今週(2026年8月24日〜8月30日)のWordPressに関する最新情報を、葛飾区の宮崎真一(私)が「実務でどう活かすか」の視点を添えてお届けします。
今週は、多くのサイトで使われているプラグイン(サイトに機能を足す部品のこと)とテーマ(サイトの見た目を決める部品のこと)で、深刻な不具合の報告がまとめて公表されました。むずかしい話は抜きにして、「自分のサイトが該当するのかどうか」を管理画面で確かめる手順まで、順にご案内します。
📢 WordPress公式ニュース
1. WordPressがAIに関する公開書簡に署名(8月27日)
WordPressが、米国の政策担当者に向けた「オープンウェイトAI」を支持する公開書簡に署名しました。オープンウェイトAI=誰でもダウンロードして中身を確認し、自分の手元で動かせるAIのことです。270社以上が名を連ねています。皆さんのサイトに今すぐ影響が出る話ではありませんが、WordPressがAIとどう付き合っていくのかの方向性が見える動きです。(出典:WordPress.org)
2. WordCamp US 2026 の開催レポートが公開(8月20日)
米国フェニックスで開かれた年次イベントの報告記事です。今年の話題の中心も、やはりAIと、それを作り支える人たちのコミュニティでした。(出典:WordPress.org)
3. 最新版はWordPress 7.1「Mary Lou」(8月19日公開)
ここは誤解の多いところなのですが、7.1のような大きな更新は、初期設定のままでは自動的には入りません。自動で入るのは、不具合修正だけの小さな更新(7.0.4など)です。つまり「気づいたら7.1になっていた」ということは、基本的に起きません。ご自身で更新ボタンを押すまで、サイトは7.0系のままです。(出典:WordPress.org)
▶ 宮崎真一の視点
月曜の朝、管理画面の左メニュー「ダッシュボード」→「更新」を開いて、WordPress本体のバージョン番号を見てください。7.1になっていなければ、まだ大きな更新は当たっていない状態です。ここで慌てて更新する必要はありません。おすすめは、制作会社や保守を頼んでいる方に「7.1に上げる前に、うちのプラグインがちゃんと動くか確認をお願いできますか」と一言送ること。順番を守るだけで、更新でサイトが崩れる事故はほとんど防げます。
🔌 プラグイン・テーマ情報
1. 公式プラグイン審査の実情(8月24日の週次報告)
WordPress公式の審査チームが公開している数字です。1週間で827件の掲載申請があり、632件が承認、292件が却下、そして5,127件がまだ審査待ちの列に並んでいます。公式ディレクトリに掲載されるプラグインは、人の目による審査を通っているということです。裏を返せば、公式ディレクトリ以外の場所で配られているプラグインは、この審査を経ていません。導入先を選ぶときの判断材料になります。(出典:Make WordPress)
2. Yoast SEO 28.3(8月18日公開)
SEO用のプラグインとして定番のYoast SEOが、schemamap.xml というファイルをサイトの直下に出力するようになりました。スキーマ=「このページは何について書かれたページか」を、検索エンジンやAIが機械的に読み取れる形で伝えるための情報のことです。AI検索に自分のサイトを正しく理解してもらううえでの土台になる部分です。
3. Yoast SEO が Elementor V4 の新しい編集画面に対応
Elementor(エレメンター)=マウス操作でページの見た目を組み立てられるプラグインです。V4で編集画面の仕組みが変わったため、この2つを組み合わせて使っている場合は、両方を最新にしておくと表示崩れを避けられます。
▶ 宮崎真一の視点
ウェブ解析士としてクライアントのサイトを毎月見ていて、表示速度の足を引っ張っている犯人はたいてい同じです。「昔入れて、今は使っていないプラグイン」。今週やっていただきたいのは1つだけ。管理画面の「プラグイン」一覧を開いて、「停止中」のまま何ヶ月も置かれているものがないか見てください。停止中でもファイルはサーバーに残り続けます。要るか要らないか判断がつかなければ、その一覧の画面を写真に撮って制作会社に送り、「これ、全部必要ですか」と聞いてみてください。それだけで十分伝わります。
🔒 セキュリティ情報
8月29日、セキュリティ会社のWordfenceとPatchstackから、プラグイン・テーマあわせて5件の重大な不具合が公表されました。いずれも修正版がすでに公開されていますので、お使いの場合は更新すれば対応は完了します。CVE番号=世界共通で不具合に付けられる整理番号のことです。
- TranslatePress(多言語化・約40万サイトで利用/CVE-2026-19632):3.3.1以前。ある条件下で、管理者のパスワード再設定用リンクがサイトの訪問者から読み取れてしまう=管理者アカウントを乗っ取られうる不具合です。3.3.2で修正済み。
- Pods(約10万サイトで利用/CVE-2026-19598):3.3.9以前。ログインしていない人が管理者と同じことをできてしまう不具合です。
- GiveWP(寄付フォーム/CVE-2026-82222):4.16.7.1以前。深刻度は10.0で、これは上限の数値です。サーバー上で外部から命令を実行されうる不具合です。
- Avada(テーマ/CVE-2026-18431):7.16以前。Fusion Builderプラグインの3.16以前と組み合わせている場合が対象で、サーバーにファイルを勝手に書き込まれうる不具合です。
- WPMU DEV Dashboard(CVE-2026-76581):5.0.1以前。特定の設定になっている場合に、ログインを回避して管理者権限を取られうる不具合です。
(出典:The Hacker News(Wordfence・Patchstackの公表内容をまとめたもの))
▶ 宮崎真一の視点
今週中に、管理画面の「プラグイン」一覧と、「外観」→「テーマ」の画面を開いてください。やることは、上の5つの名前が並んでいないか見比べるだけです。あれば「更新」ボタンを押す。なければ今回は対象外で、何もしなくて大丈夫です。私が「作って終わりにしない」と申し上げているのは、大げさな話ではなく、こういう確認を月に一度、誰かが漏れなく行う状態を作っておくという意味です。ご自身で時間が取れない場合は、制作会社や保守を頼んでいる先に「月次で更新作業をしてもらえますか」と確認してみてください。
宮崎真一からのご提案
今週のように「これは自分のサイトに関係あるのか、更新すべきなのか」という判断が必要な場面は、これから毎月やってきます。私はWordPressサイトの構築から、公開後のGoogleアナリティクスを使った解析、そして数字にもとづく改善のご提案までを、一人で通して担当しています。更新作業そのものだけでなく、「その結果、表示速度や問い合わせの数がどう変わったのか」まで一緒に数字で見ていく形です。オンラインで全国どこからでもご相談いただけます(平日8:00〜16:00)。詳しくは公式サイト https://shinichi-miyazaki.website/free-consultation/?cta=digest0830#booking をご覧ください。
まとめ
今週は、公式の大きな発表よりも、プラグインとテーマ側のセキュリティ情報が重い一週間でした。とはいえ、皆さんがやることは「管理画面のプラグイン一覧を開いて、名前を見比べて、あれば更新する」だけです。難しく考える必要はありません。
最新の動向は毎週たくさん流れてきますが、本当に大事なのは「それが自分のサイトの数字にどう効くのか」の一点だと私は考えています。その翻訳を、私が引き受けます。
