先に結論
私は80社のサイトを診断しました。そのうち31社で、一度書いた判断をあとから取り消しています。割合は38.8%です。取り消した理由は4つの型に分かれました。どれも、画面にそう見えたことが原因でした。同じ4つは、御社がご自分のサイトを見るときにも起きます。
そもそも私は、初めて見る会社のサイトを、どうやって確かめているのか?
私は1社ずつ、ブラウザで実際に開きます。上から下まで画面を送りながら見ます。
数も取ります。トップページが何画面分あるか。見出しがいくつあるか。画像が何枚あるか。電話番号が押せる形になっているか。ここまでは機械が数えてくれます。
ただ、数えた結果をそのまま診断書に書くと間違えます。私は実際に間違えかけました。31社です。
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80社のうち、判断を取り消したのは何社か?
31社です。80社の38.8%にあたります。
取り消した理由を並べると、4つの型に分かれました。延べ33件です。
①出ていないように見えて、実際は出ていた。13件でした。
②「無い」と書きかけたが、別の場所にありました。3件でした。
③取ってきた文章が、そのサイトのものではありませんでした。6件でした。
④見えた数や言葉を、そのまま問題として読んでいました。6件でした。
残る5件は、迷ったうえで最初の判断に戻したものです。
画面に出ていないように見えたとき、何が起きていたか?
13件です。いちばん多い型でした。
ある会社のトップページを開きました。運用実績の欄に数字が並んでいます。累計の募集金額が0円。償還率が0%。ファンドの本数も0件でした。私は「実績がまだ無い会社だ」と書きかけました。
そこで、その欄まで画面を送って5秒待ちました。数字が動き出しました。累計の募集金額は340億円でした。ファンドは52件公開されていました。画面を送ると0から増えていく作りだったのです。
似たことが12件ありました。文字が薄く出てから濃くなる作りがあります。画像が表示されるまで白いままの場所があります。画面が広いと余白に見える場所もあります。どれも、見る側の速さと順番で結果が変わります。
「無い」と書きかけて、実際はどこにあったか?
3件です。
ある会社のトップページに、電話番号がありませんでした。押せるリンクも0本でした。私は「電話でつながる手段が無い」と書きかけました。
ページの一番下まで文字を拾い直しました。番号が7件ありました。代表番号のほかに、用途別の番号も並んでいます。文字が小さく、位置が下だっただけでした。
別の会社では、逆のことが起きました。私は「この一文は、誰も開かない奥のページにある」と書きました。実際の画面で位置を測り直しました。その一文は、トップページの上から2番目の見出しの中にありました。奥ではなく手前にあったのです。
取ってきた文章は、そのサイトのものだったか?
6件です。
私は下書きの段階で、ページの文章を取り出す道具を使います。ある会社では、その道具が「カラダ・ココロ・オカネ」という言葉を返してきました。私はその言葉を引用して、手紙の初稿を書きました。
そのあと実際の画面を開いて、同じ言葉を探しました。1件もありませんでした。画面に出ていたのは、まったく別の言葉でした。道具が、似た名前の別のサイトの文章を混ぜて返していたのです。手紙は全部書き直しました。
文字化けもありました。ページごとに文字の並べ方が違い、道具の側が読み違えていたのです。画面では正常に表示されていました。私が推測でURLを作って開き、404が出たこともあります。サイト側のリンクは正しく張られていました。
見えた数や言葉は、そのまま問題と言えるか?
6件です。
ある会社で、画像111枚のうち107枚に説明文がついていませんでした。私は「説明文がついていない」と書きかけました。
中身を1枚ずつ確認しました。107枚のほとんどは矢印などの飾りでした。飾りの画像に説明文をつけないのは、正しい作り方です。この件は課題として書きませんでした。
別の会社では、本文に「電話」という語が1回だけ出ていました。番号があるように読めます。実際は、問い合わせフォームの入力欄の名前でした。番号そのものは、どこにもありませんでした。
この31社は、私の見方が雑だっただけではないか?
この数字で私の腕を測ることはできません。理由を3つ書いておきます。
1つ目は、記録の条件が揃っていないことです。私が実際の画面を開いて数値を書き残すようになったのは、途中からでした。その記録がある会社は42社です。この42社に限れば、判断を取り消したのは28社でした。3社に2社になります。記録が無い38社では、同じことが起きていても残っていません。
2つ目は、数えているのが私だという点です。取り消し忘れた分は、この31社に入りません。
3つ目は、4つの型に分けたのも私だという点です。分け方を変えれば件数も動きます。
ですから、この記事で言えるのは1つだけです。私は最初に見えたものを、そのまま書けませんでした。
御社がご自分のサイトを見るとき、同じことは起きるか?
起きます。ただし、原因が逆になります。
私が間違えたのは、その会社を知らないからでした。御社の場合は、知っていることが同じ働きをします。
御社の画面には、御社のサイトが何度も読み込まれています。だから速く出ます。文字が薄く出てから濃くなる作りでも、御社は次に何が出るかを知っています。電話番号がどこにあるかもご存じです。書いてある内容もご存じです。初めて来た人は、どれも知りません。
まとめ:今日できる小さな一歩
今日は、サイトを直す話ではありません。過去にご自分が変えた判断を思い出す話です。
① 御社のサイトについて、「ここが良くない」と言われたことはありますか。そのとき、ご自分の画面で確かめましたか?
② 確かめた結果、言われたとおりだったことと、違っていたことでは、どちらが多かったですか?
①で「確かめていない」と答えた方は、少なくないと思います。指摘された側が、その場で画面を開いて言い返すのは気の重い作業です。ただ、その指摘が当たっているかどうかは、御社の画面でしか決まりません。私は31社で、自分の書いた指摘を自分の画面で取り消しました。
②で「違っていたことのほうが多い」と答えた場合を考えます。その指摘は、御社の画面ではなく道具が返した文字を見て書かれたのかもしれません。私が6件やりかけたのが、まさにそれでした。取ってきた文章がそのサイトのものかどうかは、画面を開けば分かります。
御社の仕事の中身は、画面の見え方では変わりません。変わるのは、初めて来た人にどう映るかだけです。今日思い出していただいたのは、その映り方を確かめる順番の話です。
