想定文字数:約2,600字
先に結論(TL;DR)
- 強みが言葉にできないのは、能力の問題ではなく「近すぎて見えない」だけです。
- 自分の頭の中だけで探すと堂々巡りになります。紙とペンを用意して、外に出すのがコツです。
- 「断ったこと」「聞かれること」「残った理由」──この3つの問いに答えるだけで、30分あれば自分の強みは輪郭が出てきます。
- 出てきた言葉は、感覚で終わらせず、あとから数字(問い合わせや反応)で確かめると、独りよがりになりません。
「うちの強みって、結局なんだろう」。
ホームページの文章を書こうとして、この一行で手が止まった経験はありませんか。同業の人ならスラスラ褒められるのに、いざ自分のこととなると、出てくるのは「丁寧です」「誠実です」ばかり。書いては消し、また書いては消し。気づけば30分、カーソルが点滅しているだけ──。
これは、あなたの実力が足りないからでも、語彙が乏しいからでもありません。強みというのは、自分にとっては「当たり前すぎて見えない」ものだからです。毎日やっていることほど、特別だと気づけない。近すぎるものにはピントが合わないのと同じです。
私は普段、腕はいいのに伝わっていない専門家の方々の「らしさ」を言葉にする仕事をしています。その現場で使っている、頭の中だけで悩まずに強みを引き出す手順を、今日は3つの問いに絞ってお渡しします。紙とペン、あるいは何でも書けるメモを用意して、読みながら一緒に手を動かしてみてください。
なぜ、自分の強みはこんなに言葉にできないの?
近すぎて見えないからです。強みは「他人にとっての驚き」であって、本人には日常だからこそ、自分では気づけません。
たとえば毎回の見積もりで、聞かれてもいないのに施工後の手入れの仕方まで説明してしまう。あなたにとっては当然の親切でも、お客様からすれば「そこまで教えてくれる人は初めて」かもしれません。ところが本人は、それが強みだとは夢にも思っていない。「普通のことをしているだけ」と感じているのです。
だから、頭の中だけでいくら探しても見つかりません。探す場所が間違っているのです。強みは自分の内側ではなく、「自分と相手の間に起きた出来事」の中に転がっています。その出来事を紙の上に引っぱり出す。これが言語化の正体です。
イナモト・レイさんの『ブランドシフト』という本に、これからは一発の名コピーではなく、繰り返し積み上がる「再現できる仕組み」で信頼が決まる、という話が出てきます。強みの言葉も同じで、ひらめきを待つのではなく、決まった問いに答えていけば誰でもたどり着けます。順番にいきましょう。
問い1:最近「これは受けない」と断った仕事は?
断った仕事の中に、あなたが大事にしている基準=強みの裏返しが隠れています。
人は、自分の価値観に反する仕事を無意識に断ります。「安いから、とにかく早く」と言われて気が進まなかった。見た目だけ整えて中身は二の次でいい、と言われて引き受けられなかった。その「引き受けたくなかった理由」を書き出してみてください。
「安さだけで判断されたくなかった」なら、あなたの強みは”価格ではなく質で勝負している”こと。「中身を雑にしたくなかった」なら、”見えないところまで手を抜かない”こと。断った理由の裏側には、あなたが守っている基準が必ずあります。それこそが、他の人がやらないあなたらしさです。
まずは3つ、思い出して書いてみましょう。きれいな言葉でなくて構いません。「なんかモヤっとしたから」でも十分、手がかりになります。
問い2:お客様から何度も聞かれる質問は?
繰り返し聞かれることは、お客様が「あなたに期待している価値」そのものです。
同じ質問を何度も受けるということは、そこに世の中の人が困っているポイントがあり、あなたがそれに答えられる人だと見られている、ということです。「どうしてこんなに長持ちするの?」とよく聞かれるなら、耐久性があなたの強み。「なんでそんなに詳しいの?」なら、知識の深さが売りになります。
ここで大事なのは、質問を「面倒なこと」ではなく「ヒント」として拾うことです。よく聞かれる質問を3つ書き出し、その隣に「自分なりの答え」を一言添えてみてください。その答えの言葉づかいが、実はあなたの強みを最も正直に語っています。飾らない、いつもお客様に話しているそのままの言葉が、いちばん伝わります。
問い3:離れていったお客様が、なぜ戻ってきたか?
一度離れた人が戻ってくる理由は、他では代わりが利かなかったから。そこにあなたの替えのきかなさがあります。
安いところ、近いところに一度は流れたお客様が、また戻ってきた。あるいは「やっぱりあなたにお願いしたい」と長く続いている。その理由を思い出してみてください。「対応が早かった」「無理を聞いてくれた」「話が分かる」──ここで出てくる言葉は、価格や立地では埋められなかった、あなただけの価値です。
戻ってきた人がいなければ、長く付き合ってくれているお客様が「なぜ続けてくれているか」でも構いません。可能なら、勇気を出して直接聞いてみてください。「なぜうちを選び続けてくれるんですか」と。返ってくる答えは、たいてい自分が思ってもみなかった言葉です。そしてその言葉こそ、ホームページのトップに置くべき、あなたの強みの核心です。
30分で出た言葉を、独りよがりにしないために
書き出した強みは「仮説」です。あとから反応の数字で確かめると、ひとりよがりを避けられます。
3つの問いに答えると、いくつかの言葉が手元に残ります。これで完成、ではありません。大事なのは、その言葉を実際にホームページやSNSに出してみて、お客様がどう反応するかを見ることです。反応が薄ければ、それは「自分では強みだと思っていたけれど、相手には響いていない」というサイン。逆に問い合わせが増えれば、その言葉が当たっていた証拠です。
私がいつもお伝えしているのは、「勘を、データで裏づける」という考え方です。あなたの感覚は、たいてい正しい。ただ、それを数字で確かめる習慣を持つと、言葉はどんどん磨かれていきます。公開して、反応を見て、直す。この小さな循環を回すほど、あなたの「らしさ」は伝わる形に育っていきます。作って終わりではなく、育てていく。それが遠回りに見えて、いちばんの近道です。
八汐シーリングさんという専門メーカーの事例では、技術はあるのに問い合わせが来ない状態から、強みを言葉にして見せ方を変えたことで反応が動きました。よければのぞいてみてください。 https://shinichi-miyazaki.website/yashio-sealing-wordpress-case-study/
よくある質問
「丁寧」「誠実」で止まったら、そこで「たとえば?」と一つ深掘りしてみてください。丁寧とは具体的に何をしていることか。その”具体的な行動”まで降りると、あなただけの言葉になります。抽象的な形容詞は、誰にでも言えるので強みになりません。
それが普通です。強みは自分では見えないものなので、誰かに聞いてもらいながら書くと一気に進みます。家族でもスタッフでも、あるいは第三者でも構いません。「話しているうちに気づいた」という形が、いちばん自然に出てきます。
まずはトップページの一番上、最初に目に入る場所です。お客様は最初の数秒で「自分に関係あるか」を判断します。そこにあなたの強みを一言で置けているかどうかで、その後の反応が変わります。
欲張らず、まずは一つに絞るのがおすすめです。あれもこれもと並べると、結局どれも印象に残りません。「これだけは誰にも負けない」という一つを主役にして、残りは脇で支える。この優先順位づけは、数字を見ながら決めていくと迷いません。—強みは、才能ではなく「見つけ方」の問題です。今日の3つの問いに答えるだけで、これまで言葉にできなかったものが、少し輪郭を持ってきたのではないでしょうか。もし、書き出してはみたものの「これで合っているのか自信がない」「ホームページのどこにどう置けばいいか分からない」と感じたら、30分の無料診断で一緒に整理できます。あなたのサイトを実際に見ながら、強みが伝わっているか、どこを直すと反応が変わりそうかを、数字も交えてお話しします。押し売りはしません。平日8〜16時、オンラインで対応しています。 https://shinichi-miyazaki.website/free-consultation/%E8%89%AF%E3%81%84%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%AB%E9%81%B8%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%81%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8F%E3%80%82%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%96%E8%A7%A3%E6%9E%90%E5%A3%AB%E3%81%AE%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E7%9C%9F%E4%B8%80%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82—
