先に結論(この記事の要点)
- リニューアルに効果が出るかどうかは、作り直す範囲の広さでは決まりません。どこを直すかで決まります。
- 私が診断した124社のうち、いちばん先に直すとよいと判断した点が「言い方そのもの」だった会社は7社でした。残る117社は、すでにある材料の置き場所か、問い合わせ先までの行き先のことでした。
- つまり多くの場合、必要な作業はページを作り直すことではなく、いまあるページの中で場所を変えることになります。
ホームページを作り直すと、問い合わせは増えるのか?
増える場合もありますが、作り直したこと自体が理由にはなりません。増えるのは、止まっていた場所が直ったときです。
リニューアルを考えるのは、たいてい「いまのサイトでは効果が出ていない」という実感からだと思います。そこで全部を新しくすると、止まっていた場所も一緒に直ることがあります。ただ、そのとき効いたのは新しくしたことではなく、止まっていた場所が結果として直ったことです。
逆に、止まっていた場所に手が入らないまま新しくなると、見た目は変わったのに問い合わせは変わりません。私自身、そういう納品をしていました。納品の日に「きれいですね」と言われて、それで十分だと思っていた時期があります。しばらく経ってから「そういえば問い合わせ、あんまり変わらないんだよね」と言われて、自分が数字を見に行っていなかったことに初めて気づきました。責められたわけではなく、世間話のついでのような軽い一言でした。
作り直すのと、直すのは何が違うのか?
作り直すのはページの作り方を変えることで、直すのは中身の置き場所を変えることです。費用も期間も、必要な判断も違います。
作り直しは、デザインとページの構成を新しくします。土台から変えるので、スマホで表示が崩れる、自分では更新できない、といった作り方そのものが原因の問題はここで解決します。
直すほうは、いまあるページの中で、どの文章をどこに置くかを変えます。文章はすでに書いてあるものを使います。新しく考えたり、撮影し直したりする作業は入りません。
どちらが必要かは、原因がどちら側にあるかで決まります。そしてこれは、見積もりを取る前に自分で見当をつけられます。いまのサイトのどこで止まっているかを自分で見る手順は、別の記事に3か所としてまとめてあります。
作り直しが必要だった会社は、どれくらいあったのか?
私が診断した124社のうち、いちばん先に直すとよいと判断した点が言い方そのものだった会社は7社でした。
私は無料の診断で、1社につき3つの点を見ています。最初の画面で何屋か伝わるか、ほかとの違いが文章になっているか、問い合わせまで進めるか。そのうえで、いちばん先に直すとよいと考えた点を1つだけ書いてお返ししています。
124社ぶんのその1つを、4つに分けて数えました。
| いちばん先に直すとよいと判断した点 | 社数 |
|---|---|
| 材料はあるのに1か所にまとまっていない | 52社 |
| 問い合わせ先までの行き先が整っていない | 48社 |
| その他 | 17社 |
| 一言で言えていない(言い方そのもの) | 7社 |
上の3つは、どれもいまあるページの中の作業です。ページの作り方を変える必要があるのは、4つ目の7社と、その他の中の一部です。
▶ こうした診断の数字を、毎週メールでお送りしています(無料)
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いちばん多かったのは、どんな状態だったのか?
材料はあるのに1か所にまとまっていない状態です。124社のうち52社で、これを最初に直すとよいと判断しました。
3つの点ごとに数え直すと、もう少しはっきりします。ほかとの違いが文章になっていなかったのは27社でした。124社の2割ほどです。残る97社では、すでに文章になっていました。
一方で、最初の画面で何屋か伝わらなかったのは58社、問い合わせ先までの行き先が整っていなかったのは56社でした。どちらも半数近くです。
書けているものは多いのに、読まれる場所と、そのあとの行き先で止まっている。これが124社でいちばん多かった形です。ここを直す作業は、ページを作り直さなくても始められます。
この数字には弱点があります。4つに分けて数えたのは、私が1社について1つだけ選んで書いた点です。1社に課題が3つあっても、台帳には1つしか残っていません。ですから「言い方そのものが7社」は、124社のうち7社しか言い方で困っていなかったという意味ではありません。私が「いちばん先に」と判断した中に7社しか入らなかった、という意味です。私の判断の順番が、そのまま数字になっています。
直したあとに、本当に何かが変わるのか?
6月に診断した7社を9月に見に行くと、5社で何かが変わっていました。残る2社は変わっていませんでした。
伝えたとおりに直っていたのが2社、一部が直っていたのが3社、変わっていなかったのが2社です。私が伝えたのは、どの会社にも1か所だけでした。全部を作り直してくださいとは書いていません。
ただし、この5社に理由は聞いていません。私のメールを読んで直したのか、別の事情で直したのかは確かめていませんし、作り直しをしたかどうかも聞いていません。言えるのは、1か所を伝えた先で、3か月のあいだに何かが動いた会社が5社あったということだけです。
それでも作り直したほうがよいのは、どんなときか?
作り方そのものが原因になっているときです。スマホで表示が崩れる、自分では文章を直せない、見た人の数を数える設定が入っていない、の3つが目安になります。
スマホで崩れる場合は、文章をどこに置き直しても読めません。順番として、先に土台を直すことになります。
自分では直せない場合も、作り直しを考える理由になります。置き場所を変える作業は、これから何度も出てきます。そのたびに外へ頼むことになると、直したいと思った日に直せません。
数える設定が入っていない場合は、直しても効果を確かめられません。あとから入れることもできますが、作り直すときに一緒に入れるのが、いちばん手間がかかりません。
見積もりを読むとき、どこを先に見ればよいか?
ページ数ではなく、どこを直すと何が変わると書いてあるかを先に見てください。
見積もりには、たいていページ数と作業項目が並びます。ページ数は費用の根拠にはなりますが、効果の根拠にはなりません。同じ10ページでも、止まっている場所に手が入るかどうかで結果は変わります。
見るのは、「いまのサイトで止まっているのはここで、そこを直すとこうなると考えています」という一文が入っているかどうかです。入っていなければ、そのまま聞いてよい質問です。答えが返ってくれば、その会社は御社のサイトを読んだうえで見積もりを書いています。
この質問は、御社が直したい点を1つ決めてからのほうが答え合わせがしやすくなります。決めずに聞くと、返ってきた説明が正しいのかどうかを判断する手がかりがありません。
よくある質問
早くはありません。ただ、取る前に直したい点を1つ決めておくと、見積もりの比べ方が変わります。金額の大小ではなく、その1点について何が書いてあるかで比べられます。
置き場所を変える作業では、ほとんど起きません。使う文章も色も、いまサイトにあるものをそのまま動かすからです。変わるのは、どの文章が上に来るかという順番だけです。
サイトを見た人の数と、問い合わせの数を、作り直す前の同じ長さの期間と比べてください。どちらかが分からない場合は、まだ比べられる状態ではありません。数える設定を入れるのが先になります。
はい。無料でお送りしています。最初の画面で何屋か伝わるか、ほかとの違いが文章になっているか、問い合わせまで進めるかの3点を見て、いちばん直すとよいと考えた点を1つ書いてお返しします。3か月後にもう一度見に行って、その結果もお伝えします。私は作って納めるところまでではなく、御社のウェブのかかりつけとして続けて診るほうを仕事にしています。
まとめ:今日できる小さな一歩
今日は見積もりを取る作業はありません。直したいことを1つ決めるところで終わります。
① リニューアルで直したいことを、1つだけ挙げるとしたら何でしょうか。
② その1つは、いまのサイトのどこかに書いてありますか。それとも、まだ書いていないでしょうか。
③ 書いてあった場合、それはスマホのトップページで、スクロールする前に読めますか。
①で1つに絞れた場合、見積もりを比べる軸ができています。金額の前に、その1点について何が書いてあるかを読めます。
②で書いてあった場合、必要な作業は作り直しではなく置き直しかもしれません。私が見た124社では、この形が52社でいちばん多い形でした。
③で読めなかった場合、直すのはその一文の場所です。文章を新しく考える作業は、今日のところはありません。
御社の仕事が本物であることは、サイトを作り直しても作り直さなくても変わりません。変えられるのは、それがどこに置かれているかだけかもしれません。
