先に結論(この記事の要点)
- 2026年6月19日に診断した7社を、3か月後の9月15日にもう一度見に行きました。サイトの何かが変わっていたのは5社、変わっていなかったのは2社です。
- 最初の診断で「次の一歩」(見た方が迷わず問い合わせに進めるか)が○だった3社のうち、伝えたとおりに直っていたのは2社でした。△だった4社に、伝えたとおり直っていた会社は1社もありません。
- ほぼ同じ課題を伝えた2社で、結果が分かれました。2社で違っていたのは「次の一歩」の○と△、1か所だけです。
なぜ、3か月前に伝えた相手をもう一度見に行ったのか?
この連載では、私が初めてそのサイトを見にいった日の評価だけを扱ってきました。伝えたあとに何が起きたかを、一度も見ていませんでした。
私は名刺交換をした会社のサイトを診断して、いちばん直すとよいと考えた点を1つだけ書いて送っています。124社ぶんの記録がありますが、入っているのは全部、初めて見にいった日の評価です。
これは、私が以前に一度やったことと同じ過ちだったかもしれません。ホームページを納品した日に「きれいですね」と言われて、それで十分だと思っていた時期があります。増えたのか減ったのかを、自分から見に行っていませんでした。あとになって「そういえば問い合わせ、あんまり変わらないんだよね」と言われて、初めて気づきました。
診断でも同じでした。送ったメールに「参考になりました」と返信が来た時点で、仕事が終わった気になっていたのです。
そこで9月に、台帳へ「再診断日」「再診断判定」の列を足しました。最初に見に行ったのは、私がいちばん最初に診断した日、2026年6月19日の7社です。この日に診断した7社の全部を見ていて、中から選んではいません。
7社は、3か月後にどうなっていたか?
伝えたとおり直っていた2社、一部が直っていた3社、画面上で違いが分からなかった2社でした。
判定は3段階にしました。達成=伝えた点が伝えたとおりに直っていた。一部=伝えた点のうち一部が直っていた。変わっていない=伝えた点について画面上で違いが分からなかった。
診断のやり方は6月から変えていません。スマートフォンとパソコンの両方で開き、最初の画面で「何をしている会社で、誰の、何を解決するか」が3秒で分かるか(伝わり度)、ほかとの違いが文章になっているか(選ばれる理由)、読んだ方が迷わず問い合わせできるか(次の一歩)を、その場で3段階につけています。9月15日の再確認も、同じ順番で同じ3点を見ました。
| 初回の3軸(伝わり度/選ばれる理由/次の一歩) | 伝えた課題の種類 | 3か月後 |
|---|---|---|
| ○/○/○ | 証拠が束ねられていない | 一部 |
| ○/○/○ | 証拠が束ねられていない | 達成 |
| △/○/△ | 一言で言えていない | 変わっていない |
| △/○/○ | 一言で言えていない | 達成 |
| △/△/△ | 一言で言えていない | 一部 |
| ○/○/△ | 導線 | 変わっていない |
| △/△/△ | 導線 | 一部 |
7社のうち5社で、何かが変わっていました。一度だけ送ったメールで、5社が3か月のあいだに改善してくれていたわけです。これは私が思っていたより多い数でした。
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もともと評価が良かった会社が直せた、ということではないのか?
「もともと良いサイトほど直る」なら、達成から変わっていないに向かって△が増えるはずですが、増えていません。いちばん△が多いのは真ん中の「一部」でした。
課題の種類でも分かれていません。証拠の課題を伝えた2社は達成1・一部1。一言の課題を伝えた3社は達成1・一部1・変わっていない1。導線の課題を伝えた2社は一部1・変わっていない1です。3種類とも、中で結果が分かれました。
つまり「初回の点数が良かったから直せた」でも「伝えた課題の種類で決まった」でもありませんでした。
ほぼ同じ課題を伝えた2社で、なぜ結果が分かれたのか?
2社は診断した日も、初回の評価も、伝えた課題もほぼ同じでした。違っていたのは「次の一歩」の○と△、1か所だけです。
7社のうち2社に、私はほとんど同じことを書いて送りました。「最初の画面に、一言で価値を示す」です。どちらも6月19日の診断で、伝わり度は2社とも△、選ばれる理由は2社とも○。片方は3か月後に直っていて、もう片方は画面上で違いが分かりませんでした。
「次の一歩」は、私が毎回見ている3つの点のうちの1つです。問い合わせ先が見つかるか、押す場所がひと目で分かるか、何をすればよいかが書いてあるか。この3つを、初めて訪れた方の立場で見て3段階につけています。
7社全部を次の一歩で分けると、こうなります。
| 初回の「次の一歩」 | 社数 | 達成 | 一部 | 変わっていない |
|---|---|---|---|---|
| ○ | 3社 | 2社 | 1社 | 0社 |
| △ | 4社 | 0社 | 2社 | 2社 |
この連載では、次の一歩をずっと「いちばん◎が出ない軸」として扱ってきました。124社を診て、この軸の◎は2社です。今回はその同じ軸が、3か月後に直っているかどうかで分かれる側に出てきました。
なぜそうなるのかは台帳に書いてありません。考えられることを1つだけ書きます。次の一歩が○の会社は、問い合わせの受け方を一度決めています。電話にするのか、フォームにするのか、どこに置くのか。一度決めた会社は、もう一度決め直せます。△の会社は、まだ一度も決めていません。だから「一言を置く」と伝えても、置く前に決める作業が残ります。これは私の推測で、7社の並びと食い違わないという以上のことは言えません。
私が伝えたから直った、と言えるのか?
もちろん言えません。5社に「なぜ直したのか」を聞いていないので、私が送ったメールが理由だったかどうかは確かめていません。
3か月あれば、ほかにもいろいろ起きます。ご自身で気づいて直したのかもしれません。別の方に頼んだのかもしれません。もともと作り直す予定が入っていたのかもしれません。私の台帳に入っているのは、診断した日と、送った日と、見に行った日と、画面がどう違っていたかだけです。「私が言ったから直った」を示すものは1つもありません。
ウェブ解析士として数字を扱う仕事をしているので、ここは書いておかないといけないところだと思っています。5社で画面が変わっていたことは事実です。私のメールがきっかけとなったと言い切ることはできません。
それでも否定しきれないことは何か?
2つあります。1つ目は、達成・一部・変わっていないを、どこで区切ったかです。区切り方は、私が画面を見てその場で決めました。事前に文章にした基準はありません。前回の記事では、3軸の◎の付け方が時期によって変わっていた可能性を書きました。同じことが、この3段階でも起きている可能性があります。7社は1日で見ているので月をまたぐ差はありませんが、1社目から7社目に進むうちに区切り方が動いたかどうかは、記録がないので分かりません。
2つ目は7社の選び方です。6月19日の7社にしたのは、3か月という間を置きたかったからで、ほかに理由はありません。ただ、この日は私が診断を始めた日でもあります。そのころの私の書き方は、いまと同じではありません。7社で分かれた並びが、いまの書き方でも同じように出るかは分かりません。
次に見に行くのは、7月に診断した会社です。そこで同じ並びが出るか、出ないかを書きます。出なければ、今回の並びは偶然だったということになります。
御社のサイトでは、何を確かめられるか?
新しく記録をつける必要はありません。3か月前に「直そう」と決めたことを1つ思い出して、いまのサイトで見るだけです。
直っていたら、御社は3か月で1つ進んでいます。直っていなかったとしても、怠けていたという話ではありません。止まった場所が、作業か、決めることかのどちらかにあります。この2つは必要なものが違います。作業が止まっているなら時間か頼む相手が要ります。決めることが止まっているなら、時間を増やしても動きません。決めるのは御社の中の方なので、決める日を1日つくるほうが早く進みます。
私の7社では、決めることが残っていた側のほうが、3か月後も同じ画面のままでした。そして、決めることが残る書き方をしていたのは私です。
よくある質問
3つです。伝わり度は、最初の画面で「何をしている会社で、誰の、何を解決するか」が3秒で分かるか。選ばれる理由は、ほかとの違いが文章になっているか。次の一歩は、読んだ方が迷わず問い合わせできるか。◎○△の3段階で、スマートフォンとパソコンの両方の画面を見てつけています。手順は公開しているので、同じサイトを同じ順番で見れば、どなたでも同じ数え方ができます。
私です。事前に文章にした基準はありません。本文に書いたとおり、これはこの記事の弱いところです。次の会社を見に行くときは、3段階の区切り方を先に文章にしてから始めます。
いいえ。3か月のあいだにサイトが変わらないことは、よくあることです。1通のメールのために、その月の予定を組み替える理由はありません。この2社に足りなかったものがあるという話ではなく、すぐ手を付けられる形で書けていなかったのが私のほうだった、という話です。
はい。無料でお送りしています。3軸の評価と、いちばん直すとよいと考えた点を1つ書いてお返しします。今回から、3か月後にもう一度見に行って、その結果もお伝えする運用にしました。
まとめ:今日できる小さな一歩
今日の話は、3か月というあいだを置いて同じ場所を見る、という一点だけです。御社の手元でも、新しく用意するものはありません。
① 3か月前に「ここを直そう」と決めたことを、1つ思い出せますか。
② そのページをいま開くと、直っていますか。
③ 直っていないとして、止まっているのは作業ですか、決めることですか。
①で思い出せなかった場合、決めた記録がどこにも残っていないのかもしれません。その場合、今日1行だけ書き留めておけば、3か月後に同じことを確かめられます。
②で直っていた場合、御社は3か月で1つ進んでいます。同じ進み方で、次の1つも動く可能性があります。
③で「決めること」と答えた場合、足りないのは時間ではないかもしれません。決める人は御社の中にいます。決める日を1日つくれば、そこから動くことがあります。
御社の仕事は、3か月前も本物でした。変わっていないのは仕事の中身ではなく、決めたことを確かめる日が、まだ誰の予定にも入っていなかっただけかもしれません。
