【実例公開】サイトリニューアル後のSEO成果を徹底分析|コンバージョン改善への道のり

【実例公開】サイトリニューアル後のSEO成果を徹底分析|コンバージョン改善への道のり

執筆者:宮崎真一(SEO検定1級・ウェブ解析士)

戦略的ウェブ制作工房「エル・タジェール」代表。
デジタル庁デジタル推進委員
データ分析に基づくWordPress制作とウェブマーケティング支援を専門とし、これまで50社以上のホームページ制作・改善を手がける。「作って終わり」ではない、成果につながるサイト制作をモットーとしています。 詳しく見る

リニューアルの背景

東京・葛飾で帆布やトートバッグの製造販売を手がけるhide-aci工房様のウェブサイトリニューアル事例をご紹介します。

hide-aci工房様からご相談をいただいた際の最大の課題は、「以前のサイトでコンバージョンが下がってきている」というものでした。売上に直結するお問い合わせや注文が減少傾向にあり、このままでは事業の成長に影響が出る可能性がありました。

多くの中小企業や商店で同様の課題を抱えていらっしゃることから、今回はこの改善事例を詳しくご紹介することで、皆様のサイト運営のヒントにしていただければと思います。

なぜデータ分析が重要なのか

サイトの問題を解決するためには、まず現状を正確に把握することが不可欠です。「なんとなく調子が悪い」という感覚だけでは、適切な改善策を立てることはできません。

そこで最初に行ったのが、Google Search Console(GSC)とGoogle Analytics 4(GA4)の設置です。これらのツールは無料で利用でき、サイトの検索状況や訪問者の行動を詳細に分析できます。

リニューアル前のデータから見えた課題

検索での見つけられやすさに問題があった

Google Search Consoleのデータを分析した結果、以下のような状況が明らかになりました。

検索結果での表示状況

こちらのグラフのちょうど前半が以前のサイトのデータ、後半がリニューアルしたサイトのデータとなります。

検索結果に表示された回数:21万回
hide-aciのGSCデータ(表示回数)
実際にクリックされた回数:4,964回
hide-aciのGSCデータ(クリック回数)
平均掲載順位:32.4位
hide-aciのGSCデータ(平均掲載順位)

この数値から分かることは、検索結果には表示されているものの、ユーザーにクリックしてもらえていなかったいということです。

平均掲載順位を見てみると、一目瞭然です。
以前のサイトでは平均掲載順位が41位でしたが、リニューアルサイトでは19.8位まで上昇しています。

hide-aciのGSCデータ(2024年順位41位)
2024年5~8月の順位
hide-aciのGSCデータ(2025年順位9.8位)
2025年5~8月の順位

キーワード戦略の見直しが必要だった

既存のサイトでは、業界の専門用語や会社名での検索には対応していましたが、実際にお客様が困った時に検索するであろうキーワードへの対策が不十分でした。

例えば、「小ロット トートバッグ 製作」「オリジナルバッグ 東京」「帆布 OEM」といった、実際の需要に基づくキーワードでの上位表示ができていませんでした。

リニューアル戦略とその根拠

お客様の立場に立ったコンテンツ作り

リニューアルでは、「お客様が本当に知りたい情報」を中心にコンテンツを再構築しました。単に商品やサービスを紹介するだけでなく、お客様の課題解決に焦点を当てたアプローチを取りました。

具体的には、「小ロットでも対応可能」「国内生産の安心感」「豊富な生地の選択肢」といった、hide-aci工房様の強みを、お客様のメリットとして分かりやすく伝える構成に変更しました。

検索エンジンに評価されやすいサイト構造

技術的な面では、検索エンジンがサイトの内容を正しく理解できるよう、以下の改善を行いました。

サイトの読み込み速度を向上させ、スマートフォンでも快適に閲覧できるデザインに変更。また、各ページの役割を明確にし、関連するページ同士を適切にリンクで結ぶことで、サイト全体の価値を高めました。

見出しタグや画像の説明文なども、検索エンジンが内容を理解しやすいよう最適化しています。

リニューアル後の成果検証

検索での見つけられやすさが大幅改善

リニューアル後のGoogle Search Consoleデータを見ると、明らかな改善が確認できました。

特に注目すべきは掲載順位の改善です。グラフを見ると、時間の経過とともに順位が上昇していく傾向が見て取れます。これは、検索エンジンがサイトの価値を正しく評価し始めた証拠です。

クリック数についても、変動はあるものの安定した流入を維持できています。表示回数が安定していることから、検索結果での露出は継続的に確保できている状況です。

訪問者の質が向上

Google Analytics 4のデータと合わせて分析すると、単に訪問者数が増えただけでなく、より目的意識の高いユーザーがサイトを訪れるようになったことが分かりました。

ページ滞在時間の延長や、複数ページの閲覧率向上など、ユーザーエンゲージメントの改善も確認できています。これは、コンテンツがユーザーのニーズにより適合するようになった結果です。

製造業・工房系サイト特有の課題と対策

BtoB要素とBtoC要素の両立

hide-aci工房様のように、企業向けのOEM生産と個人向けのオーダーメイド製作の両方を手がける事業では、サイト設計に工夫が必要です。

企業の担当者が求める情報(生産能力、品質管理体制、納期など)と、個人のお客様が知りたい情報(価格、デザイン例、注文方法など)は大きく異なります。

今回のリニューアルでは、トップページで両方のニーズを満たせるよう導線を設計し、それぞれの詳細ページで具体的な情報を提供する構成にしました。

技術力と品質の効果的な訴求

製造業では技術力や品質の高さが重要な差別化要素になりますが、これらを数値や写真だけで伝えるのは困難です。

hide-aci工房様の場合、「東京・葛飾の自社工房」「60種類以上の生地」「小ロット対応」といった具体的な強みを、お客様のメリットと結び付けて表現しました。また、代表者の顔写真とメッセージを掲載することで、信頼感の向上も図っています。

今後の改善計画

継続的なデータ監視体制

ウェブサイトの改善は一度行えば終わりではありません。市場環境や競合状況の変化に応じて、継続的に調整していく必要があります。

月次でGoogle Search ConsoleとGoogle Analytics 4のデータを確認し、検索順位やアクセス数の変化を監視します。特に季節性のある業界では、時期による検索トレンドの変化も考慮した施策の実施が重要です。

コンテンツマーケティングの展開

今後は、お客様の課題解決に役立つコンテンツを定期的に追加していく予定です。例えば、「オリジナルバッグ製作で失敗しないための5つのポイント」「生地選びで重要な3つの要素」といった、実用的な情報を提供することで、検索エンジンでの評価向上とお客様との信頼関係構築を同時に進めます。

コンバージョンアップで売上に貢献

最終的な目標は、サイトへのアクセス増加ではなく、実際の売上向上です。そのため、以下の取り組みを継続的に実施していきます。

問い合わせフォームの改善や、お客様が行動を起こしやすい導線設計の見直しを定期的に行います。また、お客様の声や製作事例を積極的に掲載することで、初めて訪れる方にも安心感を提供し、問い合わせのハードルを下げる工夫を続けています。

まとめ:データに基づくサイト運営の重要性

今回のhide-aci工房様の事例から学べることは、感覚的な判断ではなく、データに基づいた改善の重要性です。

Google Search ConsoleやGoogle Analytics 4といった無料ツールを活用することで、現状の課題を正確に把握し、効果的な改善策を立てることができます。重要なのは、「測定→分析→改善」のサイクルを継続的に回すことです。

中小企業や商店の皆様も、まずは現状のデータを正確に把握することから始めてみてください。数値で現状を理解できれば、必ず改善の糸口が見つかります。

ウェブサイトは作って終わりではなく、お客様のニーズの変化に応じて継続的に改善していくものです。データドリブンなアプローチを取り入れることで、確実に成果につながるサイト運営が可能になります。

私たち戦略的ウェブ制作工房エル・タジェールは、このような実績に基づいて、皆様のビジネス成長をサポートしています。サイトの改善でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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