決めた数と、実際にやった数を並べる場所が、どこにも無かっただけです。
私の場合、その場所は台帳でした。台帳があったから、4社だと分かりました。分かったのが2週間後だったのは遅いですが、無ければ今日も分かっていません。
よくある質問
いいえ。名刺交換をした会社のサイトを、私が順に診断しています。無作為ではありません。2週間前の記事では、その偏りが途中で変化していたことを扱いました。母集団の性質を書き添えないまま「N社中M社が」と書くのは不誠実だと考えているので、以後も条件を明記します。
いいえ。売り込みも改善提案も入れない、賛辞だけの手紙です。返事を期待していませんし、そのあと営業もしていません。「いいなぁ」と思った会社に、何がいいと思ったかを言葉にして送るだけの取り組みです。この記事では、これを「私の好意」という主観の記録として集計に使っています。
少ないです。方針では週20件と決めています。この2週間は、既にご依頼をいただいている作業と、3か月前に診断した7社をもう一度見に行く作業に時間を使いました。どちらも必要な仕事ですが、週20件という数字を決めたのは私です。守れないなら、数のほうを直すか、やり方を直すかのどちらかになります。次の2週間で判断します。
決めた日と、数えた日を、同じ場所に書くことだと思います。私の場合は台帳のファイルが1つあるだけで、特別な道具は使っていません。大事なのは「決めた数」と「今の数」を並べて見られることです。片方しか無いと、守れたかどうかが分かりません。
台帳への追記順と診断日順が完全には一致していないため、過去の記事の値と1〜2社ほどずれる箇所があります。2週間前の記事は78社、今回は同じ時点を80社と数えています。突き合わせる方は、この差を見込んでください。今回の集計は、2026年9月17日時点の台帳を診断日順に並べ直して計算したものです。
まとめ:今日できる小さな一歩
今日の話は、サイトを直す話ではありません。御社が過去に決めたことを、いま数えてみる話です。
① 今年に入ってから、御社のサイトについて「次はこれをやろう」と決めたことを、1つ思い出せますか?
② その決めたことは、何件のうち何件が終わっていますか。数字で言えますか?
③ ②の数字は、いまこの場で答えられましたか。それとも、どこかを開いて調べる必要がありましたか?
①で何も出てこなかった場合も、決めていなかったという意味ではないと思います。決めた場所と、思い出す場所が別だっただけかもしれません。私も「20社」と書いた場所は記事の中で、実際の数がある場所は台帳でした。2つが離れていると、突き合わせること自体が別の仕事になります。
②で「数字では言えない」と答えた方は、私と同じ状態です。私は14日間、20社という数字を持ったまま、一度も今の数を見ていませんでした。決めた数は覚えているのに、今の数を知らない。これはよくあることだと思います。
③で「調べる必要があった」と答えた場合、それが今日いちばんの発見かもしれません。調べないと分からないなら、ふだんは調べていないということです。私の台帳も、記事を書くときにしか開いていませんでした。開く用事を、月に1度でも先に決めておくと違うのかもしれません。
御社が決めたことは、たぶん正しかったと思います。数えていなかっただけかもしれません。
