「OEM担当者が来てくれない。来ても問い合わせにならない」──hide-aci工房のBtoBサイトが変わるまで

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「OEM発注を検討している企業の担当者が、サイトに来てくれていない」「来てくれても、問い合わせにつながらない」──これがhide-aci工房のリニューアル前の状況でした。

東京・葛飾の自社工房で国内生産を行うhide-aci工房(株式会社アルファトゥリアジャパン)は、OEM製造・生地販売・オーダーメイドという3軸のビジネスを持ちます。品質には自信があった。でもウェブ上では「誰に何を伝えるべきサイトか」が整理されておらず、BtoB企業からの問い合わせが伸び悩んでいました

リニューアルを通じて、各ページのデータは大きく変わりました。

「良いページを作った」が、なぜ見てもらえなかったのか

hide-aci工房のリニューアル前のサイトには、OEMページも生地販売ページも存在していました。しかし「企業のOEM担当者が発注を検討するとき、最初に何を知りたいか」という視点が不足していました。

①OEMページ:「できます」の羅列で、企業担当者の意思決定を後押しできていなかった
国内生産・小ロット対応・品質保証──OEMページには機能の説明がありました。しかし企業のOEM担当者が知りたいのは「最小ロット何個から?」「納期は?」「どんな実績があるか?」といった意思決定に必要な具体情報です。「できます」の説明だけでは問い合わせのハードルが下がらず、問い合わせが来ない状態が続いていました。

②生地ページ:60種類の豊富さが、かえって選びにくくしていた
60種類以上という生地の豊富さは強みです。しかし、サイトで一覧を見ても「自分が欲しいものがどこにあるかわからない」という状態でした。訪問者は来るが、目的の生地を見つける前に離脱する──滞在時間が短いデータがそれを証明していました。

③トップページ:3つの事業軸が整理されておらず、誰向けのサイトかが伝わらなかった
OEM製造・生地販売・オーダーメイドという異なるターゲットの事業が混在し、トップページに来ても「自分はどこに進めばいいか」がわかりにくい設計でした。BtoB企業担当者もBtoC個人も、入口で迷って離脱していました。

「ページごとの訪問者」に合わせた、3つの設計変更

①OEMページ:企業担当者の「発注判断プロセス」に沿った情報設計
OEMを検討する企業担当者は、比較検討の過程でサイトを見ます。「国内生産の品質」「最小ロット」「納期感」「過去の実績」──これらを意思決定の順番に沿って配置することで、「問い合わせするかどうか」の判断がスムーズにできるページに変えました。担当者が上司に「ここに発注したい」と提案するための根拠をサイトで揃えられるようにしました。

②生地ページ:60種類を「選びやすく」整理するカテゴリ設計
生地の豊富さは強みですが、多いだけでは選べません。用途・素材・厚み・色などのカテゴリで整理し、「帆布の厚手タイプを探している」という訪問者がスムーズに目的の生地にたどり着けるよう再設計しました。選ぶ楽しさと見つけやすさが共存するページが、滞在時間を伸ばしました。

③トップページ:「誰向けのサイトか」を3秒で伝える分岐設計
OEM企業担当者・生地を探している個人・オーダーメイドを検討している個人──三者が最初に見るトップページで、「あなたはこちらへ」という明確な分岐を設けました。全員に一度に語りかけるより、それぞれの入口から自分に合った深みへ誘導する設計に変えました。

ページごとに変わったデータ

ページ改善前改善後経営的な意味
OEMページ基準値表示回数3.5倍企業担当者がOEM情報を見つけられるようになった
生地販売ページ基準値滞在時間3.75倍訪問者が生地を選ぶプロセスに留まるようになった
トップページ基準値表示回数2倍サイトへの入口が広がった
検索順位41位19.8位BtoB検索で見つけてもらえるようになった

OEMページの表示回数が3.5倍になるということは、企業担当者がhide-aci工房のOEM情報を見つけ、読むようになったということです。生地ページの滞在時間が3.75倍になるということは、訪問者が「ここで買いたい生地がある」と感じ、選ぶ時間を過ごしているということです。

ウェブのデータは、「誰がサイトに来て、何をしているか」を教えてくれます。OEMページへのアクセスが増えれば、BtoB問い合わせの可能性が高まる。生地ページの滞在時間が延びれば、購入・問い合わせに至る確率が上がる。データはそれぞれ、経営の変化に直結しています。

製造業・BtoBサイトの運営者の方へ

「サイトはあるが、BtoBの引き合いがウェブから来ない」「OEMページが見られていない」「複数の事業があって、誰向けのサイトにすればいいかわからない」──製造業・BtoBビジネスを営む事業者様から、こういったご相談をいただきます。

hide-aci工房の事例が示すのは、「ページの数を増やす」のではなく「各ページが誰のためのページか」を明確にすることが、BtoBの問い合わせ増加への近道だということです。エル・タジェールは、アクセスデータとユーザー行動の分析をもとに、どのページをどう変えれば経営的な変化が起きるかをご提案します。まずはお気軽にご相談ください。


執筆者紹介

横浜開港記念館での横浜WordPressミートアップで登壇しました

戦略的ウェブ制作工房エルタジェール代表。
WordPress勉強会アドバイザーウェブ解析士SEO検定1級
・生成AIパスポート資格を保有し、デジタル庁デジタル推進委員も務める。WordPress専門のウェブ制作と、データドリブンなSEO・ウェブ解析コンサルティングを提供。「作るだけでなく、数字で成果を出す」をモットーに、中小企業のデジタル成長を支援。

ウェブ解析士協会の公認インタビュー記事でも専門性が紹介されています。

あなたのビジネスのデジタル成長パートナーとして、 売上向上・問い合わせ増加まで伴走します。
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