横浜WordPressミートアップ登壇レポート:AI時代の検索は「回答提供」へ – ゼロクリック時代に備えるSEO戦略

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執筆者紹介

東京都葛飾区の戦略的ウェブ制作工房 エル・タジェール代表・宮崎です。

WordPressもくもく勉強会アドバイザーウェブ解析士SEO検定1級として、「作って終わり」ではなくデータに基づき成果を出すサイトを数多く作成しています。
御社のデジタル成長パートナーとして、売上向上・問い合わせ増加まで伴走。

ブログ記事では、タジェール爺さんがわかりやすく解説していますよ。

横浜開港記念館

2026年1月31日、横浜市開港記念会館にて開催された「横浜WordPress Meetup #38」に登壇させていただきました。歴史あるレンガ造りの建物に50名近い参加者が集まり、WordPressとWebの未来について熱いセッションが交わされた一日となりました。

今回は私を含めて3名の登壇があり、WordPressセキュリティ、最近のAI事情、そして私が担当した「WordPress × SEO:AI時代の検索は『回答提供』へ」というテーマで、それぞれ20分のライトニングトークを行いました。

この記事では、私がお話しした内容を中心に、AI時代のWordPress運営者が今知っておくべきSEO戦略についてまとめます。

開港記念会館という特別な空間で

横浜開港記念館会場風景

横浜市開港記念会館は、大正時代に建てられた重厚なレンガ造りの歴史的建造物です。横浜港を見下ろすこの建物で、最先端のAI検索とWordPress戦略について語るというのは、なんとも不思議で素敵な体験でした。伝統と革新が共存する横浜という街の特性が、そのままイベントの雰囲気に表れていたように感じます。

会場は満席に近い状態で、WordPress利用者やWeb制作に携わる方々の関心の高さを実感しました。セキュリティからAI、そしてSEOまで、WordPress運営に欠かせないテーマが一堂に会したプログラムは、参加者の皆さんにとって多角的な学びの場になったのではないでしょうか。

今回お伝えした3つの核心メッセージ

私のセッションでは、以下の3つを軸にお話ししました。

1. WordPress SEOの基本 – 技術・コンテンツ・構造の3つの柱

AI時代であっても、SEOの土台となるのは変わりません。むしろ基本がしっかりしていないと、どんな先進的な施策も効果を発揮しません。

技術的な設定

  • パーマリンク設定を「投稿名」に($$\text{例: domain.com/sample-post/}$$)
  • SSL化(https)の確認
  • インデックス設定のチェック(検索エンジンブロックが外れているか)
  • サイト表示速度の最適化

コンテンツの質

  • ユーザーの「知りたい」に答える記事
  • 独自の視点・経験・一次情報の盛り込み
  • 読みやすい構成(結論ファースト、適切な見出し階層)

サイトの構造

  • カテゴリー・タグの整理(未分類はNG)
  • パンくずリストの設置
  • XMLサイトマップのGoogle Search Console登録
  • モバイルフレンドリーなデザイン

特に初期設定は重要です。パーマリンクやインデックス設定を後から変更すると、SEO評価のリセットに繋がるリスクがあります。記事を書き始める前に、これらの設定を必ず確認してください。

2. AI検索時代の到来 – ゼロクリック問題とは何か

検索エンジンの役割が大きく変わりつつあります。従来の「10本の青いリンク」から情報を探す時代は終わり、検索結果ページ上でAIが直接「回答」を提示する時代へと移行しています。

ゼロクリック検索の実態
ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索結果ページ(SERP)上で必要な情報を得て満足し、Webサイトのリンクをクリックせずに検索を終えることを指します。

主な原因は以下の通りです。

  • Google SGE(Search Generative Experience)やAI Overviews – AIが回答を生成して表示
  • 強調スニペット – 検索結果の最上部に答えが表示される
  • ナレッジパネル – 企業情報や人物情報が右側に表示
  • マップパック – 店舗情報が地図付きで表示

一部の調査データでは、検索の約60%超がクリックなしで終了しているとも言われています。特に「横浜 天気」「1ドル 何円」といった即答系クエリでは、この傾向が顕著です。

たとえ検索順位が1位でも、これらのリッチリザルトやAI回答に押し下げられ、以前ほどのアクセス数が見込めないケースが増加しています。

では、SEOは終わったのか?いいえ、むしろその「役割」が変わっただけです。

これまでのSEOは「クリックを得る」ことが目標でした。しかしこれからは「信頼される情報源になる」ことが重要になります。つまり、AIに引用される存在を目指すという新しい戦略が必要なのです。

3. 第三者の評判づくりが鍵となる理由

AIが情報源を選ぶ際、何を基準にしているのでしょうか。重要な基準は3つあります。

基準1:第三者からの評判(Reputation)

  • 被リンク(他のWebサイトからのリンク)
  • SNSでのメンション(言及)
  • 口コミ・レビュー
  • メディア掲載

つまり「あなたのサイトについて、あなた以外の誰かが語っていること」が評価されます。

基準2:専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)

  • Expertise(専門性)- その分野の専門家か
  • Experience(経験)- 実体験に基づいているか
  • Authoritativeness(権威性)- 業界で認められているか
  • Trustworthiness(信頼性)- 情報が正確で信頼できるか

これはGoogleの品質評価ガイドラインに準拠した概念で、AI検索でも同様に重視されています。

基準3:情報の正確性と最新性(Accuracy & Freshness)

  • 情報が古くなっていないか
  • 事実に基づいた内容か
  • 定期的に更新されているか

AIは常に「最新の正しい答え」をユーザーに届けようとします。

なぜ第三者の評判が重要なのか

自分で「私は専門家です」と言うより、他人が「この人は専門家だ」と認める方が客観的な信頼性が高い、という社会的証明(Social Proof)の原理が働きます。
AIはWeb上の複数の情報源を照合(クロスチェック)し、一貫して評価されている情報を「正解」として採用します。そのため、第三者からの評判は決定的な要素となるのです。

WordPressでできる具体的アクション

理論だけでなく、今日から実践できることをお伝えしました。信頼構築には3つの柱があります。

柱1:Who – 「誰が」発信しているかを明確にする

プロフィールを充実させる

WordPress管理画面の「ユーザー」→「プロフィール」から、以下の情報を必ず入力してください。

  • 顔写真(Gravatarで設定)
  • 専門分野・肩書き
  • 保有資格・実績
  • 経験年数
  • SNSアカウント(X、Facebook、LinkedInなど)

記事に著者情報を表示する

Simple Author Boxなどのプラグインを使い、記事下に「この記事を書いた人」セクションを設置します。プロフィールに入力した内容が自動的に表示され、読者とAI双方に「誰が書いたか」を明示できます。

柱2:Proof – 第三者の声を可視化して証明する

お客様の声・事例ページを作る

固定ページやカスタム投稿タイプを活用し、以下のコンテンツを追加しましょう。

  • クライアントの成功事例
  • お客様の声(実名・写真付きが理想)
  • プロジェクトのビフォーアフター
  • 導入企業のロゴ一覧

これらは第三者目線の信頼コンテンツとして、最も強力な武器になります。

Googleビジネスプロフィールのレビュー収集

店舗やオフィスを持つ事業者は、Googleマップのレビューを積極的に集めましょう。サービス提供後にレビューをお願いする流れをルーティン化することが重要です。

柱3:Connect – SNS等で繋がり、引用の輪を広げる

SNSと連携する

  • 記事にシェアボタンを設置
  • 自分のSNSアカウントへの導線を確保
  • 記事公開時にSNSで告知
  • ハッシュタグを活用して拡散

コミュニティ活動に参加する

今回のような地域のWordPressミートアップやイベントに参加することも、第三者の評判づくりに繋がります。登壇や発表の機会があれば積極的に挑戦し、イベントレポート記事からの被リンクを獲得しましょう。

質の高いコンテンツを継続的に発信

週1回でも月1回でも構いません。「この人の情報は役立つ」という信頼を蓄積していくことが、長期的な評判構築に繋がります。

独自の調査データ、事例、経験談など、他者が「参考になる」と感じて引用したくなる情報を作ることを意識してください。

記事公開前の5つの指差し確認

セッションでは、記事を公開する前のチェックリストもお伝えしました。素晴らしい記事も、検索エンジンに正しく伝わらなければもったいないからです。

  1. タイトルタグ
    検索結果で最も重要な要素です。狙うキーワードを含め、クリックしたくなる文言にします。PC表示を考慮して32文字前後が推奨です。
  2. 見出し(H2, H3)
    内容を整理し、階層構造を正しく作ります。H2の中にH3が入るように階層を守りましょう。これは読者にも検索エンジンにも「何が書いてあるか」を伝える目次になります。
  3. メタディスクリプション
    記事の要約を120文字程度で設定します。検索結果のスニペット(説明文)として表示され、クリック率に影響します。
  4. 画像のalt属性(代替テキスト)
    画像ブロック設定の「代替テキスト」欄に、画像が何を表しているか具体的な説明を入力します。「画像あり」だけでなく「横浜開港記念会館の外観」のように具体的に書くのがコツです。AIはalt属性のテキスト情報も読み取ります。
  5. 内部リンク
    関連する自分の過去記事へリンクを貼ります。サイト内の回遊率を高め、情報のつながりを強化します。

SEOプラグイン(Yoast SEO、Rank Math、All in One SEO等)を入れている場合は、投稿画面下部の解析スコアも参考にしましょう。ただし、プラグインは必ず1つだけを選び、複数を同時に有効化しないように注意してください。

参加者の反応と質疑応答

セッション後、多くの方から「ゼロクリック問題は聞いたことがあったが、具体的にどう対応すればいいか分からなかった」「第三者の評判という視点は目から鱗だった」といった感想をいただきました。

特に印象的だったのは、「WordPressの管理画面でできることがこんなにあるとは思わなかった」という声です。SEO対策というと専門的な技術が必要だと思われがちですが、実はWordPressの標準機能とシンプルなプラグインで、信頼性を高める施策の多くが実現できます。

また、他の登壇者の方々のセッションとの相乗効果も感じました。セキュリティの重要性を学んだ後に、AI事情の全体像を理解し、そして具体的なSEO戦略を知るという流れは、参加者の皆さんにとって体系的な学びになったのではないかと思います。

AI時代でも変わらない本質

今回のセッションを通じてお伝えしたかったのは、「AI時代であっても、SEOの本質は変わらない」ということです。
技術は進化し、検索の形態は変化しますが、根底にあるのは常に「ユーザーに価値ある情報を届ける」「信頼される存在になる」という普遍的な原則です。
小手先のテクニックではなく、本質的な信頼構築に時間を投資すること。それがAI時代でも選ばれ続けるWebサイトを作る唯一の道だと、私は確信しています。

横浜WordPressコミュニティの素晴らしさ

今回参加して改めて感じたのは、地域のWordPressコミュニティの価値です。

同じ技術に興味を持つ仲間と直接顔を合わせ、知識を共有し、議論を交わす。このような交流こそが、まさに「第三者の評判づくり」の第一歩になります。

オンラインでの発信も重要ですが、リアルな場での繋がりは、信頼関係をより深く、より早く構築できます。登壇という形で知見を共有すれば、それがイベントレポート記事として拡散され、被リンクが生まれ、評判が育っていきます。

横浜WordPressミートアップは毎回活発な議論が交わされる素晴らしいコミュニティです。詳しくは横浜WordPress Meetupの公式サイトをご覧ください。

今日から始める3つのアクション

この記事を読んでくださったあなたに、今日からできる3つのアクションをお伝えします。

  1. WordPressのプロフィールを更新する
    顔写真、実績、資格を追記し、E-E-A-Tの第一歩を踏み出しましょう。5分でできる作業ですが、効果は長期的に続きます。
  2. 次の記事は「答え」を意識して書く
    キーワードを入れるだけでなく、読者の悩みに「回答」できているか確認してください。AIに引用されるには、明確な答えを提供する必要があります。
  3. SNS・コミュニティで発信する
    この記事の感想をハッシュタグ付きで投稿してみませんか?交流こそが評判づくりの近道です。

ハッシュタグ例:#横浜WordPress #WordPressSEO #AI時代のSEO #ゼロクリック対策

最後に

SEOは一夜にしてならず。でも、信頼を積み重ねればAI時代でも選ばれ続けます。

今回の横浜WordPressミートアップでの登壇は、私自身にとっても大きな学びの場となりました。50名近い参加者の皆さんの熱心な眼差しと、セッション後の活発な質疑応答は、「WordPress × SEO」というテーマへの関心の高さを物語っていました。

検索の常識が変わりつつある今だからこそ、基本を押さえて次の時代に備えましょう。AI時代のSEOは小手先のテクニックではなく、本質的な信頼構築が鍵になります。

この記事が、あなたのWordPressサイト運営の一助となれば幸いです。

今回の登壇資料はこちらからダウンロードできます。