この記事の結論
- 問い合わせが来ない原因の多くは、腕や実力ではなく「伝え方の欠落」にある
- 欠落は3つ。「誰に向けた店か」「他と何が違うのか」「次に何をすればいいのか」が書かれていない
- 直し方は、強みを言葉にする(ブランド)→ 数字で確かめる(データ)の順番
- 自分では気づきにくいので、外の目で一度チェックするのが近道
なぜ、いい仕事をしているのに問い合わせが来ないのですか?
理由は実力不足ではなく、サイトを見た人に価値が「伝わる形」になっていないからです。
「腕には自信がある。リピーターさんも、紹介もある。なのに、ホームページからの問い合わせはほぼゼロ」――もしこれが自分のことだと感じたら、まず一つだけお伝えしたいことがあります。それは、あなたの実力の問題ではない、ということです。
来てくれたお客さまが満足して帰っていくなら、商品やサービスの中身は証明済みです。問題はその手前、つまり「まだあなたを知らない人」が、サイトを見た数十秒で価値を理解できるか、にあります。
私はウェブ解析士として、これまで多くの小さなお店・事務所のサイトのアクセスデータを見てきました。問い合わせが来ないサイトには、業種を問わず驚くほど共通したパターンがあります。腕の差ではなく、伝え方の差。ここから、その「欠落」を3つに分けて見ていきます。
問い合わせが来ない店に共通する「伝え方の欠落」とは何ですか?
「誰のための店か」「他と何が違うか」「次に何をすべきか」の3つが、ページに書かれていないことです。
欠落① 「誰のための店か」が書かれていない
多くのサイトは「当店のメニュー」「業務内容」「料金」から始まります。ところが初めて訪れた人が最初に知りたいのは、メニューではなく「ここは自分のような人が行っていい場所なのか」です。
たとえば整体院なら、「慢性的な腰痛を10年我慢してきた人」と「スポーツのケガを早く治したい学生」では、響く言葉がまったく違います。誰にでも当てはまる書き方は、誰の心にも刺さりません。
欠落② 「他と何が違うのか」が言葉になっていない
これが一番多く、そして一番もったいない欠落です。技術へのこだわり、経験の厚み、仕事の丁寧さ――本人にとっては「当たり前」すぎて、わざわざ書くことではないと思ってしまう。その結果、サイトには他店と同じ言葉だけが並び、見た人は価格でしか比べられなくなります。
本物の技術を持つ人ほど、自分を売り込むことに後ろめたさを感じるものです。でも、違いを言葉にすることは「売り込み」ではありません。お客さまが正しく選ぶための、判断材料の提供です。
欠落③ 「次に何をすればいいのか」が示されていない
サイトを読んで「良さそうだな」と思った人が、次にとるべき行動が分からない。電話していいのか、予約フォームなのか、まず相談だけでもいいのか。この「次の一歩」の案内が曖昧なサイトは、せっかく興味を持った人を玄関先で帰してしまいます。
自分のサイトに「伝え方の欠落」があるか、どう確認すればいいですか?
初めての人に見せて「何の店で、何が良くて、どうすればいいか」を言ってもらうのが最も簡単な確認方法です。
おすすめは、あなたの仕事を知らない人にサイトを30秒だけ見てもらい、次の3つを答えてもらうことです。
- ここは「誰のための」お店・事務所だと思いますか?
- 他のお店と「何が違う」と感じましたか?
- 興味を持ったら「次に何をすればいい」と分かりましたか?
3つとも答えられなければ、伝え方に欠落があります。あなたの腕とは無関係に、です。
もう一歩進めるなら、数字でも確認できます。Googleの無料ツール(Googleアナリティクスやサーチコンソール)を見ると、「どんな言葉で検索して来た人が」「どのページを何秒見て」「どこで帰ったか」が分かります。たとえばトップページの平均閲覧時間が極端に短ければ、最初の画面で「自分向けの店ではない」と判断されている可能性が高い。勘ではなく、こうした事実から直す場所を決められます。
伝え方を直すには、何から始めればいいですか?
先に強みを言葉にし(ブランド)、その言葉が効いているかを数字で確かめる(データ)、この順番で始めます。
順番が大事です。デザインのリニューアルや広告から入ると、「何を伝えるか」が空っぽのまま器だけ新しくなり、結果が変わりません。
手順1:お客さまの言葉を集める。自分で強みをひねり出す必要はありません。お客さまが「ここに来てよかった」と言ってくれた理由、紹介してくれた人が添えた一言。そこにあなたの「選ばれている本当の理由」が既にあります。
手順2:3つの欠落を埋める文章に直す。集めた言葉をもとに、「誰のための店か」「何が違うのか」「次にどうすればいいか」をページの上から順に書き直します。飾った言葉より、お客さまの語彙に近い言葉のほうが伝わります。
手順3:数字で確かめて、直し続ける。書き直したら、閲覧時間や問い合わせ数の変化を見ます。長年の勘や経験は間違っていないことが多い。ただ、それを数字で裏づけられると、迷わず次の一手を打てるようになります。
私自身、デジタル庁のデジタル推進委員やつくば市の窓口相談員として、たくさんの小さな事業者さんの相談を受けてきました。「広告にお金をかける前に、まず伝え方を直す」。遠回りに見えて、これが一番費用対効果の高い順番です。
実際に「伝え方」を直して問い合わせが増えた例はありますか?
あります。確かな技術を持つ専門メーカーが、伝え方の整理だけで新規の問い合わせを獲得できるようになった実例です。
50年以上の技術を持ちながら「ホームページからの問い合わせはほぼゼロ」だった専門メーカー・八汐シーリング技研さんの事例では、技術を新しくつくったわけでも、広告費をかけたわけでもありません。すでに持っていた強みを「誰に・何が違うと」伝えるかを整理し、データで検証しながらサイトを直した結果、ホームページが新規顧客との接点に変わりました。
詳しくはこちらの実例記事にまとめています:技術はあるのに問い合わせが来ない――老舗メーカーが変わった実話
まとめ:欠落は、直せる
問い合わせが来ないのは、あなたの仕事の価値が低いからではありません。価値が「伝わる形」になっていないだけ。そして伝え方の欠落は、3つとも直せます。
とはいえ、自分のサイトの欠落は、自分では一番見えにくいものです。エル・タジェールでは、30分の無料診断で「あなたのサイトのどこに欠落があるか」を、データを見ながら具体的にお伝えしています。売り込みはしません。現状を一緒に言葉にするところから始めませんか。
よくある質問
見た目の古さよりも「何が書かれているか」の影響が大きいケースがほとんどです。デザインが新しくても、誰のための店か・何が違うかが書かれていなければ問い合わせは増えません。リニューアル前に、まず伝え方の欠落がないかを確認するのがおすすめです。
お客さまの言葉の中に答えがあります。「ここに来てよかった」と言われた理由、紹介時に添えられた一言を集めてみてください。自分では当たり前すぎて気づかないことが、お客さまにとっての「選ぶ理由」になっています。
ページの閲覧時間や離脱率といった手前の数字は数週間で変化が見え始めることが多いです。問い合わせ数の変化はアクセス数にもよるため、数字を見ながら2〜3か月単位で検証と修正を重ねるのが現実的です。
伝え方が先です。欠落のあるサイトに広告で人を集めても、玄関先で帰ってしまいます。受け皿を整えてから集客に投資するほうが、同じ費用で得られる成果が大きくなります。
あなたのサイトのアクセスデータと内容を拝見し、「3つの欠落」のうちどこが問い合わせを止めているかを具体的にお伝えします。30分のオンライン形式で、強引な営業は一切ありません。

