日々の仕事に追われる中で、「もっと創造的に、効果的に仕事ができないだろうか」と悩んだことはありませんか? 今回は、コピーライター兼クリエイティブディレクターでPoolのFounderである小西利行さんによる著書「すごい思考ツール」から学ぶ、仕事の壁を突破するための革新的なアイデアについてご紹介します。さらに、クリエイティブ集団POOLの理念と組み合わせて、これからの時代に必要な思考法と行動指針について考えてみます。
全部はご紹介できないので、印象的だった項目をピックアップしてみました。
1. 固定観念を打ち破る:デコンxヨコテン
小西さんが提唱する「10:デコンxヨコテン」は、創造的思考の基本となる強力なツールです。
- デコン:deconstructionの略で、アイデアを解体しエッセンスを抜き出すこと
- ヨコテン:横展開の略で、別ジャンルの仕事にそのエッセンスを使ってみること
このアプローチは、日々の業務の中で私たちが無意識のうちに作り上げている固定観念を打ち破るのに役立ちそうです。例えば、営業部門で成功したアプローチを解体し、そのエッセンスを抽出。それを製品開発や顧客サービスに応用することで、思いもよらなかった革新的なアイデアが生まれる可能性があるでしょう。
この手法は、POOLが掲げる「既存の答えにとらわれず、本質的な『問』から新しい未来を見つける努力」という理念とも深く結びついています。異なる分野の知見を組み合わせることで、新たな価値を創造することができるのですね。
2. 逆転の発想:行き詰まったら嫌われてみる
「16:行き詰まったら嫌われてみる」というアイデアは、一見奇妙に聞こえるかもしれません。しかし、この逆説的なアプローチには深い洞察が隠されています。
具体的には、相手の立場で「されたら嫌なこと」をわざと考えてみるのです。一般的に避けようとすることを意図的に考えることで、新たな視点が開けます。例えば、「顧客に最も嫌われるサービスとは?」と考えることで、逆に顧客が本当に求めているものが見えてくるかもしれません。
3. 本質を追求する:そもそも思考で課題化する
「19:そもそも思考で課題化する」というアプローチは、問題の根本原因に迫るための強力なツールです。「そもそもなぜ?」を何度も繰り返すことで、表面的な問題の奥に潜む本質的な課題を浮き彫りにすることができます。
このテクニックは、特に長年続いている業務プロセスや慣習に対して効果を発揮します。「そもそもなぜこの作業が必要なのか?」「なぜこの方法でやっているのか?」と問い続けることで、無駄な作業の排除や効率化のヒントが見つかるかもしれません。
POOLの理念にある「本質的な『問』から新しい未来を見つける努力」は、まさにこの「そもそも思考」と軌を一にしています。表面的な解決策ではなく、問題の本質に迫ることで、真に価値ある解決策を見出すことができるのです。
4. 共感を生む:君の話が面白くないのは、君の話をしないから
「32:君の話をしよう」というアイデアは、コミュニケーションの本質を捉えています。具体的には、「時はなし、地はなし、児はなし」という原則に基づいています。時ばなしとは今話題の話、地ばなしとは地元の話、児ばなしは子どもの話。これは、抽象的な話や一般論ではなく、具体的な個人の経験や物語を共有することの重要性を示しています。
サラリーマンの日常では、報告書やプレゼンテーションで事実やデータを並べがちです。しかし、そこに個人的な経験や具体的なエピソードを加えることで、聞き手の共感を得やすくなり、メッセージの印象も強くなります。
5. 未来志向のプレゼンテーション:プレゼンの必勝方程式「課題→未来→実現案」
「33:課題→未来→実現案」は、効果的なプレゼンテーションの構造を示唆しています。多くの場合、私たちは「現状の課題→解決策」という流れでプレゼンを構成しがちです。しかし、その間に「理想の未来像」を挿入することで、聴衆の興味を引き、実現案への期待を高めることができます。
この方法は、POOLの理念にも通じるものがあります。「先の見えない時代に必要なのは、ワクワクする未来の提示」というPOOLの考え方は、まさにこのプレゼン構造の本質を捉えています。
現状の課題を認識し、それが解決された理想の未来を具体的に描き、その実現のための提案を行うというこの構造は、聴衆の心に強く訴えかけ、行動を促す力を持っています。日々のプレゼンテーションや提案の中でこの構造を意識することで、より説得力のある主張ができるでしょう。
6. ストーリーの力:モノを売るではなく「モノがたり」を売る
「39:モノではなくモノがたりを売る」というアイデアは、現代のマーケティングでも重要視されている考え方です。製品やサービスの機能や特徴だけでなく、それにまつわるストーリーや背景を伝えることで、より深い共感や興味を引き出すことができます。
このアプローチは、外部向けのマーケティングだけでなく、社内のプロジェクトや提案にも適用できます。単なる数字や事実の羅列ではなく、そのプロジェクトが持つ意義やビジョンをストーリーとして伝えることで、周囲の協力や支持を得やすくなります。
POOLの「あらゆる領域でクライアントとともにワクワクする『解』を見つけ」るという姿勢は、このストーリーテリングの重要性を示唆しています。製品やサービスを超えた魅力的なストーリーを創造し、共有することで、クライアントや顧客との深い繋がりを築くことができるのです。
7. 共有したくなる情報:ストーリーの第2法則「知りたい→嬉しい→話しやすい」
「41:知りたい→嬉しい→話しやすい」は、情報の共有しやすさに関する重要な洞察です。職場でのコミュニケーションや情報共有を活性化させるには、この3つの要素を意識することが大切です。
- 知りたい:人々が本当に必要としている、または興味を持っている情報
- 嬉しい:その情報を知ることで得られる具体的なメリットや喜び
- 話しやすい:簡単に理解でき、他者に伝えやすい形式や内容
この考え方は、社内の情報共有や研修プログラムの設計に活用できます。単に情報を与えるだけでなく、その情報がどのように役立つのか、どのように他者に伝えられるのかまで考慮することで、組織全体の知識の流通が活性化します。
8. 信頼関係の構築:信頼されるには想像を超え続けろ
「53:信頼されるには想像を超え続けろ」というアドバイスは、長期的な関係構築の本質を捉えています。「これは良い!」という関係を築かないと、本音の仲にはなれません。つまり、相手の期待を常に上回る価値を提供し続けることが、強固な信頼関係を築く鍵となります。
この考え方は、顧客との関係だけでなく、同僚や上司との関係にも適用できます。常に期待以上の成果を出し、新しいアイデアや改善案を提示し続けることで、周囲からの信頼を獲得し、キャリアの可能性を広げることができます。
POOLの「圧倒的なクリエイティブ力で実現していきます」という姿勢は、まさにこの「想像を超え続ける」ことの重要性を示しています。クライアントや同僚の期待を常に上回る価値を提供し続けることで、深い信頼関係を築き、共に成長していくことができるのです。
まとめ:新しい時代を創造する
小西利行さんの「すごい思考ツール」から学んだこれらのアイデアは、POOLが掲げる理念とも深く共鳴します。「既存の答えにとらわれず、本質的な『問』から新しい未来を見つける努力」は、まさに私たちに求められる姿勢ではないでしょうか。
日々の業務の中で、これらの創造的思考ツールを意識的に活用することで、私たちは自分自身の仕事を変えていくことができる気がします。そして、その小さな変化の積み重ねが、やがて組織全体、さらには社会を変える大きな力となっていくのです。
POOLが言うように、「先の見えない時代に必要なのは、ワクワクする未来の提示」です。私たち一人一人が、自分の立場でワクワクする未来を描き、それを実現するための行動を起こすことで、新しい時代、新しい世界をつくっていくことができるのです。