2026年9月20日から9月27日までの1週間に出たSEO・MEO・AIO・LLMOの動きを、宮崎がまとめました。今週はGoogleの9月スパムアップデートが動き出し、Googleビジネスプロフィールの仕様も静かに書き換わっています。私は「業界で話題になったか」ではなく「御社の数字に効くか」という基準で並べ替えて、事実と、明日からできることをセットでお届けします。
🔍 SEO(検索エンジン最適化)
1. 9月のスパムアップデートが展開開始(9月24日)
Googleが「September 2026 spam update」の展開を始めました。完了までおよそ2週間かかると告知されています。スパムアップデートは品質の低い手法や自動生成の量産ページを対象にしたもので、通常のコアアップデートとは性質が違います。
2. Google Discoverで「Dive deeper」のテスト(9月20日)
Discoverの記事から、サイトに移動する代わりにAIの要約を開く動線がテストされています。Discover経由の流入が多いメディアでは、表示回数は変わらずクリックだけが減る可能性があります。
3. Search Consoleのクロール統計にデータ欠落
クロールの統計情報で9月15日分のデータが抜けている報告が続いています。GoogleのレポートはGoogle側の不具合でも欠けます。数字が急に落ちたときは、まず「本当に起きたことか、集計の穴か」を切り分けてください。
4. 構造化データのドキュメント更新(9月24日)
VideoObject構造化データに creator プロパティが追加され、interactionStatistic で対応するインタラクション種別も明確化されました。動画を載せているサイトは、誰が作ったかをマークアップで示せるようになりました。
5. 検索プロフィールのバッジと、国ごとの機能差(9月16日・9月8日)
サイト運営者が自分の検索プロフィールへ誘導するためのバッジの案内と、aggregator unit・supplier unitなど「国によって出る機能が違う」ことを説明するドキュメントが公開されました。海外向けの記事で見え方が違うのは、仕様どおりということです。
▶ 宮崎真一の視点
スパムアップデートの展開中は、日単位の順位変動を見ても何も分かりません。約2週間かけて動くので、私はGoogle Search Consoleの「検索結果のパフォーマンス」を展開前28日 対 完了後28日で比較し、クエリ単位でどのページが伸びて何が落ちたかを見ます。順位ツールの上下ではなく、表示回数・クリック数・平均CTRの3つを並べて初めて判断できます。もう一つ今週の教訓は、Search Consoleのクロール統計やGBPインサイトのように、Google側の集計が欠けることが実際にあるという点です。私は数字が落ちたという相談を受けたとき、施策の話をする前に「その期間、計測は正常だったか」を必ず確認します。原因を取り違えると、効いていた施策を止めてしまいます。
📍 MEO(マップエンジン最適化)
1. ユーザーからの修正提案を拒否できるのは「4日間」(9月23日)
Googleがドキュメントを更新し、第三者が提案したビジネス情報の修正を、オーナーが拒否できる期間は4日間だと明記しました。放置すると提案が通ってしまう仕組みです。
2. スパムレビューの急増を検知すると通知が届く(9月22日)
短期間に不自然な口コミが集中した場合、プロフィールのオーナーに警告メールが送られるようになりました。
3. 「閉業」の選択肢が管理画面から見当たらない(9月22日)
Googleビジネスプロフィールの管理項目から「Permanently closed(完全に閉業)」が消えているという報告が出ています。
4. ローカルのナレッジパネルがAI Overview形式に(9月17日)
地域の店舗情報が、従来のナレッジパネルではなくAI Overviewの一覧として検索結果の上部に出る動きが確認されています。
5. インサイトのデータが9月分まるごと欠落(9月8日)
ビジネスプロフィールのインサイト(パフォーマンス)データが9月分で欠けている報告があります。API利用申請の処理遅延もあわせて告知されました。
▶ 宮崎真一の視点
この4日間というのが、現場では一番効く話です。私の拠点は東京都葛飾区で、地域のお客様のプロフィールもお預かりしていますが、営業時間や電話番号を勝手に書き換えられて、数か月気づかないという事故は実際に起きます。通知メールは見落とすものなので、週に1回、決めた曜日に自分のプロフィールを開く——それだけで4日の期限に間に合います。手帳に入れるだけの話で、費用はかかりません。インサイトが欠けている期間については、私はGA4の参照元「google / organic」と、電話・予約フォームの実件数で代わりに追います。プラットフォームの数字が止まっても、自分で持っている数字は止まりません。ここが、計測を人任せにしないことの価値だと思っています。
🤖 AIO(AI Overview・AI最適化)
1. AI Overviewsが米国デスクトップ検索の39%に表示(9月22日)
米国デスクトップでの表示率が39%に達したと報じられました。あわせて、AI Overviews内で引用される先としてYouTubeとRedditの比率が伸びています。
2. AI Overviews内のリンクが「AI Mode」へ向かうように
これまでウェブページに向いていたリンクの一部が、AI Modeの画面へ遷移する形に変わってきています。AI Overviews自体にAI Modeが押し出されてきている、という整理です。
3. AI生成画像のテストは開始直後に停止
AI Overviews内にAIが生成した画像を出すテストが行われ、短期間で取り下げられました。
4. 株価クエリではチャートの上にAI Overviews
株価を調べる検索で、株価チャートより上にAI Overviewsが出る配置が確認されています。AIの回答が最上部に来る領域が、少しずつ広がっています。
▶ 宮崎真一の視点
表示率が上がるということは、クリックされる前に読者の用が済む検索が増えるということです。ここで起きやすい誤解が一つあります。「順位は変わっていないのにアクセスが減った」を、順位下落と取り違えることです。Search Consoleで表示回数はほぼ横ばい、クリック数とCTRだけが下がっているなら、それは順位の問題ではなく、答えが検索結果の中で完結している問題です。打ち手が変わります。私が最初に見るのは、CTRが落ちたクエリの性質です。「〜とは」「〜の意味」のような、答えが一行で済む問いはAIに吸われます。逆に、価格の考え方・判断基準・事例のように、その事業者でなければ書けない内容は今も読者がページまで来ます。前者を量産していたなら、後者に配分を移す。これは順位を追いかけるより確実な手当てです。
💡 LLMO(大規模言語モデル最適化)
1. GEO(生成エンジン最適化)の解説が主要媒体で相次ぐ(9月24日)
Search Engine Landが「AIに言及されるためのGEO」の実践ガイドを公開しました。検索順位ではなく、AIの回答の中で名前を挙げられることを目標に置く考え方です。
2. 指標が「順位」から「引用・言及の頻度」へ
複数のAIサービスをまたいで、自社がどれくらいの頻度で登場するか(シェア・オブ・ボイス)を測る動きが広がっています。引用されること自体が、測れる資産として扱われ始めました。
3. 効くのは、キーワードの反復より「名称の一貫性」と「一次情報」
サイト・SNS・各種登録情報で社名や肩書の表記を揃えること(エンティティの明確化)、そして他社がコピーできない自社データ・実測値を出すことが、AIに正しく理解される条件として挙げられています。技術面では、AIのクローラーがそもそもアクセスできているかの確認が、初期の失敗ポイントとして繰り返し指摘されました。
4. 生成AIの公開ページがスパムに悪用される事例(9月22日)
Gemini Notebookの公開ページが、無関係な宣伝の配布に使われていたことが報じられました。あわせて「AIの出力を検証せずSEO作業に使うと壊れる箇所」をまとめた記事も出ています(9月25日)。
▶ 宮崎真一の視点
名称の表記を揃える、というのは地味ですが、今日、費用ゼロで着手できる数少ないLLMO施策です。私自身も屋号と個人名の表記ルールを決めて全媒体で統一しています。AIは表記がばらつくと同一人物・同一事業者だと判断しづらくなるからです。構造化データについては、私はWordPressを構築する段階からSchemaを標準仕様として入れており、あとから追加する工事にしないようにしています。もう一つ、今週の「AIの出力を検証せず使うと壊れる」という指摘には強く同意します。私は生成AIパスポートを取って業務にAIを使っていますが、AIが出した順位の理由やタイトル案を、Search Consoleの実データと突き合わせずに採用したことはありません。私は主張する人ではなく、検証する人でいたいと思っています。
ここまで4つの領域を並べましたが、御社に関係するのは、たいてい1つか2つです。どれが自社の数字に効くかは、Search Consoleとビジネスプロフィールを実際に開いて、表示回数・クリック数・電話や予約の件数を見るまで決まりません。ご自身の数字を一緒に見てみたい方は、30分の無料診断をご利用ください。平日8時から16時、オンラインで対応しています。売り込みはいたしません。
まとめ
今週のニュースは、Googleの都合で計測が欠けることもあれば、4日で情報を書き換えられてしまうこともある、という現実を示していました。だからこそ私は、最新トレンドを全部追いかけるのではなく、自社のデータを起点に、効く施策を選ぶことをおすすめしています。AI Overviewsの表示率が39%だという数字は、御社のCTRが下がったかどうかを教えてはくれません。それを教えてくれるのは、御社のSearch Consoleだけです。
作って終わりにせず、数字で確かめながら育てていく。私がそこにこだわるのは、かつて「そういえば問い合わせ、あんまり変わらないんだよね」と言われたことがあるからです。あの一言を、もう言わせたくないと思っています。
LLMO対策の詳細はこちら https://shinichi-miyazaki.website/llmo-taisaku-chusho-tokyo/
