「うちのウリって何だっけ?」を30分で言葉にする、強みの書き出し方

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この記事の要点

  • 強みが言葉にできないのは、能力の問題ではなく「自分にとって当たり前すぎて見えない」だけです。
  • 紙1枚と30分あれば、「誰に・何を・なぜあなたに」の3つの問いで強みの輪郭は出せます。
  • 書き出した言葉は、お客様が実際に使う言葉に翻訳して初めて「伝わる強み」になります。
  • 一人で煮詰まったら、第三者に事実ベースで棚卸ししてもらうのが近道です。

なぜ自分の「ウリ」は、こんなにも言葉にできないのか?

自分の強みが言葉にできないのは、その強みが「自分にとって当たり前」になりすぎて、価値として見えなくなっているからです。

夜23時、スマホで同業の繁盛しているサイトを眺めながら「うちのウリって、結局なんだっけ」とつぶやいた経験はありませんか。これは、あなたの実力が足りないからではありません。むしろ逆で、長年その仕事を続けてきた人ほど、自分の手の中にある価値が空気のように当たり前になり、改めて言葉にできなくなります。

毎日やっている丁寧な確認作業、相手の表情を見て変える説明の仕方、断りきれずに引き受けてきた難しい案件。本人にとっては「普通のこと」でも、お客様から見れば、それこそが「この人にお願いしたい」理由です。強みは、すごい一言の中ではなく、当たり前にやっている細部の中に隠れています。だから、外から見ないと気づけないのです。

ここで言う「強み(ウリ)」とは、価格や立地のことではありません。他社でも真似できる条件ではなく、あなたという人・あなたの仕事のやり方に結びついた、選ばれる理由のことを指します。これが言葉になっていないと、お客様はあなたを評価する物差しを「価格」しか持てません。だから安いほうに流れます。値上げに踏み切れないのも、安い競合に取られるのも、根っこは同じ。「選ばれる理由」が言葉になっていないことです。

強みを1枚にまとめる「3つの問い」とは?

紙を1枚用意し、「誰に・何を・なぜあなたに」の3つの問いに、思いつくまま書き出します。きれいにまとめようとせず、まず量を出すのがコツです。

30分、スマホを置いて、手書きで構いません。次の順番で書き出してみてください。

問い1:これまでで「本当に喜ばれた」のは、どんなお客様だったか。
売上が大きかった人ではなく、心から「ありがとう」と言われた顔を思い出します。その人はどんな悩みを抱えて来て、どう変わって帰っていったか。3人ぶん具体的に書けると、あなたが力を発揮できる相手の輪郭が見えてきます。

問い2:その人に対して、自分は他の人がやらない「何を」していたか。
カウンセリングに時間をかける、アフターのフォローを欠かさない、断られても代替案を出す——「普通でしょ」と思うことほど書き出してください。その「普通」が、他では受けられないサービスです。

問い3:その人は「なぜ、他ではなくあなた」を選んで、選び続けたのか。
ここが核心です。わからなければ、実際にお客様に聞くのが一番早い。「正直、何が決め手でしたか?」と聞くと、自分では思いもしなかった言葉が返ってきます。その言葉こそ、あなたが探していた「ウリ」の原石です。

3つの問いの答えを並べると、「こういう悩みの人に・こういうやり方で・こういう理由で選ばれている」という1行が見えてきます。これがあなたの強みの芯です。完璧な1行を最初から狙わず、まず書き殴ることが大切です。

書き出した強みを、お客様に伝わる言葉に変えるには?

書き出した強みは、専門用語を一度すべて捨て、お客様が実際に検索したり口にしたりする言葉に置き換えると、初めて「伝わる強み」になります。

ここでつまずく人が一番多いです。せっかく強みを書き出しても、ホームページに「丁寧なカウンセリングと根本改善」と書いてしまう。これは専門家の言葉であって、お客様の言葉ではありません。お客様は「丁寧なカウンセリング」では検索しないし、心も動きません。

翻訳のコツは、「お客様の悩みの言葉」→「あなたの強み」→「お客様が手に入れる変化」の順に並べ替えることです。たとえば「根本改善」なら、お客様の言葉では「その場しのぎじゃなく、もう繰り返したくない」。あなたの強みは「原因から見直す施術」。手に入る変化は「同じ痛みで通い続けなくてよくなる」。この3つをつなぐと、「『またぶり返すんじゃないか』という不安に、原因から向き合って終わりにする」——お客様の頭の中の言葉になります。

ここで効いてくるのが「事実」です。強みを語るとき、専門家は「自信があります」と言いたくなりますが、誠実な人ほどそれが苦手で、結局控えめな表現になってしまう。煽らずに強みを伝える唯一の方法は、数字と事実で示すことです。「9割の方が」「平均3回で」「10年で2,000人」——盛る必要はありません。事実をそのまま置くだけで、売り込みにならずに信頼が伝わります。私たちエル・タジェールが「ブランド(らしさの言語化)×データ(事実での証明)」を両輪と呼ぶのは、まさにこの理由です。あなたの誇りを言葉にし、それを誇張せず数字で裏づける。煽りが嫌いな専門家にこそ、この作法が合います。

実際、技術はあるのに問い合わせが来なかった老舗メーカーの事例では、強みを「お客様の言葉」に翻訳し、実績を事実で見せ直すことで、問い合わせの質が変わりました(八汐シーリングの事例)。やったことは、新しい強みを作ったのではなく、もともとあった強みを「伝わる形」にしただけです。

言語化した強みは、どこで使えばいいのか?

まず最初に直すべきはホームページのトップページ最上部です。訪問者は3秒で「自分向けかどうか」を判断するため、強みの1行はそこに置くのが最も効きます。

せっかく言葉にした強みを、会社概要の奥に埋めてしまう人がいます。これでは誰にも届きません。優先順位は次のとおりです。

ホームページのトップ最上部(ファーストビュー)に、「こういう悩みの人に・こういう理由で選ばれている」の1行を置く。次に、その根拠となる事例・お客様の声を、事実とセットで並べる。さらに、SNSのプロフィールや名刺、見積書の表紙にも同じ言葉を使う。バラバラの言葉で語るのをやめ、すべての接点で同じ1行を繰り返すこと。これが、お客様の頭の中に「この分野ならこの人」という記憶を作ります。

逆に言うと、強みを言語化していないサイトは、トップに「地域No.1」「安心・丁寧」といった、どこにでもある言葉が並びます。これらは誰の心も動かしません。あなたの言葉で、あなたの強みを、お客様の悩みに刺さる形で置く。それだけで、価格以外の物差しがお客様の手に渡ります。

自分一人で言語化するのが難しいときは?

強みは自分にとって当たり前すぎて見えないため、事実ベースで棚卸ししてくれる第三者に手伝ってもらうのが、結局いちばん早く正確です。

3つの問いをやってみて、それでも言葉にならない——これは普通のことです。先ほど述べたとおり、自分の強みは自分から一番見えにくい場所にあります。鏡なしに自分の背中が見えないのと同じです。

このとき大事なのは、「センスのいいキャッチコピーを作ってくれる人」ではなく、「あなたの仕事を事実から理解して、強みを誇張せず言葉にしてくれる人」を選ぶことです。煽って売り込む相手ではなく、データと事実であなたの価値を証明してくれる相手。エル・タジェールの30分無料診断では、あなたのサイトとお客様の動きを実際の数字で見たうえで、「あなたの強みが、どこで伝わらずに止まっているか」を事実でお見せします。

「うちのウリって何だっけ」と夜中に検索して閉じる、その繰り返しを終わりにしませんか。まずは何が伝わっていないのかを、数字で確かめるところから始められます。

→ 30分無料診断でわかること

よくある質問

強みの言語化に、どれくらい時間がかかりますか?

紙1枚に書き出すだけなら30分で輪郭は出せます。ただし、それをお客様に伝わる言葉に磨き、サイトに反映するまでを含めると、数日〜数週間が目安です。一気に完璧を目指さず、まず書き出すことから始めるのがおすすめです。

キャッチコピーを作ってもらえば、強みは伝わりますか?

言葉だけ整えても、根拠となる事実や事例が伴わないと「うまいこと言っているだけ」に見えてしまいます。大切なのは、強みを言語化し、それを数字や実例で裏づけること。言葉と事実がそろって初めて、煽らずに信頼が伝わります。

自分の強みが「価格の安さ」しか思いつきません。

価格は強みではなく条件です。「なぜ安くできるのか」「安さの裏で何を大事にしているのか」を掘り下げると、本当の強みが見えてきます。安さで選ばれているうちは、より安い相手が現れた瞬間に失います。価格以外の選ばれる理由を言葉にすることが、消耗から抜ける第一歩です。

お客様に「決め手は何でしたか」と聞くのは、図々しくないですか?

むしろ喜ばれることが多いです。選んでくれた理由を尋ねるのは、相手を大切にしている姿勢の表れでもあります。「今後の参考に」と一言添えれば自然に聞けます。返ってくる言葉が、自分では気づけなかった強みの原石になります。

ホームページを作り直さないと、強みは伝えられませんか?

必ずしも全面リニューアルは必要ありません。トップ最上部の1行と、事例の見せ方を変えるだけでも伝わり方は変わります。まずは今のサイトの「どこで伝わらずに止まっているか」を確かめることが先です。


執筆者:宮崎真一

横浜開港記念館での横浜WordPressミートアップで登壇しました

戦略的ウェブ制作工房エルタジェール代表。
ブランドマネージャーウェブ解析士SEO検定1級・生成AIパスポート資格を保有し、つくば市ワンストップ相談員・デジタル庁デジタル推進委員も務める。
WordPress専門のウェブ制作と、データドリブンなSEO・ウェブ解析コンサルティングを提供。「作るだけでなく、数字で成果を出す」をモットーに、中小企業のデジタル成長を支援。
WordPress勉強会アドバイザー

ウェブ解析士協会の公認インタビュー記事でも専門性が紹介されています。

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